12・僕の部屋に転校生が……
続きを投稿しました。
宜しくお願い致します。
館林さんと僕が持っている対戦型ゲームを一通りした後に、秀二が持っている対戦型ゲームやアクションゲーム等をしたけれど、見事に全滅しました。彼女が初めてプレイするゲームでは、初めは勝てていたのに、彼女がゲームに慣れて行くうちに僕の負けが増えてきて、最終的にはフルボッコの完敗になってしまっていた。
「やったー、また私の勝―!」
「本当にこのゲームは初めてなの?」
「そうだよ、最初は慣れていないから難しかったけど、慣れれば思い通りに動いてくれるから面白かったよ!」
「……強すぎない?」
「そうかな?」
一通りゲームをして手持ちのネタが尽きてしまったので、一息入れようと思って飲み物が欲しくなった。人と遊んでいるのに自分一人で飲むのも有り得ないので、一応彼女にも飲み物が欲しいのか聞いてみよう。はっきり言って早く帰って欲しいのだけど、取り敢えず気分転換がしたい。
「館林さん何か飲む?」
「うん、少し喉が渇いたかな」
「牛乳とオレンジジュースとリンゴジュースがあるけどどれがいい?」
「リンゴジュースが良いかな」
「了解!」
僕は冷蔵庫から牛乳とリンゴジュースの1リットル入りパックを、そしてグラスを2つリビングのソファーテーブルの上に置いた。
「ありがとう」
館林さんはそう言いながら、牛乳とリンゴジュースをグラスに注いでくれた。
「僕の方こそありがとう」
「どういたしまして、急にお邪魔したんだからこれ位しないとね」
僕と館林さんは、飲み物を飲んで一息つく事にした。お昼ご飯でお腹が一杯だった筈なのに飲み物は別腹だった様で、僕はグラスの牛乳を一気に飲み干し、お代わりの牛乳をグラスに注いだ。
「ふうっ、生き返るー!」
「凄い勢い!そんなに喉が渇いていたの?」
「いやー、負け続けだったから気分転換をしたくて……」
「…ごめん。ゲームに集中しちゃったみたい」
そんな事を言いながら、館林さんは上目遣いでチビチビとリンゴジュースを飲んでいた。ハーフ系美少女がそんな事をしているので、何この可愛い生き物的な目で思わず見とれてしまっていた。
「…!」
僕が館林さんに見とれていたので、目が合ってしまったので慌てて視線を逸らした。智ちゃんとは全く方向性が違う美少女って言うのも有るけど、僕の好み的にはやはり智ちゃんかな。
「高木君どうしたの?」
「ううん、何でもないよ!」
「なら、良いけど?」
「…?」
美少女と二人きりのこの状況も慣れていないし、僕の家を訪ねて来た理由に心当たりが無いし、僕に興味があるって何事?自分で言うのもなんだけど、身長は高くも無いけど低くも無い、体重は痩せているので軽い方、勉強はそんなに出来ないし、運動も苦手だ、はっきり言って良い所が無いと思うんだけど、しかも今日が初対面そんな僕に興味があるって?
牛乳を飲みながらそんな事を考えていると、館林さんが話題を振って来た。
「そう言えば田坂さんが言っていたけど、高木君って読書が好きなの?」
「えっ何で?」
「田坂さんが言ってたよ、高木君が最近古本チェーン店によく行ってるって!」
「あっあの事か、あれは欲しい本が有ったけどお小遣いが無かったから買えなくて、他の人に買われたから、また入って来ないかと思って、たまに見にいっているんだ!」
まさか、智ちゃんがそんな事まで館林さんに話しているとは思わなかった。あの短時間で、恐るべし女の子のおしゃべり!
「そうなんだ、それでどんな本だったの?」
「外国の児童書だよ、魔法使いとか冒険とかそんな感じの」
「魔法使いとか冒険とか、そう言うジャンルの本が好きなの?」
「うーん、どうかな?どちらかと言えばマンガとかラノベが好きかな?」
「でもその外国の児童書に興味があったんでしょ?」
「…そうなんだ、何かピンと来る物が有って」
何か変な事を言ったかな?館林さんの趣味って読書なのかな?何故だかとても興味を持たれている気がする。もしかして僕に興味があるって言っていたのは、転校先で同じ趣味の人を見つけたからかな?もし、違うとわかったら嫌われないかな?
