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もしも魔法が使えたなら  作者: きすぎあゆみ
15/46

15・孤立無援かな?

続きを投稿しました。

宜しくお願い致します。

 智ちゃんと、館林さんによる女子連合の集中砲火を受けて、どれくらい経ったのだろうか?弟の修二は危険を察知した瞬間に戦略的撤退を果たしていて、気が付くと僕は孤立無援となっていた。精神的に疲れ果てた僕に待ちに待った援軍が現れた。


「ただいまー、あら、お客さん?」


「お母さん、お帰りなさい。お兄ちゃんのクラスメイトと智ちゃん」


 玄関からお母さんの声がした。お母さんが帰って来たと言う事は、午後六時を過ぎている事になる。秀二は一人一階に無事逃げていて、お母さんの相手をしている。この裏切り者め。


「あらー、この靴は女の子?」


「うん、小さな公園の隣のきららちゃん」


「えー、あの美人さんな女の子?」


「うん、すごい美人さん」


「恵一に女の子が遊びに来るなんて…」


 階下から、何か良からぬ会話が聞こえて来た気がするけれど、今は無視をしよう。それよりも、そろそろお二人にはお暇して頂こう。もう小学生は家にいないといけない時間だからね!


「田坂、館林さん、そろそろ帰らない?六時を過ぎてるし、僕のお母さんも帰ってきたし。田坂と館林さんの家も、もう少ししたら晩ご飯じゃないの?」


「そうね、そろそろ帰ろうかな!」


「私も!」


「本は貸すから、また今度返しに来てくれれば良いから!」


「うん、じゃあ借りて行くね!」


「お借りします」


 そう言うと、智ちゃんはラノベを、館林さんはマンガ本を数冊手に持つと立ち上がった。


「また明日ねー」


「今日はお邪魔しました」


 挨拶をしてから僕の部屋から三人で出ると、そこにはお母さんと秀二が立っていた。


「智ちゃんに、館林さんいらっしゃい」


「「お邪魔してます」」


「お帰りなさい」


 智ちゃんと館林さんが、本を手に持っているのをお母さんが見て、すかさず僕に声をかけた。


「ただいま、女の子に荷物を持たせて、本を入れる袋も用意しないと」


「私は家が隣だから大丈夫ですよ!」


「私も大丈夫です!」


「って、言ってるけど!」


 途端にお母さんの笑顔に、青筋が浮いた気がした。笑顔で怒る、一目見ただけで背中に冷たい汗が流れた気がした。


「あのねぇ、恵一。女の子にもうちょっと気を使わないと、もてないよ!」


「…」


 僕は無言でリビングに、本を入れるための袋を取りに行った。お母さんに逆らうなんて怖くて出来ないので、ここは素直に従うしかないのが現実です。僕が本を入れる袋を持って二階に戻ると、お母さんと秀二、智ちゃんと館林さんの四人は何やら楽しそうに話していた。僕が姿を見せると、全員が笑顔で僕を見ている。


「…何?」


「何でも無いよ!」


 秀二に笑顔で言われると、何か企んでいる様で何か怖いな。取り敢えず持って来た袋を、智ちゃんと館林さんの二人に渡した。


「これ使って」


「ありがとさん」


「ありがとう」


「恵一、ここで手伝わないと、気が利かない男はモテないよ」


「…」


 ちょっとお母さんが、五月蝿いです。怖いから逆らわないけどね。


「手伝うよ、僕が袋を持つから本を入れて」


「了解!」


「ありがとう」


 僕は、智ちゃんから袋を受け取り、ラノベを入れて貰い、次に館林さんから袋を受け取って、マンガを入れて貰った。


「家まで送るよ」


 僕は二人に、袋を持ったままでそう言うと、一階に降りて行った。


「「お邪魔しました」」


 二人もお母さんと秀二挨拶をしてから、僕に付いて階段を下りてきた。僕は玄関で先に靴を履いてから、二人が靴を履くのを待っていた。


「送ってくれるの?」


「…うん」


「ありがとう」


「どう言う風の吹き回し?」


「女の子には親切にしないと、上にいる鬼が五月蠅いから」


「ちょっと聞こえるよ」


 僕は玄関のドアを開けると最初に外に出た。二人は黙って僕に付いて外に出て来た。外に出ると、太陽が沈み始めていて、西の空がオレンジ色に染まっていた。


「さあ、行こう」


「ちょっと待って」


「待って」


 僕は家から表の通りに歩き出した。智ちゃんの家は隣だからすぐに付いてしまうから、ここは少しでも智ちゃんと一緒に居るためには、遠回りをする事になるけど、先に館林さんを送って行こう。


