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トネリコの繋ぐ宙―奈落篇―  作者: あーもんどツリー
5 掌から零れ往く・・・。
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シンエンを視る者

ロキの前、彼を睨む兵士たち。


「・・・お前たち」


少し動揺はしたものの、彼には兵士たちに、ひいては彼らの心情に何の変化があったのか既に判っていた。

「お前たち・・・、それが本心か?」


ロキの囁きに、しかし誰一人として応えない。


「そうか。それがお前らの答えか」


言下、憎悪に溺れた兵士たちは命を一斉に散らした。

春に舞う桜のように、あるいは冬の吹雪の如く。

儚く、しかし確かに、散って逝った。


「もういい。何者であろうとこの私を邪魔する者は、・・・我が手で・・・・・・ッ」


腰を持ち上げ、頭上の星を仰ぎながら呟く。


「皮肉なものだな・・・、空が綺麗だ・・・」


初冬の宙(そら)はあまりにも、残酷なまでに美しくて。

その中で生きるちっぽけなロキの掌で掴むには、とても広過ぎた。





「これは・・・ッ」

璃瑠は《台本》の内容に絶句してしまった。

「どうです、面白いでしょう?これは『私』と貴女の秘密ですよ・・・?」


「これが書かれたのは何時だ!?」

璃瑠の怒号に、ソイツはまた含み笑いをかました。

「それが書かれたのは、貴女に解りやすく言うとすれば、そうですね・・・。

《ニタヴェリール》第一王朝が最盛期を迎えた頃ですかねえ」


なッ・・・・・・!!


璃瑠はこの時、また一歩真相の深淵に足を浸けてしまった。




この冊子は《台本》なんかじゃない。


それではまるで・・・・・・・・・・・・。







・・・・・・《預言書》ではないか。

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