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三十七話

その後ラベンヌとその付き人は退去させられた。

告げた時は激怒していたが大量の宝石、詫びとして美しいドレスなどを送ると喜んで帰って行った。婚約話が上がっていたストーシュ家も多分王様がやったのであろうがうやむやに取り消されていた。


王様…父上のことで気がかりなことがあった。

ローナというメイドの名を出した途端に目が一瞬にして鋭くなり、怒り始めた。

彼女が誘拐されたときは一メイドであるにもかかわらず騎士団を出動させた。

彼女は数年前からこの城に仕えているからたいていの人が知っている。

しかし、彼女がどうやってここに入ったのかは分からない。それもまた父上のやったことだとしたら肩入れが過ぎる。私はローナというメイドについて調べるようにエリオットに命じた。戸惑ったが流石は私の執事。すぐに調べてくれるようだ。


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ローナはいつもの生活には戻りたくなかった。かといっていじめられたくもないのだが…幸せは、今は毒。

ローナは、残っているすべての有給を使って城を出た。

いや、有給という言葉を使っただけだ。

時期は早いが、


もう城へは帰らない。


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ラべンヌとかいうクソ令嬢が居なくなってから10日ほど経った。

忙しかったし、あの令嬢が居なくなったことを知らなかったのだ。

久々にローナに会おうと心躍りながらルームメイトの居るいつもの部屋を訪ねる。

何やら中が騒がしい。

ノックもなしにドアを開けるとルームメイトが慌てていた。

間もなくこちらへ気づき「ムッスン…」とだけいう。

目から涙をこぼしながら彼女が告げたのは


「ローナが帰ってこない。」


だった。

彼女曰く、ローナが残していた有給は8日で昨日には必ず帰ってくるハズだったという。

この時点で俺にもルームメイトにもわかっていた。

ローナは旅に出たと。しかも、ラベンヌの専属の任が解かれた日から計算すると今どこにいるのかも見当がつかない。俺の心は絶望に染まった。

もう二度と彼女に会えないような気すらしたからだ。何故彼女に会いに来なかったのか、何故彼女が合おうと思わなくても無理矢理でもあわなかったのか、何故告白しなかったのか。

頭の中を巡るのは後悔ばかりであった。

ルームメイトもまさかこんな早くとは思わなかっただろう。

俺は歯ぎしりをしながら部屋を出た。

そして、


止めるつもりはないがせめて思いを告げたいと思い、馬を走らせた。

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やはり私の執事は優秀であり、彼女の生まれを調べるのに時間はかからなかった。

どうやら、生まれも育ちも教会のようだ。

何故か導かれるように、私は自らその教会へ向かった。

その教会には私自身が出向かなければいけない気がしたのだ。

何か、大事な事がある。

そんな気がした。

ラストスパート

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