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行く当てはなかったが、取り合えず西の方向を目指した。
東京では結局、三日間に渡って探索したが、誰とも出会えなかった。
高層ビルの中へお邪魔したり、念のため地下鉄などにも入って、調べてみたが、何の成果も得られなかった。
車は神奈川を抜け、静岡へ入ろうとしている。
途中、小学校の頃の修学旅行が、懐かしくなり 江の島や鶴岡八幡宮へも寄ったが思い出に浸れただけだった。
このころになるとオレはビールを片手にハンドルを握っていた。
別に捕まる心配もない。
手持ちの現金も寂しくなり、コンビニで食料、飲料を調達しても以前のようにレジ前に代金を置くこともしなくなった。
辺りも、徐々に薄暗くなり、そろそろ今夜の宿を決めなければならない。
適当なホテルを探す。いや、その前に夕飯とアルコールを調達しなければならない。
もし、突如、世界が以前のように戻れば、自分はどれくらいの罪に問われるのだろう?
えぇーい、 そんなことを考えても何も始まらない。
とりあえず今は メシ メシ。
大き目のスーパーの駐車場に車を停める。
店のドアは自動ドアなので当然開かない。
仕方なく裏口へ回る。従業員用の出入り口を見つけドアノブに手をかける。
ノブを回すと驚くことに扉が開いた。
壊す手間が省けたが奇妙な感覚を覚える。
用意していた懐中電灯で暗い店内を照らしながら目当ての食料品と飲料を探す。
生鮮食品はとっくに腐っていた。
もちろん精肉も鮮魚もだめだ。
缶詰コーナーでいくつかピックアップし、アルコールコーナーでビールを物色しているときに
背後で激しい殺気を感じた。
背後を振り返ることなくそのまま右前方へ跳んだ。
「 がああああああ!・・・・・」 大げさな叫び声を上げ、鉄パイプが振り下ろされた。
今まで、オレのいた床に鈍い音を立てて、鉄パイプが叩きつけられた。
鉄パイプの相手は、そのまま勢い余ってビールが並ぶ商品棚に向かって突っ込んでゆく。
オレは、ステップワークで、相手の背後に回り、右手に握りしめていた鉄パイプを右手ごと蹴り上げた。
「 ぎゃあああああああ・・・・・・」
大げさな叫び声を上げる相手の首を、左腕でがっちり締め上げ、ひとこと怒鳴った。
「あぶねえだろっ!」




