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無能扱いで追放したら、勇者パーティが半年で崩壊しました 〜装備も補給も撤退判断も全部俺がやってたと気づいても、もう遅い〜  作者: 芋平


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106/113

第106話 大失敗

 問題は、

 積み重なっていた。


---


 混雑。


 騒音。


 苦情。


---


 だが。


---


 それだけではない。


---


「報告です!」


---


 担当官が

 駆け込んでくる。


---


「NCIが――」


---


 会議室の空気が

 一瞬で変わる。


---


「どうした」


---


「ヴァルト市のNCI」


---


「下がっています」


---


 沈黙。


---


 カイルが

 顔をしかめる。


---


「……は?」


---


「挑戦枠は

 影響しないはずだろ?」


---


「そのはずです!」


---


 担当官は

 必死に資料を開く。


---


「ですが」


---


「周辺指数が

 下がっています」


---


 スクリーンに

 グラフが映る。


---


 安全指数。


---


 低下。


---


 生活満足度。


---


 低下。


---


 環境評価。


---


 低下。


---


「……連鎖してるな」


---


 カイルが呟く。


---


 リーネは

 黙って見ていた。


---


 原因は明確だ。


---


 急激な拡張。


---


 管理不足。


---


 制度は守った。


---


 だが。


---


 **現実が崩れた。**


---


「報道も出ています!」


---


 別の担当官が言う。


---


「“無秩序な市場”」


---


「“安全軽視の政策”」


---


「“失敗制度”」


---


 言葉が並ぶ。


---


 重い。


---


 カイルが

 ため息をつく。


---


「派手に燃えてんな」


---


 リーネは

 静かに言う。


---


「想定内です」


---


「いや」


---


 カイルが

 振り向く。


---


「想定内でもキツいだろこれ」


---


「ええ」


---


 リーネは

 うなずく。


---


「でも」


---


「ここで止めると」


---


「制度が終わります」


---


 短い言葉。


---


 だが。


---


 重い。


---


「議会からも連絡です!」


---


 担当官が言う。


---


「制度の一時停止を検討」


---


「責任追及の可能性」


---


 沈黙。


---


 カイルが

 天井を見る。


---


「来たな」


---


 最悪の展開。


---


 リーネは

 静かに目を閉じる。


---


 一瞬。


---


 そして。


---


 開く。


---


「現場に行きます」


---


「え?」


---


「止めるのではなく」


---


「直します」


---


 担当官が

 戸惑う。


---


「ですが」


---


「もう批判が――」


---


「だからです」


---


 リーネの声は

 静かだった。


---


 だが。


---


 揺れない。


---


「制度は」


---


「失敗を含めて設計するものです」


---


 カイルが

 少しだけ笑う。


---


「……いいね」


---


「それ」


---


「やっと

 面白くなってきた」


---


 リーネは

 歩き出す。


---


 外。


---


 騒がしい市場。


---


 混乱。


---


 怒号。


---


 不満。


---


 その中に

 踏み込む。


---


 ここが。


---


 分岐点だ。


---


 成功か。


---


 失敗か。


---


 そして。


---


 制度が。


---


 “本当に試される瞬間”だった。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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