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無能扱いで追放したら、勇者パーティが半年で崩壊しました 〜装備も補給も撤退判断も全部俺がやってたと気づいても、もう遅い〜  作者: 芋平


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108/113

第108話 住民の反発

 その日の午後。


---


 空き地の市場は、

 異様な空気に包まれていた。


---


 人はいる。


---


 だが。


---


 笑顔は少ない。


---


 代わりに。


---


 苛立ち。


---


 不満。


---


 疑い。


---


「もうやめろ!」


---


 誰かが叫ぶ。


---


 その声が。


---


 一気に広がる。


---


「危ないんだよ!」


「通れねえんだよ!」


「うるせえんだよ!」


---


 怒号。


---


 カイルが

 眉をひそめる。


---


「来たな」


---


 リーネは

 静かに前に出る。


---


「話を聞かせてください」


---


「聞いてどうすんだよ!」


---


 男性が

 怒鳴る。


---


「最初は良かった!」


---


「でも今はどうだ!」


---


「ぐちゃぐちゃじゃねえか!」


---


 周囲も

 同調する。


---


「安全じゃない!」


「子供が危ない!」


「道が塞がってる!」


---


 正しい。


---


 すべて。


---


 正しい不満だった。


---


 リーネは

 黙って聞く。


---


 反論しない。


---


 否定しない。


---


 ただ。


---


 受け止める。


---


 その様子に。


---


 少しだけ

 声が弱まる。


---


「……で」


---


 別の男が言う。


---


「どうすんだよ」


---


 視線が集まる。


---


 答えを求めている。


---


 リーネは

 静かに言う。


---


「修正します」


---


 短い言葉。


---


「信用できるかよ!」


---


 即座に返される。


---


 空気が張り詰める。


---


 カイルが

 一歩前に出る。


---


「じゃあ聞くけど」


---


 低い声。


---


「今のままがいいのか?」


---


 沈黙。


---


 誰も答えない。


---


 カイルは続ける。


---


「元に戻すか?」


---


「全部やめるか?」


---


 少しずつ。


---


 視線が揺れる。


---


 あの頃。


---


 静かだった街。


---


 何も起きなかった街。


---


 安全だった。


---


 だが。


---


 止まっていた。


---


「……それは」


---


 誰かが呟く。


---


 言葉が続かない。


---


 カイルが

 少しだけ笑う。


---


「だろ?」


---


「今はめちゃくちゃだ」


---


「でも」


---


「動いてる」


---


 リーネが

 静かに言う。


---


「だから」


---


「整えます」


---


 視線はまっすぐ。


---


「安全を確保し」


---


「ルールを作り」


---


「続けられる形にします」


---


 沈黙。


---


 誰もすぐには

 納得しない。


---


 当然だ。


---


 信頼は

 壊れている。


---


 その時。


---


「……やってみろよ」


---


 小さな声。


---


 最初に出店した店主だった。


---


「俺は」


---


「まだやりたい」


---


 その一言で。


---


 空気が変わる。


---


「……俺もだ」


---


「やめたくはねえ」


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「でもこのままは無理だ」


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 声が増える。


---


 否定だけではない。


---


 迷い。


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 揺れ。


---


 そして。


---


 わずかな期待。


---


 リーネは

 その全てを見る。


---


 そして。


---


「三日ください」


---


 静かに言う。


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「三日で」


---


「形にします」


---


 カイルが

 横で小さく笑う。


---


「短っ」


---


 リーネは

 答える。


---


「時間がないので」


---


 その言葉に。


---


 誰かが

 小さく笑った。


---


 ほんの少しだけ。


---


 空気が緩む。


---


 完全ではない。


---


 だが。


---


 崩壊は止まった。


---


 リーネは

 空を見上げる。


---


 まだ。


---


 終わっていない。


---


 ここから。


---


 本当の勝負が始まる。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

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