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無能扱いで追放された俺、実はパーティが崩壊しないよう全部やってただけでした  〜戻ってこいと言われても、もう遅い〜  作者: 芋平


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103/113

第103話 現場の抵抗

 仮設店舗は、

 予想以上に人を集めていた。


---


 安い。


 手軽。


 気軽に試せる。


---


 それだけで。


---


 人は動く。


---


「……売れてるな」


---


 カイルが

 軽く言う。


---


「想定通りです」


---


 リーネは

 静かに答える。


---


 小さな成功。


---


 だが。


---


 その裏で。


---


「ちょっといいか」


---


 低い声。


---


 振り向く。


---


 商店街の店主たちが

 数人、立っていた。


---


 腕を組んでいる。


---


「これ」


---


「どういうことだ?」


---


 空気が変わる。


---


 カイルが

 少しだけ

 顔を上げる。


---


「どういうことって?」


---


「見て分かるだろ」


---


 店主が

 苛立ちを隠さず言う。


---


「なんであいつだけ」


---


「好きにやっていいんだ」


---


 沈黙。


---


 リーネが

 前に出る。


---


「挑戦枠です」


---


 短い説明。


---


「評価に影響しない」


---


「期間限定」


---


「低リスク運用です」


---


 店主たちは

 顔を見合わせる。


---


「……じゃあ」


---


「俺たちは?」


---


 別の店主が言う。


---


「失敗したら終わりだ」


---


「評価も下がる」


---


「なのに」


---


「こいつだけ

 特別扱いか?」


---


 その言葉は。


---


 正しかった。


---


 制度はまだ。


---


 **一部にしか適用されていない。**


---


 だから。


---


 不公平が生まれる。


---


 カイルが

 小さく笑う。


---


「やればいいじゃん」


---


 全員が

 止まる。


---


「は?」


---


「やればいいだろ」


---


「同じ条件で」


---


 店主たちが

 ざわつく。


---


「そんな簡単に――」


---


「できるよ」


---


 リーネが言う。


---


「申請すれば」


---


「誰でも」


---


 沈黙。


---


 店主たちは

 戸惑う。


---


「……本当に?」


---


「はい」


---


「制限はありますが」


---


「開かれています」


---


 空気が変わる。


---


 だが。


---


「でもよ」


---


 一人が言う。


---


「やったことねえんだよ」


---


「新しいことなんて」


---


 その言葉で。


---


 場が止まる。


---


 それが本質だった。


---


 制度の問題ではない。


---


 **人が止まっている。**


---


 カイルが

 少しだけ

 優しい声で言う。


---


「じゃあさ」


---


「一緒にやるか?」


---


 店主が

 顔を上げる。


---


「……一緒に?」


---


「俺一人じゃ

 回らねえし」


---


「手伝ってくれたら」


---


「売上、分ける」


---


 軽い提案。


---


 だが。


---


 空気が変わる。


---


「……いいのか?」


---


「いいよ」


---


「どうせ実験だし」


---


 カイルは笑う。


---


「失敗しても怒られない」


---


 その言葉に。


---


 数人が

 顔を見合わせる。


---


 そして。


---


「……やるか」


---


 小さな声。


---


 だが。


---


 確かに。


---


 動いた。


---


 リーネは

 その様子を見ていた。


---


 制度だけでは。


---


 人は動かない。


---


 だが。


---


 きっかけがあれば。


---


 動く。


---


 少しずつ。


---


 カイルが

 笑う。


---


「な?」


---


「動くだろ」


---


 リーネは

 小さくうなずく。


---


「ええ」


---


「でも」


---


 静かに言う。


---


「まだ足りません」


---


 視線は。


---


 街全体へ。


---


 この変化は

 まだ小さい。


---


 だが。


---


 確実に。


---


 広がり始めていた。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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