13・転校生の本の好みは…
続きを投稿しました。
宜しくお願い致します。
「あまり散らかっていないね、男の子の部屋ってもう少し何と言うか、混沌としていて女子には理解出来ない物が置いてあって、蝉の抜け殻とか、カブトムシとか虫的な物があるイメージだったんだけど、高木君の部屋は片付いてるね!」
「まあ、初めて女の子が僕の部屋に入るから、片付けたよ!」
「えっ、私が初めてなの?田坂さんは?」
「田坂はお隣だけど、お隣さんってだけだよ」
「ふーん、そうなんだあっ本棚発見」
館林さんが僕の部屋に入って来て、先ず目に付いた本棚に向かって行った。一番上の列には辞書が数冊と魔法の書が入っているけど、どうだろう?確か魔法の書には、魔法の才能が無い人には魔法の書は見えないか認識出来ないみたいな事が書いて有った気がする。
「うわっ、難しそうな本が沢山ある、こんな難しそうな本を呼んでるの?」
「…えっ、それは本棚の肥しだよ!」
「ふーん」
館林さんは本棚の上の列から順に本を見て行ったけど、魔法書の存在には気が付かなかった様だ。僕の嘘の言い訳にも突っ込まれなかったので、問題は無いと思う。
「次は、マンガにラノベかー」
「殆ど有名なのばかりだから、これと言って珍しい物は無いと思うよ」
「で、一番下が図鑑かー、乗り物、恐竜、虫、いかにも男の子って感じの図鑑だね!」
「まあ、男子なら皆この手の物は大好きだからね!」
本棚を一通り見終えた館林さんは、マンガとラノベを見ている。
取り敢えず読み終わったてから面白かったら本棚に残しておくし、面白く無かったら売る様にしているが、小学生のお小遣いでは、そんなに沢山の本は買えないので本の数は多くは無いと思う。まあ、セット本や¥100均一の本を良く買うので、安くは買っているけどね。
「あっ、このマンガのアニメは見たことが有るけど、マンガは読んだ事無いな。」
「このマンガはアニメの再放送で見たことが有る!」
「このマンガ、絵がエッチだね」
「このラノベもアニメ化されたんだよね、ちょっとエッチな感じのストーリーでしょ?」
彼女は僕の部屋の本棚の捜索に忙しいらしく、アレコレと手に取っては感想を口にしている。でも、絵がエッチとかはどうでも良いと思うんだけど。一応、内容を読んでみてから面白かったから買ったのに。それではまるで、僕がエッチな人みたいじゃないか。そうは思いながらも、反論はしないしできないけどね。少し、ほんの少しはそういう気持ちも無きにしも非ず、だから。
「うーん、無いなー!」
「えっ何が?」
「男の子の部屋には必ず有ると言うアレが!」
「アレ?」
「そう、アレ!」
「アレって?」
何か嫌な予感がして来たんだけど、マンガやラノベでこう言う展開になった時には必ず有る、アレな展開しか思い浮かびません。僕はまだ、そう言う事に興味が無いので、どれだけ探されても絶対に出て来ないけど。それにこの半年は魔法の修行に没頭しすぎて、友達とも疎遠になって来ているし。
「アレって言えばアレよ!」
「アレって多分アレだよね!」
「そう、マンガやラノベではこう言う時にはお約束でしょ?」
「お約束なの?」
「だって男の子の部屋に初めて女の子が来たんだよ、絶対アレを探すべきよ!」
「そんなに頑張らなくても、僕の部屋にはアレは無いよ!」
真面目な人だと思っていたら、とんでもない事を言い出したハーフ系美少女がそこにいました。はっきり言ってマンガやラノベの読みすぎです。そんなお約束は現実には存在しません。見た目が美少女なだけに物凄く残念な感じがしました。現実には残念なハーフ系美少女がいましたが……。
「アレって、エッチな本の事だよね!」
「それ以外に何が有るの?」
やはりか。小学生男子の皆が皆エッチな本を持っている筈が無いじゃないか。もう少し大きくなったらわからないけど、今はそんな事よりも魔法の修行の方が遥かに大事なので、そんな事に時間を割く余裕が無いからね。
「僕はまだ、そう言う事に興味が無いから持ってないよ」
「えーっ、男の子の標準装備じゃ無いの?」
「何だよその標準装備って?」
「(男の子=いつもエッチな事を考えてる=エッチな本)って言う公式」
「そんなの初耳だよ!」
「えーっ、だって男の子って皆ジロジロ女の子の事見てるし、高木君だって私の事見てたでしょ?」
「…見てたかな?」
「見てたよ、今日、教室で初めて会った時に!」
確かに見惚れていた気がする。でも、その時は僕一人ではなく、クラスの殆ど全員が見惚れていた気がする。こんな片田舎の県庁所在地の街に、こんなにも可愛いハーフ系の美少女が、大都会で在る処の首都東京から転校して来れば、そりゃ、見惚れるなって言う方が無理だと思うんだけど。こんな片田舎に、こんな美少女なんて見た事ないもの!
「あー、あれかぁ…あれは物凄く可愛い女の子が教室に入って来たから、つい見惚れていたんだよ」
「…何それ、ひょっとして私を口説いてるの?」
「口説くって何で?」
「…何でも無い!」
館林さんは顔を真っ赤にして僕を睨みながら、そんな事を言った。僕は何か彼女の気に障る事を言ったかな?出来るだけ早く、気持ちよく帰って貰う事を第一に対応していた筈なんだけど、どこか怒りを買う様な事をしたのかな?コミュニケーション能力が低い僕には答えが出せそうに無い事を悩みながらも、兎に角彼女には機嫌を直して貰わないと!
「まあ、そんなに変わったマンガとか無いとは思うけど、読んでみる?もし読みたいのなら、貸してあげるけど?」
「うーん、どうしようかな。取り敢えず気になった本を読んでみて、面白かったら借りても良いかな?」
「良いよ。有名なマンガとラノベが多いからそれ程珍しい物は無いとは思うけど、気になった物が有れば言って」
「じゃあ、適当に読ませて貰うね」
館林さんはそう言うと、本棚のマンガを何冊か取り出してから、パラパラと捲り始めた。これって当分帰らないパターンだよね!今日は彼女が帰るまで魔法の修行は諦めた方が良いよね!と、思いつつも早く帰ってくれないかなと、見た事も無い神様にお願いしてみました。
勢いと思い付きで書いております。
読んで頂いている皆様、内容の齟齬等はご都合主義と言う事でご容赦下さいませ。
感想やアドバイスを頂けると嬉しいです。




