二十八話
長いです。
ローナは袋の中で揺られながら冷静に考えていた。
分かった。私はきっと攫われたんだ。なぜか、この歳になって攫われたんだ。
…クソ…小さいからか…小さいからなのか…
とにかく、私の歳をどうにか伝えれば…いや、伝えたら伝えたで危なげな町に売られるだけではないか?と、なると…どっちにしろ売られる!!…どうすればいいの…落ち着け、落ち着くのよローナ。とりあえず質問には真顔で冷たく、私の得意分野でしょ!!落ち着いて、落ち着いてこの状況を乗り切るのよローナ!!
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「…っ!!」
「ああ、動かない動かない!!」
マリシナがムスクを膝枕して、頭に包帯を巻いている最中だった。
「………ルームメイト?」
「マリシナね…」
ボンヤリとしている頭にローナの顔が思い浮かんだ瞬間すべてを思い出した。
「ローナは!!!…っつ!!!」
いっきに起き上がるムスク。
「…ムッスンのアホ…動かないで…貴方頭からの出血が酷いのよ何があったの?ローナなら酒場にいるでしょうかr…」
「マリシナー!!酒場にローナが居ませんよ!?」
「な、なんですってー!?」
ゴンッ
マリシナがいきなり立ち上がるので、膝枕されていたムスクの頭が落ちた。
「~~~~~っ…」
「あ、ごめん…じゃないわ!!ムッスン!!ローナは!!ローナはどこなの!?」
「…マリシナ…お前は見ただろ…あの、ガラの悪い男集団を…」
「え?あの私と入れ違いになった?」
「そうだ。そいつらが大きな袋を持ってただろ…」
「??持ってたかなぁ?」
「持ってたんだ…どういう経緯かは分からんがローナは攫われた。」
「!!!」
「し、しかし、ムスク。馬車や馬が無ければそんなにスムーズに運べましょうK…」
「うわぁ~俺の馬車がないぃ~!!まだ支払終わってないのにぃ~(泣)」
と、いうような悲鳴が一階から聞こえてきた。
「………馬車を強奪して連れて行ったと言うことだ。」
「誰よ!!誰が私の可愛いローナを!!許せない!!許せないわ!!殺してやる!!」
「お、落ち着いてくださいマリシナ!!そ、そうだ!!王子に掛け合いましょう!!助けてくれるはずです!!」
「…そうだな。そうしよう。だが、俺は騎士団が動くまで待っていられない。一人で行くぞ。」
「っちょ!!待ちなさいよムッスン!!私も…」
「エリオット。そのルームメイトが変に動かないように見張ってろ!!」
「無茶です!!一人でなんて!!」
「分かっている!!しかし…その間に彼女に何かあったらと思うと…」
そう言い残すと馬を走らせるムスク。
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くっそぉ~何が『もう君に悲劇など起こらない…いや、起こさない。』よ…悲劇起こりまくりなのだけれど…もぅ!!
突然馬車が止まったので、寝たふりを決め込むローナ。
「お?重いな‥」
「寝たんじゃねぇか?なにせお子ちゃまだからな!!」
「ギャハハハハハハそれもそうか!!」
ムッカー!!絶対股間に蹴りいれてやるんだから!!
「あ、ガメイ…さん」
!?ガメイ!?と…いうことは…マリシナが危ない!?
「なんだぁ?その袋の中身はぁ?」
「あぁ、これですか?幼女です。身売りに出すんですよッへへ」
ガーンッ二重ショック…幼女じゃないし…身売りは分かってたけど実際言われると…怖いな…
「フ~ン…商売も結構だが、早くあの女を探せよ!!あのぉ~あれだぁ!!マリシナのダチの…えぇ~と…黒髪ショートのニアだ!!」
マリシナのダチ!?黒髪ショート!?ニア!?誰だその人は!!でも、その人が危ないわ!!
「まぁ~た違うこと言ってるよ…(小声)」
「もぅほっとこぉぜ…(小声)」
「じゃ、じゃあ、お先でぇ~す」
「あぁ、」
コツンコツンッと足音が良く響く道。
おそらくは地下なのだろうとローナは推測した。
夏間近ということあって湿気がすごく、蒸し暑かった。
場所に着いたのか、袋から出され、檻に入れられた。
「ゲッヘへへへへ夕飯の時また来るからな!!」
コツンコツンッ
やっと行ったわ…
「…ハァ…」
周りを見るとすすり泣く小さい女の子、男の子が4、5人ずついた。
皆どこかしらに痣や傷があり、可哀そうなくらいに痩せていた。
「…ぅぅ…ぐすん…マァマ~…」
ズキッ…
「…ここにはママは居ないよ…」
「どぅして?どーしてママ居ないの?この前、おじさんたちがここに連れてきてから会ってないの…どうしてママが居ないの?ねぇなんで?お姉ちゃん。」
「…私たちはね、あの悪いおじさんたちに閉じ込められてるの…」
「なんで?なんで閉じ込めるの?」
「えぇっとねぇ…おじさんたちはね?私たちがえぇーんえぇーんって泣いてるのを見るのが大好きなの。だから」
「そんな悪いおじさん…正義のミカタがやっつけてくれるよね?」
『もう君に悲劇など起こらない…いや、起こさない。』
「…うん。来るよ。きっと…だから、おじさんたちを喜ばせないように泣くのやめよう?ね?」
「うん…やめるぅ…ぐすん…」
「うん!!僕、正義のミカタのジョシュだから!!泣かない!!」
「そうだ!!おねぇちゃんがお歌歌ってあげようか?」
「私も!!私も歌うぅ~!!」
「じゃあ、元気の出る歌を皆で歌おっか!!」
「「「うん!!」」」
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「ん?なんか牢屋の方騒がしくないか?」
「えぇ?……本当だ…いつもの泣き声じゃない…ちょっと見に行ってきます。」
「いや、俺様行こうか。可愛い女の子が入ったんだろ?」
「あぁ、はい…しかし…」
「いいからいいから!!デゥフ!!楽しみだ!!」
「なら俺も見に行くよぉ~」
「ガメイは別に来なくてもいいんだぞぉ?」
「俺が行きてぇんだから良いんだよ」
「デゥフッそうだな!!」
二人の男は牢屋に向けて歩き出した。




