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もしも魔法が使えたなら  作者: きすぎあゆみ
14/46

14・転校生と気になる女の子

続きを投稿しました。

宜しくお願い致します。

 館林さんと僕の二人で、僕の部屋で無言の時間が過ぎて行く。僕の部屋の中では、本のページを捲る音と彼女がクスクスと声を抑えた笑い声と、『へー』とか『はー』とかそんな独り言が時折聞こえる位で、僕は静かに最近買ったコミックのセット本を読んでいた。


 何か音楽でもかければ良かったのかもしれないけれど、僕が聞く音楽はアニソンか流行の邦楽位で、今更音楽をかけてもなーと思ったので辞めた。ここで、気の利いた読書の邪魔にならない様な音楽でもかければ、女の子受けが良いのかも知れないけれど、別に館林さんの気を引く気も無いけれど…。


「ただいまー」


 二人で静かな時間を過ごしていた所に、秀二の声が聞こえて来た。時計を見ると、午後5時を過ぎていた。小学生はこの時期だと、午後6時には家に帰らないといけない。最近は事件、事故等が多いので特にうるさく言われている。


「館林さん、もう5時を過ぎているから、もう少ししたら帰る準備をした方が良いよ」


「えーもうそんな時間!じゃあ、借りる本を選ばないと!」


 館林さんは読んでいた本を閉じると、本棚の前に行くと更に数冊のマンガ本を取り出して、立ち読みを始めた。もう少しで彼女が帰ってくれると思うと、少し気が楽になって来た。


「立ってると疲れるでしょ?座って読みなよ?」


「…うん」


 返事は帰って来たけれど、彼女はそのまま立ったままの状態で本を読んでいた。


「…」


 僕は、まあ良いかと思い、読みかけのマンガ本を読む事にしたら、階段を人が上がって来る音が聞こえてくる。秀二は大抵、この時間はリビングでテレビを見るかゲームをするかなので、珍しいなと思いながらもマンガを読んでいた。


「兄ちゃんただいまー」


 僕の部屋のドアをノックしながら、秀二が声をかけてからドアを開いた。


「きららちゃん、まだ居たんだ!」


「秀二君お帰りなさい、まだお邪魔してます」


「お帰り」


「ただいま。兄ちゃん、お客さんを連れて来たんだけど良いかな?」


「お客?誰?」


 僕が秀二に聞くと、秀二の後ろから智ちゃんが姿を見せた。


「お邪魔します」


「智ちゃんでーす」


「田坂!」


「田坂さん!」


 智ちゃんは僕の部屋に入ると、キョロキョロと僕の部屋を見回していた。特に変な物は無いと思うけど、気になる女の子に自分の部屋を見られるのって物凄く緊張するよね。それも突然の事だし。も少し片付けていれば良かったかな?


「へーこれが高木の部屋かー、男子の部屋って初めて入った。意外と片付いてる!」


「そうそう、兄ちゃん必要なもの以外、置かないから!」


「私もそう思った。男の子の部屋に初めて入ったけど、片付いていて驚いた!」


「僕ってそんなに散らかしてるイメージなの?」


 何か微妙に傷つくな。確かに男子は片付けが苦手で、散らかしてるイメージなのかも知れないけど。まあ僕も、気が向かないと片付けなくて部屋が混沌として、お父さんとお母さんに少し注意される事は有るけどさ。


「だってねー。男子の部屋のイメージって普通はそうなんじゃ無いの?」


「何か月に1回はそんな感じかな!」


「やっぱり!私が本を読みたいって言ったら、慌てて部屋を片付けに行ったもの!」


「…!」


「さすがに、そのままの状態で女の子を部屋に入れられない状態だったから?」


「兄ちゃん、最近部屋に籠ってたからね!」


「ま、まさか小学生にして引き篭もり?」


「何か、皆が僕をどう見ているのかが、わかった気がする!」


 皆の僕に対する評価は、マンガやラノベに出て来る引き篭もりのニートのイメージみたいで、何か悲しくなって来た。心なしか智ちゃんの視線も、いつになく冷たい感じがするし。気のせいとは思うけど…。


「でも、何で田坂が僕の家に来てるの?」


「えっ…家の前で秀二君に会って話をしてたら、館林さんが遊びに来ているって話になったから…私も混ぜて貰おうかと思って来たんだけど、お邪魔だったかな?」


「別にそんな事は無いけど…館林さんも、もう少ししたら帰る準備をしていたから」


「う、うん、6時位には帰ろうかって思って、借りる本を選んでいたんだけど…」


「本ってマンガ本?」


「うん、面白そうなのが色々有るから借りようかなって」


「じゃあ、私も借りて良いかな?」


「うん、良いけど」


「ありがとう。どれにしようかなー」


 早く帰ってと言う思いと、もっと居ても良いよと言う思いと、僕の心は複雑です。智ちゃんと館林さんが帰れば、魔法の修行が出来るのに、智ちゃんにはもっと居て欲しい、出来る事なら2人っきりになりたいと思っていました。館林さんと2人でいた時間も悪くは無かったけど、やっぱり想い人となるとそれはもう別格です。


 何やら智ちゃんも僕の本棚を探し始めた。


「エッチな本は無いかなー?」


「そのネタはもういいから!」


「…!」


 僕は頭を抱えたくなった。まさか、智ちゃんまでこのネタをするとは思ってもいなかったからだ。館林さんは、笑いを堪えている様な、マンガ本で顔を隠しているし。まさか、智ちゃんにまでエッチな本を持っていると思われるなんて、女の子って世の中の男子をみんなエロと思っているんだろうか?そうだとしたら男って悲しいよね!


 智ちゃんはマンガとラノベを数冊取り出して、パラパラと捲り始める。


「ちぇっ、先手を打たれたか!それで館林さんは何を借りるの?」


「…これかな、最近再放送が有ったアニメの原作」


「ふーん、ちょっとエッチなアニメだったよね」


「そうかな?普通じゃない?」


 智ちゃんは『エッチ』を少し協調しながら、僕をチラッと見た。僕は一瞬ドキッともギクッとも、何とも言い難い感覚を味わった。決して女の子から冷たい視線を浴びせられて喜ぶなんて、そんな性癖は持ち合わせていないと思う。


 取り敢えず、僕は智ちゃんを見ない様に読みかけのマンガ本に視線を戻した。


「じゃあ、私はこのラノベにしようかな!絵がエッチっぽいけどアニメは面白かったから、原作を読んでみたかったんだよねー」


「確かにそのラノベの絵ってエッチなのが多いよね!」


「やっぱり男子ってこうゆうのが好きなのかなー?」


「まあ、男の子だからしょうがないんじゃ無い?」


 女の子が2人揃うと恐ろしい、下手に言い訳をすると何倍にもなって帰って来そうな、そんな予感がする。男子の味方が欲しい所だけど、秀二はいつの間にか僕の部屋からいなくなっているし、どこからの援護射撃も無いままに孤立無援で戦い続けるしか無い、辛い状況がもう少し続きました。

勢いと思い付きで書いております。

読んで頂いている皆様、内容の齟齬等はご都合主義と言う事でご容赦下さいませ。

感想やアドバイスを頂けると嬉しいです。

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