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朝日が眩しい。
クルマは西の方角へ向かって 国道をひたすら走る。
助手席には昨夜、オレを襲ってきた男が乗っていた。
* * *
数時間前。
スーパーの棚からミネラルウォーターを一本取ると口を開け、気持ちよさそうに眠っている男の頭にかけた。
「ひゃっ、 ひゃー! 」
男は跳び起きた。
後ろ手に縛っていたので、勢い余ってそのまま後ろにひっくり返る。
近寄って起こしてやり、その口元にそのままペットボトルの口を押し付ける。
ごくっ、 ごくっ、 ごくっ、 と水を飲み続け最後に ぷはー、 と大きな息をつく。
頃合いを見て、男に尋ねる。
「どうして あんなことした?。 昨夜のことだ」
男は、気まずそうに、前かがみの姿勢でポツリといった。
「・・・・・怖かったんだよ」
「怖かった?」訊き返すと
「ああ、 怖かったんだよ。あんたがいきなりここに、入ってきたから」
その後の男の話をまとめるとこういうことらしい。
ある朝目覚めると 自分しかいない世界になっていた。
知り合いを訪ね歩き、途方に暮れてこのスーパーに寝泊まりすることになった。
ここなら食料も水もある。
それでも日中は歩ける範囲で、誰か人がいないか探して回ったが、 この世界の中で、自分一人だけだと思い知るだけだった。
* * *
そして昨夜 オレが店に現れた。
暗闇で懐中電灯を片手に、動き回るオレに対して用意していた鉄パイプで襲いかかったたらしい。
{・・・・・・・悪かったよ、・・・・オイラが、悪かった」
男は、詫びてきた。
腕を組み、しばらく思案していたオレだったが男にいった。
「この町も、お前以外いないみたいだな」
オレは立ち上がった。そして、男に背を向け歩き始める。
オレが、立ち去ろうとすると 待ってくれっ! と男。
「悪い、悪い、解いてやるよ」
後ろ手に縛り上げた拘束具を外そうとすると
「違うっ! オイラも連れてってくれよ!」
そのあと男がぼそりといった。
「オイラ 車の運転できないから」 男の声はかぼそかった。




