18・魔法陣を使ってみました
続きを投稿しました。
宜しくお願い致します。
善は急げ、では無いけれど、思い立ったら吉日でも無い。魔法陣を描く為の練習に飽きたので気分転換をしたいが為に、簡単な初歩の魔法陣を何種類か、描いてみた。
一番初歩で効果が小さい魔法陣。丸の中に属性を表す漢字を書くだけのシンプルな物。その次には、丸の中に三角形や四角形を書きその中に属性の漢字を書いた物。基本属性である、地、水、火、風 、光、闇、氷、雷、等を各ニ枚ずつ描いた。
本当は紙に描く場合には、専用の魔力が込められた紙≪護符≫に、これまた魔力が込められたインクや墨を使って魔力を込めながら描くのだけれど、今回は半分気分転換と言う名の遊びなので、魔力を込めた道具は使わない。
普通の紙に魔力を込めながら、鉛筆で描いて行く。図形も簡単な物だし漢字もそれなりに綺麗に書けたとは思う。しかし、魔力を込めながら丁寧に図形や文字を描いた為に、気が付いた時には夜も遅く日付が変わる頃になってしまっていた。
「本番は、明日明日。今日はもう寝よう!」
その日は夜も遅いので寝る事にした、今はもう夏休みに入っているから、朝にはラジオ体操が有るので行かないといけないからね。
翌日は、朝のラジオ体操と自宅学習の朝十時を過ぎてしまえば、秀二は学童保育に行っているので、塾の日と友達と遊ぶ約束をしている日、その他には智ちゃんと館林さんが来る日以外は自由な時間になる。
玄関のカギを閉めてから自分の部屋に入る。
学習デスクの上に≪魔法の書≫と見習いのローブと見習いの杖、そして昨日作った魔法陣を描いた紙を出す。暑いけれど見習いのローブを身に纏い≪魔法の書≫を開いて、魔法の練習で使った結界を張る。≪魔法の書≫に描かれている魔法陣の図形と文字が光出す、そしてその光が少しずつ強くなり、部屋全体を光で埋め尽くす様に広がって行き次第にその光が収まって行く。
僕の感覚では僕の部屋が隔離され、体内の魔力循環で身に付いた魔力の流れを感じられる様になった感覚では、僕の部屋の外の魔力を全く感じられなくなった。
そうして、昨日造った魔法陣を描いた簡易的な護符を手に取った。昨日造った魔法陣の中でも一番初歩的な、円の中に属性の文字を描いた物で、先ずは土属性の魔法陣を描いた、護符を出す。
魔法陣起動のキーワードは特に何も思い付かなかったのでただ単純に、「土よ」と、護符の魔法陣に魔力を込めながら唱えた。
唱えたらとんでもない事になってしまった。護符の魔法陣からモコモコと土が出てきた。まるで泡を食べるお菓子みたいに、あふれて来る。魔法陣から土が出て来るのを、ただ茫然と眺めていてけれど、ハッとなって気が付いた。
ここままじゃ不味い。絶対怒られる。そう思って土が出て来るのを止めようとするけれど、止め方がわからない。って、言うか、止めるためのキーワードとか設定してないし!
「…」
焦れば焦るほど、何も考えられなくなってきて何も思い付かない。何も出来なくて慌てていたけれど、少しずつ土の出て来る量が少なくなってきて、そして、魔法陣から土は出てこなくなったかと思うと、魔法陣を書いた護符は紙が燃えた様に黒く染まりハラハラと崩れていった。
「と、止まったけど、どうしよう…」
僕の部屋には、僕の太ももの高さ位ある土の小山が出来上がっていた。その土で出来た小山を見ながら、大事な事を思い出した。そう言えば土属性の魔法陣を書く事に気を取られすぎて、土で何の現象を起こさせるのかを全く考えていなかった。
ただ単に魔法陣を描く事に気を取られていて、魔法陣を発動させた時に土でどんな現象を起こさせるのかを、全く考えていなかったのだ。一番初歩的な魔法陣なので出来る事は限られているけれど、これではただ単に土を呼び出すだけの魔法陣でしかない。
でも、考え方を変えてみると、土の無い所で土を出せると言う事は、他の属性でも使えるかもしれない。火の無い所で火を出せて、水の無い所で水を出せて、風の無い所で風を出せる。ある意味、属性召喚の魔法陣と言えるかも知れないよね。
そんな事を考えながら現実逃避をしていたのだけれど、僕の目の前にある土の山は消えていない。
「確かマンガとかラノベだったらこう言う時、護符が消えたら魔法の効果も無くなって、召喚された物も消える筈なんだけど……」
現実は厳しい。いつまで経っても土の山は消えない。
「…結界を解除したら消えないかな?」
物凄く良い名案を思い付いた。魔法の練習で周りに被害を出さない為に張ってあるこの結界を解除したら、この土の山が消えてくれるかもしれない、そう思い付いた。魔法の練習中に起きた現象だから、この結界が無くなってしまえばこの土の山も消える筈。そう思ったので、すぐに試してみる事にした。
学習デスクの上に置いてある≪魔法の書≫の魔法陣に手を置いて「結界解除」と、キーワードを言った。
すると、徐々に僕の部屋の中以外の場所の魔力を感じられる様になって来た。家の外の風の流れや人の動きに合わせて、自然界に発生する魔力≪マナ≫が動いているのが感じられる。それに合わせてさっきまで感じられなかった、真夏に部屋の窓を閉め切っていた事によるサウナの様な蒸し暑さと息苦しさ、背中や額、体全体から流れると言うか吹き出す汗。
僕は汗が目に入りそうになったので、タオルで額の汗を拭った。この汗は多分部屋の蒸し暑さの為だけの汗では無いと思う、なぜなら土の山は僕の足元で消えずに残っているから…。現実はなかなか厳しいです。
「…そう、上手くは行かないか…」
僕は更に汗(絶対に冷や汗)を流しながら、無い知恵を絞りながら途方に暮れていた。
勢いと思い付きで書いております。
読んで頂いている皆様、内容の齟齬等はご都合主義と言う事でご容赦下さいませ。
感想やアドバイスを頂けると嬉しいです。




