35話 フラーシス嬢はテンプレを好む
コモン ライフ イズ ビューティフル!
さて、そぞろ神の物につきて心を狂わせと言った所だろうか。
待ちきれなくなっちゃったと言った所だろうか。
侯爵令嬢がやって来た。
本来なら私共が参ずるべきでありまことに申し訳ない。と言ったら、今度は私の番でしょうと言われた。
さいですねぇ。
それはともかく、儀礼的な会話を終えたフラ嬢の第一声をお聞き頂きたい。
「私は今回の旅行?というかはね、お忍びで街に行きたいなというかね」
はあ、それはそれは。
「そうですか。私の街を楽しんで頂けたのなら、至極光栄でございます」
楽しんで頂けなかった場合、私の首が飛びまする。
「ねぇ本気で言っているの?私はあなたと行くのよ?」
うわ、可愛いなこの娘。
ぱっと見…
さて、皆さん…
俺が、令嬢様と、デート(笑)をした場合に起こる面倒事を考えて欲しい。
たくさんあるね!
されとて、令嬢は絶対!
「そうでしたか。それはそれは失礼しました」
「ねぇ…話し方、普通にしてよ」
「分かりました」
「タメ口じゃないと、怒るわよ」
怒ったあなたも素敵でする。
冗談。
「…分かった」
「そう!それで良いのよ!さあさあ、街に行きましょう…」
「嬢。今日は黄昏の頃となりました。明日からが良きでしょう」と、彼女の従者が言った。
訛りがあるな。
まあ、地方が違うからな。フラーシス程になると他の貴族に舐められるから、標準語にするらしいが。
「ふふ。私は馬車の中でたーいくつだったの。有り余った気力を発散しないと、私、大変なことをしでかすわ。ねぇ、メイージって呼ぶね」
「うん、良いよ」
キャラを変えるのは基本…。
「ねぇ。あなたって愛称無いの?」
「いや、とくには無いかな」
フラーシスはフラーと、呼ばれていたよね。
「それにしてもねぇ。メイージ、領地もらったんだって?見せなさいよ」
えーやだよ。とか言ったらどうなるのだろう?
私、気になります!(えるたそ風)
気になりますけど、言葉にしたら駄目だよな。
「それにしてもね…。まあ、いいや」
思わせぶりな発言。
「ねえ。フラーシス様は何か好きなものはあるの?」
場を持たせるための会話。
「ん?そうね。私は、馬車の中の生活が長かったから読書が趣味になったかな。あなたは?」
「僕も読書は好きだよ」
「どんなのが好きなの?」
「立ち話も疲れるし、向こうで話そ」
「分かったわ。ふふ。ねえ、友達の会話って素晴らしいのね」
…!こんな可愛い、少女と友達になれるなんて!とか、そんな感じ?
まあ、悪い気はしないけど。
無駄話?
ないようです。




