恋人の存在
三井峰子の部屋から外へ出ると警察官が敬礼してくれた。
「見つかって良かったですね!」
どれだけ、大きな声だったかがうかがえる。春風美也子は、
「ありがとうございます!おかげさまでお義兄様に怒られずにすみますわ~ですので、見つけた事も私が来たこともお義兄樣には秘密でお願いしますわね。」
と、タバコを見せつつお礼をのべ一応口止めする。
警察官の方はにこやかに笑いながらうなずいてくれた。
そして、春風美也子はついでに聞く。
「ところで最近、猫ちゃんを見ませんでした?」
「いえ、見てませんけど。猫がどうかしましたか?」
「いえね、家は迷子の猫ちゃんも探しておりますのよ。白っぽい毛のながい猫を。見かけたら教えて貰えると助かりますの。」
「そうでしたか、気にかけておきますね」と、胸をはって答えてくれる警察官。
「よろしくお願いしますね。ほんとうにありがとうございました。」
そう言って、春風美也子と私はその場を後にした。そして、警察官から離れて私は聞く。
「ところで、白っぽい毛の長い猫って何ですか?」
と私が春風美也子に聞くと、袋に入ったキャトフードに挟まっていたのだという。
白っぽい毛が!!先に教えておいて欲しいものである。
翌日、春風美也子の事務所に行くと美也子がボサボサの髪を一つにまとめ、赤い眼鏡をかけ新聞を読んでいた。
そこに、謙二さんがいた。
「お!おはよう手塚くん!昨日は、タバコありがとうな!」
「いえ、気にしないで下さい。」
内心ドキドキしながら、返事をする。新しくタバコを買い直して渡したのである。あの後、美也子さんが持っていってしまったので。と言ってね。実際そうだし。踏んでるしで。タバコ返さないのも後々バレた時にも面倒くさくなるし、と、春風美也子は何の話をしてるんだ!というような顔をしている。が、全部彼女に言われ私の財布から買わせて頂きました。春風の本心や素が見えない!!
謙二は、手にとったタバコの封をきり、1本とりだすとそれをくわえながら、僕達にこうつげた。
「現場に行って何かわかったのか?」
ばれてーら。(;´д`)
美也子は、驚いた様子もなくつげる。
「ええ。白猫さんが行方不明よ。」
謙二「白猫?」
美也子「猫の餌さがあったでしょ?」
美也子は、そういうと、新聞から顔あげた。
謙二は、「あー、あれか。あれは三井の恋人のものだ」
「へ?」
謙二「三井は、時々、恋人の猫を預かっていたらしいんだ。猫なら三井の恋人の家にいるよ。」
美也子「それは、おかしいですわねー。」
そう言うと、謙二のタバコを手にとった。
美也子「私の前では吸わないでください!!!」
美也子は、タバコを灰皿でもみ消し言う。
三井さんには、恋人はいませんのよ!と。




