22話 箱庭の箱庭
春は夜。
王城の庭にて。
俺は今、少女とお話をしています。
「素晴らしいです」と仰られています。
少女は天才でした。
努力の上に成り立ったのかは知らないけれど。
「次はどの話をしましょうか?」
「そうですね。先程のゲーム理論を」と仰られましたので囚人のジレンマと利口な豚とナッシュ均衡を話す。
そんなこんなで話し続ける。
途中で彼女の使用人がやって来たのだが帰らない。
まあいいや。
「次は僭越ながら私から話をしましょう。天文学の話です」
ほう。興味深い。
「私たちはどこに立っていると思いますか?」
座っていますよ。
と言うか、使用人立たせていて良いのかい?
「地面にですね」
「地面はどんな形をしているのでしょうか?」
うっ!こいつ、化け物かよ!
「わ、分かりません」
やばい。声が震えた。
しかし、彼女は満足したようで
「ふふ。私は球形であると思うのですよ」
「何故ですか?」
「月(便宜上そう呼ぶ)が、歪むからですよ」
そういうことね。
月はかなり大きいから目が良ければ分かるのかもしれない。
「月がそうであったとしても私たちは違うのかもしれませんよ。部屋の中で玉を吊るされているのを見ているだけなのかもしれないのでは?」
「もし、そうだとしたならば・・・私たちはただの見せ物でしかない。」
「そうです。何故なら神はいるから」
「神などいません」
そう思うなら勝手だが会ったことがある身としては、何とも言えない。
ここが箱庭なのは分かっている。
「ならば、私もあなたも盤上で踊らされているのですか?」
「いえ、勝手に動いているだけです」
紅茶を飲み干す。
それは、もうすっかり冷めていた。
「神が居るかどうかなんてナンセンスな話でしたね」
と少女は仰られた。
確かにナンセンス。
「おや、かなり時間が経ってしまいましたね」
「ではまた機会が有れば」
「きっとあります。なくても作ります!」
その言葉を背で受け止め俺はその場を去った。
彼女と次にあったならば。
いや、なんでもない。
それにしても、我が使用人は何故来ないのだ。
と思ったらヨーゼフさんが”後ろから”来た。
「聞いていたのか?」
「いえ、聞いておりませぬ」
まあ、小声で話していたし、気配は全く感じなかったから聞いていないのは本当だろう。
ヨーゼフさんはとにかく俺の嫌がる事はしないからな。
なぁヨーゼフ。とあの少女の事を聞こうと思ったが止めた。
まあ、見当はついている。
以下無駄話
ゲーム理論の話をすると、矛盾の話?と言われる事が多々あります。
まあ、確かにわからなくもないですが、というか例としてあげるならばどれもこれも弱者が強者に勝ったり、勝つためには自分の利益を下げたり、自分に降りかかるリスクを上げたり。
利口な豚
囚人のジレンマはともかく、ナッシュ均衡というのは、日本に大量に存在しているのではないでしょうか?
作者のナッシュ均衡説明が聞きたい方は、感想にて言ってください。
需要は無さそうですが…。
以上無駄話!




