24・真夜中散歩
続きを投稿しました。
宜しくお願い致します。
夜十二時を過ぎて夏の夜特有の虫の音が賑やかに聞こえてくる。僕の家の回りに建っている他所の家の電気は点いている家も所々有るけど電気が消えている家の方が多いかな?道路に沿って建てられた街灯は点いているので道路沿いは明るい。
僕は一度ベッドに戻り再び座禅を組んで心を落ち着ける。腹式呼吸でゆっくりと息を吸い、ゆっくりと息を吐く。
「スーー、ハーー、スーー、ハーー…」
少しずつ意識が薄れて行き、辺りを漂う魔素≪マナ≫や、人や生き物の体内に有る魔素≪オド≫が感じられる様になって来る。
今僕の家の回りでは、人や生き物の体内に有る魔素≪オド≫の大きな存在が感じられ無いので、人が外に出ていないと思う。小さな反応は無数に感じられ、夜空の星よりも多く風に乗って流れる魔素≪マナ≫の回りに小さな生き物の魔素≪オド≫が無数に有るその姿はまるで天の川とその回りに煌めく星達みたいでとても綺麗だった。
そして今日は、山の近くに作られた今は閉鎖されてしまった温泉施設に行ってみようと思っているので、その温泉施設までの道や回りに大きな魔素≪オド≫が無いか調べてみる。今の僕の実力だと魔素≪オド≫の大小は解るけど、それが人なのか動物なのかは解らない。
先ずは僕の家から閉鎖された温泉施設までの道のりで、そこから近い所を流れる魔素≪マナ≫を探してみる。僕の家から温泉施設までは十五キロメートル位有るので歩いて行くには遠いけど、自転車や≪魔力の体内循環≫を覚えてから僕の身体機能が上がったので、走って行く事も出来ると思う。
温泉施設までの道のりから少し離れているけど、魔素≪マナ≫の流れを見付ける事が出来た。魔素≪マナ≫の流れは温泉施設の近くを流れる川沿いを流れていた。川の流れと魔素≪マナ≫の流れには何か関係が有るのかな?
川に沿って流れる魔素≪マナ≫の流れに沿って、近くに大きな魔素≪オド≫が有るか調べてみる。川や川土手の藪の中からは小さい魔素≪オド≫や中位の魔素≪オド≫が感じられるけれど、大きな魔素≪オド≫は感じられない。
これは人がいないと思って良いのかな?
それではさっそく行動に移ろうかと思い家を出ようとしたのだけれど、さてここで問題を見付けてしまった。いくら≪魔力の体内循環≫で僕の身体能力が良くなったと言っても、僕の部屋の窓から外に出るのはどうかなと思ってしまった。僕の部屋のベランダ側から外に出ようにも、ベランダの腰壁?から地上までは四メートル以上有りそうだし、もう一方の智ちゃんの家側の中連窓からも同じ位の高さが有る。
この高さから飛び降りる?いや、それは無理と思う!流石にこの高さから飛び降りる勇気は僕には無いよ…。
それなら雨樋を伝って下に降りようかと思ってみたけれど…窓から雨樋までは手が届かない!それならベランダから雨樋までは…これなら手が届く!そう思いベランダの腰壁をよじ登って雨樋に掴まり下をみ見てみたら。
「…た…高い…!」
僕は高所恐怖症だと言う事を忘れていました。足がすくんで下には降りれそうもない。足が震えて上手く雨樋を掴む事も難しいので、何とか勇気を振り絞ってベランダの中に戻る事が出来た。…けれど、夏の暑さの為の汗と高所恐怖症の冷や汗で全身から汗が吹き出して、Tシャツも短パンもパンツまでもがビチャビチャになってしまった。トホホ、我ながら情けない…。
僕は部屋に戻って服を着替えました。(パンツも履き替えました)
やっぱり無理をするのは良くないよね。そういそう言う事で無理をせずに、玄関から出て行く事にしました。だって怖い思いをしたくは無いし、もし落ちて怪我でもしたら何て言い訳をしたら良いのか思い付かないし…。
…僕がヘタレだって僕が一番良く知っているよ!