「先に館林さんの家に行って良い?」


「私は良いよ!」


「本を持って貰っているのに悪いよ!」


「僕は大丈夫だから!」


「私も大丈夫だよ!」


「ありがとう、じゃあ私の家に行きましょう」


 僕たち三人は館林さんの家に向かって歩き出した。と、言っても角を一つ曲がるだけの、約百五十メートルなんだけどね。三人で明日からの学校の事を話していると、百五十メートルなんて直ぐに着いてしまう。登校班が集まる小さな公園の隣の家に着いた。館林さんの家には電気が点いているので、お母さんかお父さんが帰って来ているのだろう、僕達は館林さんの家の門柱の前で別れる事にした。


「はい、マンガ」


「ありがとう」


「館林さん、また明日」


「また明日」


「高木君、田坂さん、また明日」


 僕と智ちゃんは、二人の家が有る方に向けて、道を戻り始めた。


「今日は、何で館林さんが高木の家に居たの?」


「うん…秀二が連れて来た、僕に用事が有ったとか何とかって言ってた」


「用事って?」


 良く考えたら、館林さんが家に来た原因を作ったのは智ちゃんの、不用意な一言出た筈だ。僕が古本チェーン店に入り浸ってるとか、外国の児童書に興味が有るとか。そんな事を思い出したので、智ちゃんを見ながら話を続けた。


「読書が趣味とか何とか、あ、それに田坂に僕が古本チェーン店によく行ってるって話を聞いたから、面白い本を持ってるかもとかって!」


「…そんな話をした様な気も…」


 智ちゃんは気まずそうに、視線を逸らしながらも、しまったという様な表情を浮かべた。誤魔化す様に、頬を掻く仕草が可愛いなと思いながらも智ちゃんから視線は外しません。


「あの短い時間のいつの間に、僕のそんな話になったの?」


「…家が隣とか、登校班が同じとか、クラスが同じとか、席も隣同士とか、何と無く腐れ縁的な話しになって来てその流れでつい、ポロッと言っちゃった!」


「腐れ縁か…」


 僕が一言呟いてため息を吐くと、智ちゃんの表情がいつもの活き活きとした物に変わって行った。僕が智ちゃんの表情の変化に少しだけ見惚れていると、智ちゃんの反撃が開始された。


「でもさあ、あんな美少女と高木の部屋で二人っきりで居て何も無かったの?」


「何もって?」


「高木が持ってる、マンガとかラノベの様な事とか!」


「えっ、そっそんな事ある訳無いじゃん!」


「何か怪しいなー、美少女だよ、ハーフ系の、スーパー美少女だよ!」


「…まあ、可愛いとは思うど…」


「でしょー、そんなスーパー美少女と二人っきりで部屋に居たんだよ、何があっても不思議じゃないよ?」


「いや、何も無いから!」


 僕ってそんなに信用が無いのかな?確かに、館林さんは可愛いとは思うけど、僕の部屋で二人っきりって言うのも事実だけど、二人で本を読んでいただけなのに、それにマンガとかラノベは読むために持っているので有って、その内容を真似ようとは思っても無いし、そんな度胸も僕には無いよー!って、叫びたくなってきました。叫ばないけどね。


「本当―に何も無かったの?」


「何も無いよ、それに僕が好きなのは…」


「それに何?」


 智ちゃんの顔が僕の顔に近付いて来て、僕の動悸が激しくなっています。智ちゃんの目に僕の顔が映っているのが見えて、とても不思議な感じに思えて智ちゃんの目をじっと見つめている自分に気が付いて思わず、視線を逸らしました。そのまま智ちゃんの目に吸い込まれる様に、少しずつ智ちゃんの顔に近付いていたりもしたので焦りました。そのまま近付いて行くと…とんでもない事になっていたかも知れないと思い本当に焦った。


「べっ、別に何でも無いよ!」


「なんで、怒ってるの?」


「怒って無いよ!」


 智ちゃんの家の前での不毛な、本当に不毛な言い争いは?智ちゃんのお父さんが帰ってくるまで続けられました。

勢いと思い付きで書いております。

読んで頂いている皆様、内容の齟齬等はご都合主義と言う事でご容赦下さいませ。

感想やアドバイスを頂けると嬉しいです。

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