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三十一話

「父上話を聞いてますか!!」

「んー聞いてる聞いてる~てか、全部知ってるよぉ~お前が王宮を裏切ったり、闇人をのさばらせたいわけじゃねぇってことぐらい、お前は全員一網打尽にするためにボスと接触したんだろ?」

「わかっているなら何故…」

「えぇ~暇だったからかなぁ~」

「ひ、暇だったから!?」

「そう、全部バカ息子がやっちゃうし、催し物出たらいけないし暇なんだわ」


バカかこのお方は…いや、バカではないむしろ怖い位頭の切れるお方だ…


現国王は王子が19歳の時に出来た子供なのでまだ41。前国王がだいぶ前に流行り病で死に、現国王が王座についたのは王子が産まれる一年前の18の時だった。

「あ~あ、暇だなぁ~ふぁ~もう一眠りすっか‥」

「えーえーどうぞご勝手に!!」


…あんな父上だが、王に必要な人をまとめる力、情報を活用する力、全てにおいて俺が勝てるものはない…俺は、そんな偉大な父上を恐れを抱くくらい尊敬している


**********

ローナがだいぶ回復したところで、ムスクが乗ってきた馬にローナと二人乗りをして帰ることにした。

「…ムスク様…」

「どうした?」

「…ありがとうございました…」

「いや、…すまなかった…怖いめに合わせて…」

「いいえ。助けてくれて嬉しかったです…あの時、子どもみたいに心の中でムスク様に助けて!助けて!って念じてたので、本当に助けてもらって…とても嬉しかったです‥」

「ライアスではなく俺を思ってくれたのか?」

「あ、本当だ…なんでムスク様が出てきたんでしょ?ん~」

「…まだ、分からなくていい」

「??」

「…ローナ」

ローナがムスクの方へ振り向くと、ムスクはローナの唇にキスを落とした。

「…本当に無事でよかった…」

そうムスクはいうと、またローナにキスをした。

「………」

ローナの頬はほんのりと赤くなっていた。


び、ビックリしちゃダメよローナ!これは心配してたよのキスなの!!そうよ!きっとそう!!


二人は無言のまま王宮に着き、ムスクはローナの部屋の前で三度目のキスをした。

「〇☓△◇☐!※?!?」


い、今のキスは何!?


「…良い夢を。」


…お休みのキス…だからかしら…少し、心地良かったのは…


----------

「ローナ~無事でよがっだぁ~!!」

部屋に戻るといきなりマリシナに抱きしめられ、泣かれているローナ。

「!!うわ!!苦しいよぉマリシナ~」

「大丈夫?どこも変じゃない?」

「ああ~もぅ…大丈…ばないかも…」

「えぇ!?どっか悪いの!?」

「ち、違うの!!違うの!!ムスク様が…あの、…ちょっと…あの、…」

「…何?吊り橋効果みたいな感じで好きになっちゃった?」

「ち、違うよ!違う!!何というか…う~ん…う~ん…なんだろう…」


好きの一歩手前位かしら?


「マリシナはさ…エリオットにハグしたいとか、き、キスしたいとかあるの?」

「あるよ。恋人同士だもん。」

「わ、私がさ、ムスク様からキスされたらさ…どうなんだろ…」

「?意味が分かんないんだけど?(何故そんなことを?)」

「いや、だから…私がムスク様からキスされたら、私はどう思うんだろうって…」

「口?」

「口…」

「ふつうは嫌がるわよ。でも、嫌じゃなかったりちょっといいかもって感じだったら好きってことよ?(これはもしや!!)」

「で、でもさ!心配だったよのキスとか、お休みのキスでも?」

「ローナ。キスされたの?(ニヤニヤ)」

「!!!えぇ!!そ、そんなわけないじゃないのよぉ~あ、アハハハ!!」

顔が真っ赤になっていきなり立ち上がり、別に得意でもないお茶を淹れ始める。明らかに動揺している。

「キスされたんだぁ~ふ~ん(やるなぁムッスン♪)」

「で、でもほら、家族同士のキスの口バージョンみたいな感じよきっと!!」

「で?キスは良かった?」

ローナの言うことをガン無視するマリシナ。

「……柔らかかった…以上です‥///」

「もっとしたい?」

「嫌じゃない…かな…?」

「付き合いたい?」

「えぇ!?わ、私、そっか!!ムスク様のこと好きなの!?え?え?いつからだろ…」


今更。


「えぇ、で、でも、身の程知らずって言うか、凡人と公爵様なんて恐れ多いというか、ムスク様優しいし真面目だし、みんなから頼りにされてるのに私なんかが…」

「うわぁ~ムッスン好き好きすぎ引くわぁ~(ニヨニヨ)」

「そ、そんなぁ~」

「…そんなに思ってるなら…ムッスンと一緒にずっとこの国にいなよ…旅なんてやめちゃってさぁ…」

「!!!それは、嫌…だから、この思いは…心の中だけで…」

「……無理だよ。恋心って、簡単には消えないからさ。この国にいるっていう選択肢も…考えといたら?」

「………」

雨季があけて、蒸し暑いフィオリルの夏がやってきた。


ローナ気持ちに気づく。少々無理やり。

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