表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/29

二十七話『白雪式ダンジョンブートキャンプ』

あれから10日が経った。

僕は白雪さんに連れまわされて9日間で数多(あまた)のダンジョンを駆け回った。

僕の目はきっと死んだ魚の目のように濁った瞳をしていることだろう。

僕の9日間をここに記そうと思う。




YYYY/MM/01(Mon)


初日はお試しだからと白雪さんは笑っていた。

僕の能力を検証することが目的だと言っていた。

どうすれば魔石を取り込めるのか。

そしてその力は単独でしか使えないのか複合されるのか。

複合されるとしたら加算か剰算か。


その結果は最高のものだった。

僕の力は単独でも複合でも使えるようで、二つを単純に足し合わせるのではなくダンジョン機構が導き出し最適化された姿へと変貌した。

ただし、それには僕が止めをさす必要があった。止めをさして産まれた魔石に対して食欲が刺激された。


白雪さんはその結果に満足して、取り込める上限はいくらだろうと悪魔の笑みを浮かべていた。




YYYY/MM/02(Tue)


二日目。

昨日は検証のために2つのダンジョン巡りだけしかできなかったと残念がっていた。

僕の悪い予感は当たった。

朝に3ダンジョンをノンストップで駆け抜け最速で踏破したと思ったら昼からは6ダンジョンを休みなく踏破させらされた。

いくらC級ダンジョンだったとは言え、大変だったと思ったら夜食とばかりに深夜から追加で2ダンジョンを踏破した。




YYYY/MM/03(Wed)


三日目。

ドッペルゲンガーのいるダンジョンを踏破した。

僕は分裂した。そして分裂した僕がさらに分裂し、8つになってC級ダンジョンを60踏破した。

ドッペルゲンガーになっても体内のダンジョンは一つのようだった。感覚としては入り口が増えた感じだ。

体内のダンジョンは自分で魔物を生むことはしないが、取り込んだ魔石を魔物に復元することができるみたいだ。使わない魔石は体内で魔物になって僕の体内はテーマパークみたいになっている。




YYYY/MM/04(Thu)


四日目。

移動圏内のC級ダンジョンを全て踏破した。

なおここまでのダンジョンはダンジョン核を破壊していないのでダンジョンはなくなっていない。

ダンジョン崩壊していないダンジョンは貴重な資源なのでダンジョン核の破壊は基本的には禁止されている。

間引きができなくなってダンジョン崩壊があり得るダンジョンは競売にかけられたり廃棄されることもあり、その場合はダンジョン核を破壊してもいい。

C級ダンジョンが終わったら次は分かるよね?と白雪さんは言った。




YYYY/MM/05(Fri)

五日目。

B級ダンジョンでは少しは苦戦するのかと思ったがどうにもこの体は高スペックのようだ。

ドッペルゲンガーの体でさえも問題なくダンジョンをクリアできた。

この日は20のダンジョンを踏破した。少なくなったかと思うだろうが、B級ダンジョンは平均してC級ダンジョンの2~5倍の深さがあることを考えれば決して少なくなっているわけではない。




YYYY/MM/06(Sat)

六日目。

この日もダンジョン攻略だ。

だんだんと終日ダンジョン攻略することに慣れてきている自分が怖い。

僕の体内には既に1万をこえる魔物がひしめいている。




YYYY/MM/07(Sun)

七日目。

ペースを上げようと白雪さんは言った。7つで抑えていたドッペルゲンガーの自分を増やそうとしたが崩壊した。限界値だったみたいだ。

また体内のドッペルゲンガーに自分の真似をさせたが、彼らにはダンジョンの入り口が増えなかったようで意味がなかった。

仕方ないからと今のドッペルゲンガー7人+本体の8人体制で走り続けた。




YYYY/MM/08(Mon)

八日目。

気付いたら日をまたいでいたらしい。

移動圏内のB級ダンジョンを全て踏破した。今日からはA級ダンジョンだ。

体内の魔物たちはもう把握しきれない量になっている。

僕の姿も尖ったりそこかしこが伸び縮みしたりして結局人型に落ち着いた。

A級ダンジョンを5つ踏破した。流石にA級ダンジョンはドッペルゲンガーではクリア率が50%だった。

僕の場合は勝手に回復しただろうがドッペルゲンガーは大きな損傷を受けると消えてしまうらしい。




YYYY/MM/09(Tue)

最終日。

A級ダンジョンを9つ踏破した。各ドッペルゲンガーの影に体内の魔物を詰め込んで全員踏破に成功した。

本体の僕と白雪さんのペアは2ダンジョンを踏破した。

体内ではA級ダンジョンが14集まった地獄絵図が広がっていた。

不思議なもので別のダンジョンの魔石から復元した魔物も仲良く暮らしているみたいだ。

乾いた笑いを浮かべて僕は自分の体内魔境から目を反らした。

白雪さんは満足そうに笑っていた。

お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