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無能扱いで追放したら、勇者パーティが半年で崩壊しました 〜装備も補給も撤退判断も全部俺がやってたと気づいても、もう遅い〜  作者: 芋平


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104/113

第104話 最初の改革

 空き地の風景は、

 数日で変わった。


---


 最初は一つだった仮設店舗。


---


 今は。


---


 二つ。


 三つ。


---


 少しずつ増えている。


---


「……増えたな」


---


 カイルが

 感心したように言う。


---


「はい」


---


 リーネも

 静かにうなずく。


---


 最初に手伝った店主たち。


---


 そして。


---


 それを見ていた

 別の店主たち。


---


「やってみるか」


---


 その一言が

 連鎖した。


---


 今。


---


 空き地は。


---


 小さな市場になっている。


---


 人も増えた。


---


 笑い声もある。


---


 以前のヴァルト市には

 なかった光景。


---


「これ」


---


 担当官が

 呟く。


---


「本当に同じ街か……?」


---


 数値では変わっていない。


---


 だが。


---


 空気は変わっている。


---


「売上どうだ?」


---


 カイルが聞く。


---


「黒字です」


---


 店主が答える。


---


「小さいけど」


---


「確実に」


---


 リーネは

 資料を見る。


---


 数字が出ている。


---


 小さい。


---


 だが。


---


 確かに上がっている。


---


「これなら」


---


 担当官が言う。


---


「報告できるかもしれない」


---


 NEAへの報告。


---


 そして。


---


 議会への実績。


---


 カイルが

 ニヤッと笑う。


---


「どうだ?」


---


「いけそうだろ」


---


 リーネは

 少しだけ考える。


---


 そして。


---


「まだです」


---


 即答だった。


---


 カイルが

 眉を上げる。


---


「え?」


---


「これじゃダメか?」


---


「ダメではありません」


---


「ですが」


---


 リーネは

 空き地を見る。


---


 賑わい。


---


 笑顔。


---


 活気。


---


「これは」


---


「一時的です」


---


 担当官が

 顔をしかめる。


---


「一時的?」


---


「はい」


---


「まだ制度ではない」


---


 沈黙。


---


 カイルが

 腕を組む。


---


「どういうことだ?」


---


「今は」


---


「“やっていい”状態です」


---


「でも」


---


「“続けられる仕組み”ではない」


---


 リーネの言葉は

 静かだ。


---


 だが。


---


 本質だった。


---


「人が動いたのは」


---


「制度が変わったからではなく」


---


「きっかけがあったから」


---


 カイルが

 小さく笑う。


---


「まあ俺だな」


---


「ええ」


---


 即答。


---


「おい」


---


 担当官が

 少し考える。


---


「……つまり」


---


「このままだと」


---


「また止まる?」


---


「はい」


---


 リーネは

 はっきり言う。


---


「制度にしないと」


---


「人は戻ります」


---


 沈黙。


---


 空き地の向こう。


---


 人が笑っている。


---


 だが。


---


 それはまだ。


---


 安定していない。


---


「……じゃあどうする?」


---


 カイルが聞く。


---


 リーネは答える。


---


「広げます」


---


「制度として」


---


 担当官が

 息を呑む。


---


「この街全体に?」


---


「はい」


---


 その言葉は。


---


 次の段階を意味していた。


---


 小さな成功。


---


 だが。


---


 ここからが本番だ。


---


 制度は。


---


 “成功すること”ではなく。


---


 “続くこと”が重要だからだ。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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