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二十八話

長いです。

ローナは袋の中で揺られながら冷静に考えていた。


分かった。私はきっと攫われたんだ。なぜか、この歳になって攫われたんだ。

…クソ…小さいからか…小さいからなのか…

とにかく、私の歳をどうにか伝えれば…いや、伝えたら伝えたで危なげな町に売られるだけではないか?と、なると…どっちにしろ売られる!!…どうすればいいの…落ち着け、落ち着くのよローナ。とりあえず質問には真顔で冷たく、私の得意分野でしょ!!落ち着いて、落ち着いてこの状況を乗り切るのよローナ!!


********

「…っ!!」

「ああ、動かない動かない!!」

マリシナがムスクを膝枕して、頭に包帯を巻いている最中だった。

「………ルームメイト?」

「マリシナね…」

ボンヤリとしている頭にローナの顔が思い浮かんだ瞬間すべてを思い出した。

「ローナは!!!…っつ!!!」

いっきに起き上がるムスク。

「…ムッスンのアホ…動かないで…貴方頭からの出血が酷いのよ何があったの?ローナなら酒場にいるでしょうかr…」

「マリシナー!!酒場にローナが居ませんよ!?」

「な、なんですってー!?」

ゴンッ

マリシナがいきなり立ち上がるので、膝枕されていたムスクの頭が落ちた。

「~~~~~っ…」

「あ、ごめん…じゃないわ!!ムッスン!!ローナは!!ローナはどこなの!?」

「…マリシナ…お前は見ただろ…あの、ガラの悪い男集団を…」

「え?あの私と入れ違いになった?」

「そうだ。そいつらが大きな袋を持ってただろ…」

「??持ってたかなぁ?」

「持ってたんだ…どういう経緯かは分からんがローナは攫われた。」

「!!!」

「し、しかし、ムスク。馬車や馬が無ければそんなにスムーズに運べましょうK…」

「うわぁ~俺の馬車がないぃ~!!まだ支払終わってないのにぃ~(泣)」

と、いうような悲鳴が一階から聞こえてきた。

「………馬車を強奪して連れて行ったと言うことだ。」

「誰よ!!誰が私の可愛いローナを!!許せない!!許せないわ!!殺してやる!!」

「お、落ち着いてくださいマリシナ!!そ、そうだ!!王子に掛け合いましょう!!助けてくれるはずです!!」

「…そうだな。そうしよう。だが、俺は騎士団が動くまで待っていられない。一人で行くぞ。」

「っちょ!!待ちなさいよムッスン!!私も…」

「エリオット。そのルームメイトが変に動かないように見張ってろ!!」

「無茶です!!一人でなんて!!」

「分かっている!!しかし…その間に彼女に何かあったらと思うと…」

そう言い残すと馬を走らせるムスク。

********


くっそぉ~何が『もう君に悲劇など起こらない…いや、起こさない。』よ…悲劇起こりまくりなのだけれど…もぅ!!


突然馬車が止まったので、寝たふりを決め込むローナ。

「お?重いな‥」

「寝たんじゃねぇか?なにせお子ちゃまだからな!!」

「ギャハハハハハハそれもそうか!!」


ムッカー!!絶対股間に蹴りいれてやるんだから!!

「あ、ガメイ…さん」


!?ガメイ!?と…いうことは…マリシナが危ない!?


「なんだぁ?その袋の中身はぁ?」

「あぁ、これですか?幼女です。身売りに出すんですよッへへ」


ガーンッ二重ショック…幼女じゃないし…身売りは分かってたけど実際言われると…怖いな…


「フ~ン…商売も結構だが、早くあの女を探せよ!!あのぉ~あれだぁ!!マリシナのダチの…えぇ~と…黒髪ショートのニアだ!!」


マリシナのダチ!?黒髪ショート!?ニア!?誰だその人は!!でも、その人が危ないわ!!


「まぁ~た違うこと言ってるよ…(小声)」

「もぅほっとこぉぜ…(小声)」

「じゃ、じゃあ、お先でぇ~す」

「あぁ、」

コツンコツンッと足音が良く響く道。

おそらくは地下なのだろうとローナは推測した。

夏間近ということあって湿気がすごく、蒸し暑かった。

場所に着いたのか、袋から出され、檻に入れられた。

「ゲッヘへへへへ夕飯の時また来るからな!!」

コツンコツンッ


やっと行ったわ…


「…ハァ…」


周りを見るとすすり泣く小さい女の子、男の子が4、5人ずついた。

皆どこかしらに痣や傷があり、可哀そうなくらいに痩せていた。

「…ぅぅ…ぐすん…マァマ~…」

ズキッ…

「…ここにはママは居ないよ…」

「どぅして?どーしてママ居ないの?この前、おじさんたちがここに連れてきてから会ってないの…どうしてママが居ないの?ねぇなんで?お姉ちゃん。」

「…私たちはね、あの悪いおじさんたちに閉じ込められてるの…」

「なんで?なんで閉じ込めるの?」

「えぇっとねぇ…おじさんたちはね?私たちがえぇーんえぇーんって泣いてるのを見るのが大好きなの。だから」

「そんな悪いおじさん…正義のミカタがやっつけてくれるよね?」


『もう君に悲劇など起こらない…いや、起こさない。』


「…うん。来るよ。きっと…だから、おじさんたちを喜ばせないように泣くのやめよう?ね?」

「うん…やめるぅ…ぐすん…」

「うん!!僕、正義のミカタのジョシュだから!!泣かない!!」

「そうだ!!おねぇちゃんがお歌歌ってあげようか?」

「私も!!私も歌うぅ~!!」

「じゃあ、元気の出る歌を皆で歌おっか!!」

「「「うん!!」」」

*********

「ん?なんか牢屋の方騒がしくないか?」

「えぇ?……本当だ…いつもの泣き声じゃない…ちょっと見に行ってきます。」

「いや、俺様行こうか。可愛い女の子が入ったんだろ?」

「あぁ、はい…しかし…」

「いいからいいから!!デゥフ!!楽しみだ!!」

「なら俺も見に行くよぉ~」

「ガメイは別に来なくてもいいんだぞぉ?」

「俺が行きてぇんだから良いんだよ」

「デゥフッそうだな!!」

二人の男は牢屋に向けて歩き出した。

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