今日、初めて会ったのにここまで考えさせるとは、恐るべしハーフ系美少女!
「外国の児童書で魔法とか冒険物って色々あるから、他にも似た様な本があるから他の本でも面白いと思うけど?」
「…うーん、どうかな…その本以外には余り興味が無いかな?」
「そうなんだ、じゃあマンガとかラノベを読むのなら、どんな本を持っているの?」
「…基本的には今流行りの物か、ちょっと前に流行った物が多いかな?後は古本チェーン店で買ったセット本とか¥100均一とかかな」
館林さんはマンガやラノベも読む様だ。でも、僕が持っているのは男子向けで、少女漫画や、女子向けのラノベは持っていない。別に、女の子が男子向けの本を読んでも良いと思うし、僕も面白いのであれば、少女漫画を読んでみたいかな。取り敢えず無難に過ごして、館林さんにはお帰り頂く方向で行きたいけど、どうしたら帰ってくれるのかな?こういう時にコミュニケーション能力が低いと困るよね!
「そろそろゲームも飽きて来たし、ちょっと気分転換に本が読みたいかな?」
「えっ、今から?」
「ダメ?」
「…い、良いよ…」
コミュニケーション能力が低い上にあまり女の子と話した事の無い僕には、ハーフ系美少女の上目遣いで『ダメ』だなんて、ハードルが高すぎて断れる訳が無いじゃないか。心臓がバクバクと激しく動悸していて、その心音を彼女に聞かれないかと変な心配をしてしまった。
「どんな本が有るか高木君の部屋に行っていい?」
「でっでも、僕の部屋は汚れているし、きっ汚いよ!」
「でも、高木君がどんな本を読んでいるのか気になるかな」
「…」
「やっぱり、ダメかな?」
だからそんな顔をしないで下さい。僕には女の子に対する免疫が無いので、お願いされると断れる自信が全く有りません。どうしよう、今更断る事は出来そうも無いし、言い訳を考えるだけの能力も無いし!そんな事を考えていると、取り敢えず時間稼ぎをしようと思い付いた。
「ちょっと部屋を片付けて来るから、少し待ってて!」
「はーい、了解しました!」
何故か笑顔で敬礼なんかしてくる高林さん。先ほどの『ダメ』って言った時とは違い明るい笑顔。良かった機嫌を損ねた訳では無い様だ。何だか微妙に釈然としない、掌の上で踊らされている様な、そんな考えが頭に浮かんで来たけれど、彼女の笑顔を見たらそんな考えは、どこかに消えてしまっていた。男って、なんか悲しいよね!
兎に角、僕は部屋に戻って片づけをする事にした。魔法の書は本棚の辞書の隣に、水晶玉と魔法の杖は学習デスクの引き出しに、出しっぱなしのマンガやラノベも本棚に入れると、まあ、こんなところかなと思える程度には、散らかってはいないと思える様には出来た。出来た筈だ!
なんと言っても、今からこの部屋に女の子が来るのだから。出来るだけ穏便に早く帰って貰わないと、魔法の修行が出来ません。
一通り片付いたので、リビングに館林さんを呼びに行った。
「館林さん、部屋を片付けたから入っても大丈夫だよ」
「はーい」
館林さんを連れて2階に上がり、僕の部屋に入って貰う。ちなみに初めて僕の部屋に身内以外の女の子が入ります。お隣の智ちゃんでさえ入った事は有りません。
「わー、これが男の子の部屋かー、初めて入ったよ」
「まあ、特に何もない、普通の部屋だけど」
何で、こうなった。どうしたら彼女は帰ってくれるのでしょうか?
勢いと思い付きで書いております。
読んで頂いている皆様、内容の齟齬等はご都合主義と言う事でご容赦下さいませ。
感想やアドバイスを頂けると嬉しいです。