そう言う訳で静かに僕の部屋のドアを開けて隙間から二階のホールを見てみる。誰も居ない。それはそうだよね。だってさっき確認したよね。魔素≪マナ≫と≪オド≫を確認するした時に解っていたよね。だけど、お父さんかお母さんか秀二がトイレに行くかも知れないよね!やっぱり安全第一で行こう。
ドアの隙間から確認すると、二階のホールには誰も居ない。ゆっくりとドアを開けて行きホールに出ると、ゆっくりと静かにドアを閉める。ここでポイントなのがドアノブを回した状態でドアを閉めると、バネで引っ込む突起の部分の音がしない事かな。そしてゆっくりとドアを押した状態でドアノブを戻すと、殆ど音を出す事も無くドアを閉める事が出来るし、出来た。
「ふー…」
第一関門突破かな?
そして足音を発てない様に歩いて、小さなホールを通り過ぎて階段へ。階段を降りてリビングに出ると、今度はリビングと玄関を隔てる引戸が有る。引戸もゆっくりと開いて玄関ホールに出ると、ゆっくりと閉める。だけど引戸は閉めきる前にゆっくりと自動で閉まって行き、最後は静かに閉まる引戸なのでここはそんなには気を遣わなくても良いかな。
玄関ホールまでの道のりが何故か物凄く長く感じられたけど、気のせいじゃ無いよね。玄関で靴を履いて、玄関のドアの鍵をゆっくりと開く。それも二つも。最近の玄関ドアには、鍵が二ヵ所付いているのが普通なんだって。
鍵を開けると玄関ドアをゆっくりと開いて外に出ると、さっき僕の部屋を出た時と同じ要領で玄関ドアを閉じてゆっくりと音を発てない様に鍵を二ヵ所掛ける。
真夜中で少し涼しくなって来た筈なのに、額から汗が流れ落ちて来て目に染みる。そう言えばタオルを持って来るのを忘れちゃった…。汗かきな僕の夏の標準装備なのに、タオルを忘れるほど緊張していたから仕方が無いかな!
今からタオルを取りに家に入るのも、どうかと思うしね。
僕はTシャツの裾で額と顔の汗を拭ったけど、誰も見ていないし別に良いよね。
さてと、ここからが問題です。片道約十五キロメートル。走って行くべきか、自転車で行くべきかどうしようかな?魔法の練習で疲れる事を思うと自転車で行った方が良いと思うけど、今日は主に様子見だから走って行っても良いかな。
≪魔力の体内循環≫で上がった身体機能を試してみる必要も有るし、自転車だと道路沿いを走る事になるけど走って行けば細い路地とかも使えるから、夜中に子供が出歩いていても人に見つかり難いよね。
そう言う事なので、意識を集中させ体内の魔素≪オド≫を活性化させる。そして活性化した魔素≪オド≫を身体全体に行き渡らせると、身体が軽くなって来てまるで自分の体重が無くなった様に感じられる。
(よし、これなら遠くても走れそうかな)
僕は足音を発てない様に静かに走り出した。街灯が有って明るい場所をなるべく避けて、細い道路や狭い路地を静かに駆けて行く。この時は初めて夜中に一人で出掛けたので緊張して全く気にしていなかったのだけど、街灯が無くて暗い路地を駆けている筈なのに何故か良く回りが見えていたんだ。この時は人に見つからない様にと、その事だけを考えながら走っていたから気にしなかったけど、何日か経ってから気が付きました。
遅いとか鈍いとかって、この時は人に見つからない様にって事で頭が一杯だったから仕方が無いよね!無いよね!
住宅街を駆け抜け県道沿いの裏道を駆け抜けて国道に出る。この時間になると流石に車も余り走っていないね。車が走っていないタイミングを見計らって、そんな国道を横断して温泉施設の近くを流れている川の土手の道に出る。遊歩道かサイクルロードか忘れたけど、車では入れない道なので車の心配は無いよね!
そして今度は土手の道を温泉施設まで走って行く。多分ここまで来ると、全体の三分の二は走った事になるので、後残りは約五キロメートル位かな?思った程疲れていないし、夜中で涼しくなったとは言っても今は真夏なのに汗もそんなにかいていない。身体機能が上がったお陰かな?
勢いと思い付きで書いております。
読んで頂いている皆様、内容の齟齬等はご都合主義と言う事でご容赦下さいませ。
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