シンエンを視る者
ロキの前、彼を睨む兵士たち。
「・・・お前たち」
少し動揺はしたものの、彼には兵士たちに、ひいては彼らの心情に何の変化があったのか既に判っていた。
「お前たち・・・、それが本心か?」
ロキの囁きに、しかし誰一人として応えない。
「そうか。それがお前らの答えか」
言下、憎悪に溺れた兵士たちは命を一斉に散らした。
春に舞う桜のように、あるいは冬の吹雪の如く。
儚く、しかし確かに、散って逝った。
「もういい。何者であろうとこの私を邪魔する者は、・・・我が手で・・・・・・ッ」
腰を持ち上げ、頭上の星を仰ぎながら呟く。
「皮肉なものだな・・・、空が綺麗だ・・・」
初冬の宙はあまりにも、残酷なまでに美しくて。
その中で生きるちっぽけなロキの掌で掴むには、とても広過ぎた。
「これは・・・ッ」
璃瑠は《台本》の内容に絶句してしまった。
「どうです、面白いでしょう?これは『私』と貴女の秘密ですよ・・・?」
「これが書かれたのは何時だ!?」
璃瑠の怒号に、ソイツはまた含み笑いをかました。
「それが書かれたのは、貴女に解りやすく言うとすれば、そうですね・・・。
《ニタヴェリール》第一王朝が最盛期を迎えた頃ですかねえ」
なッ・・・・・・!!
璃瑠はこの時、また一歩真相の深淵に足を浸けてしまった。
この冊子は《台本》なんかじゃない。
それではまるで・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・《預言書》ではないか。




