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もしも魔法が使えたなら  作者: きすぎあゆみ
40/46

40・夏休みの宿題のはずが…

続きです。

宜しくお願い致します。

 僕と秀二がお昼ご飯を食べ終わって午後1時を過ぎた頃に、智ちゃんが僕の家にやって来た。僕の家のリビングで、僕と秀二と智ちゃんの三人でテレビを見ながら夏休みの宿題とか自由研究の話をしていると、館林さんもやって来た。


 秀二は館林さんと少し話してから、友達と遊ぶ約束をしているからって出かけて行った。ついさっきまで男女の比率が半々だったのに、一瞬で女の子側に比率が傾いた。


 これは智ちゃんと館林さんの体重が重いとかって事では無いよ。あくまででも男女比の話で有って体重の事では無いからね。まあ、確かに体重でも二対一だから女の子側の方が重いのは確かなのだけど…。でも女の子に体重の話はタブーだから、口が裂けてもそんな事は言えないけどね。


「高木どうしたの?」


 僕が二人をぼんやり見ながらそんな事を思っていたら、智ちゃんから呼ばれた。もしも体重の事を考えていたとか言ってしまったら、また何を言われる事やら…女の子の勘って鋭いから僕の下手な隠し事は通用しない可能性が高いのだけどね。


「…いや、いつものメンバーだなってね…」


 とっさにうまい言い訳を思い付く事が出来ないので、取り敢えずふと思った事を言葉にしてみた。…僕にはこれが限界です…。


「そうだね、いつものメンバーだね。それで、それがどうかしたの?」


 智ちゃんは、僕がボーッとしていたから声を掛けただけみたいだけど、女の勘で何か気が付いたのか察知したのか解らないけど聞き返されても困るんだけど…。


「ううん、何でも無いよ」


「それなら良いけど…」


 取り敢えずは誤魔化せたと思いたいし、信じたい。女子に対して失礼な事は、女子の前では考えない様にしないといけないよね。もし、その事が女子に知られてしまうと…その後の事は想像したく無いよね。想像するだけでも恐ろしいよ…。


「でも高木君、私達の事を見ていたよね?」


 館林さんお前もか…って、一難去ってまた一難。智ちゃんは誤魔化せたと思ったのに、そう言えばもう一人いましたよ勘の鋭そうな女子が…。


「…そうでも無いけど」


 そんな事を言われると何だか隠し事をしているみたいで後ろめたい気持ちになってしまうけど、ここは出来るだけさっきの事は考えない様にした方が良いよね。じゃないと態度に出そうだし、挙動不審になりそうだよ…。


「じゃあ、何か考え事でもしていたの?」


 何なのこれは!まるで取り調べを受けている容疑者みたいじゃない?…何でこうなった?


「う…ん、少し考え事をしていたかな?」


 そんなに色々と聞かれると、本当に悪い事をしていたみたいな気分になるから不思議だよね。実際、失礼な事を考えてはいたのだけどね…。


「私と田坂さんに関係の有る事?」


 す、鋭い…って言うか何で僕の考えていた事が解るのかって話なんだけど…そんな事は無いよね?有り得ないよね…。


「そうでも有って、そうでも無いかも?」


 ヤバい。こんなに聞かれるとその内喋ってしまいそうになりそうだよ。何とか話題を変えられないのかな?


「ふーん、そうなんだ。私と田坂さんに言えない事なんだ」


 ニヤリとしながらそんな事を言うって、何なの?悪魔なの?やっぱり僕が考えていた事が解っているとかなの?


 でも…美少女のニヤリとした表情に一瞬見惚れてしまった僕がいました。一瞬だからバレてはいないとは思うけど…。


「いや、だから、違うって…宿題、そう、宿題とか自由研究の事を考えていただけだよ」


 何と言ってもこの集まりの目的は夏休みの宿題と自由研究を皆で頑張ろうって集まりだから、これは嘘では無いよ。


「宿題?私と田坂さんは夏休みの宿題は終わらせて、残っているのは自由研究だけだよ」


 やっぱりか…二人とも真面目だし、毎日コツコツと宿題をやっていたみたいだから当然だよね。でもこれで話題の方向性が変えられるかもしれない、いや変わってくれ!


「わー、そうなんだ、二人共早いね、僕はまだ半分くらい残っているから、二人に問題の解き方を教えて貰おうかな!」


 このまま二人を持ち上げ続けたら二人の機嫌が良くなり、僕の不審な行動も有耶無耶に出来るかも知れない。と、思ったのだけれど…。


「でもこの前集まった時にこの話をした様な気がするけど…やっぱり何か隠し事をしていない?」


 そうだった、二人が早く宿題を終わらせたから答えを写させて貰おうと思って頼んだのだけれど、断られてしまったのだった。僕は本当に詰めが甘いよね…。


「高木、珍しくお喋りだね。いつもはもう少し口数が少ないって言うか、私達が何か言っても必死になって反論しないよね?」


 ここに来て再び智ちゃんが参戦とは…二対一でフルボッコにされそうな予感しかしないよ…。


 僕が女子相手だと緊張してしまってうまく話せない事を二人は知っているがために、僕が普段より話す事で何か隠しているのを感じたのかな?


「「怪しい!」」


 うん…、解っていたけど、解っていましたとも…。智ちゃんと館林さん二人のタッグの前では僕の抵抗など、無きに等しい事を…。それでも敢えてそれに挑むのが、挑戦者では無いのか!


 僕は断固として、二人に対して抵抗を続けるぞ!そして初勝利を手にするのだ!


 …って、考えていた時期も有りました…結果としてはさらに負けが積み重なっただけなのだけどね…。


「ふーん、じゃあ、夏休みの宿題を手伝ってあげないよ!」


 智ちゃん、この一言は狡いよね!この一言を言われてしまえば、僕には抗いようが無いよ。それはもう全面降伏ですよ。…何でこうなった!


「で、私達を見ながら何を考えていたの?」


 館林さんも何だが人が変わったみたいで、笑顔なんだけど僕はその笑顔を直視する事が出来ない…だって鬼の角が生えてる幻が見える笑顔なんだから…。


 それはもう、僕は素直に全てを話しましたよ。男女比の事から、男女比と体重が比例している事まで、事細かに話しましたとも。だって目の前に鬼が二人いたら、話さずにはいられないよね…。


 体重の話をした時の二人の顔を直視する勇気は、僕には有りませんでした。…もともとコミュ症の僕には人の目を見ながら話すのは苦手だから、普通に二人の目を見るのも難しいので顔を見られなかったと言うのも有るけどね。


 その時の顔が笑顔だけど物凄く怖かったって言ったら、また問い詰められるよね…。


 僕が素直に話した事で二人は一応矛を納めてくれたのだけれど、僕の話しにも納得をしてくれていたみたい。だって痩せのチビの僕と、多分標準的な身長と体重の健康な女子二人とを比べてみたら、体重はどう見ても女子二人の方が重いに決まっているよね。


 だから一応は納得はしてくれたのだけれど、今度はデリカシーが無いとか、思っても口に出してはダメだとか言われてしまった…。


 僕は決して口に出してはいなかったのだけど、それを言わせたのは二人の圧力だよね!何この理不尽さは?僕は思っただけなのに…。思うのもダメって事なのかな?


 その事を言ってしまうと、また怒られてしまいそうだから言わないけどね…。心の中でだけ反論している僕がいました…。


 そんなこんなで今日の集まりの前半はグダグダになってしまったけど、残りの時間を使って智ちゃんと館林さんが交代で僕の宿題を手伝ってくれて、その間手の空いた方はマンガやラノベを読んだり、自由研究のための情報集めをして貰っていた。


 本当は今日集まった時に夏休みの自由研究で何をやるのかを各自発表する予定だったけど、それは次回に持ち越しになった。だけどその分僕の夏休みの宿題の残りが大幅に減ったから、それはそれで結果オーライだったのかな?(表現が古かったかな?)

少しずつ涼しくなってきましたが、まだまだ残暑がきびしいですね。

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