十七話
夕食…
「ムスク様。質問いいですか?」
「ん?なんだ?」
「ムスク様のご家族はどんな方ですか?」
「あぁ…母は居ない。糞親父に嫌気が指して出ていった。俺は一人っ子だ。」
「…何だか…すみません…」
「いや。気にしていない。むしろ興味を持ってくれて嬉しい。何時も俺が質問しているからな。」
ムスクは微笑んだ。
も、モテる人って皆こんな恥ずかしい台詞を言ってしまうのだろうか…
「親父はクズだ。傲慢で地位や名誉まで欲しがる。最低人間だ。」
「ムスク様は、パパ似ですか?ママ似ですか?」
「完璧に母親似だ。親父はチビハゲデブの三種の神器を揃えている。」
「アハハ。そうなんですか?」
楽しそうに話を聞くローナ。
「ローナのご家族?」
ローナは一瞬悲しい顔をしたが、作り笑いをした。
「ママは、優しくて私のような目と髪です。パパは、…くせ毛が一緒です。」
ローナが話したのは嘘ではないだろう。しかし、何故悲しそうなのだろうか…
「…ローナ。」
「…ムスク様。ご飯美味しいです。」
次のセリフを予知したかのように答えるローナ。
「…そうか…」
「フフフ…だってムスク様いっつもおんなじ事を聞くんですもの…」
ローナはくっくっくっと笑った。
「そうか…」
そのあとは何時ものように二人で雑談を楽しみながら夕食を終えた。
******
部屋へ戻ると誰もいなかった。
私は、少し仮眠をとった。
…昔の夢を見た。
私が小さな頃の夢…
「ママー早く早くー!!パパもー!!」
「あらあら…フフフ…」
優しく微笑む美人なママ。
「ローナは元気がいいなーハハハ…」
明るく、陽気なパパ。
毎日が幸せだった。
昨日ムスク様に話したことは嘘じゃない。けど…
ママ、パパ、私は、隠れながら暮らすようにママの知り合いがいる教会に住んでいた。
ママは身体が弱かった。だからよく熱を出してはパパに看病されていた。
パパは看病しながら「大丈夫。パパがずっとそばにいるよ。」と何度も何度も言っていた。
…こ、これは俗にいうチャンスというやつか?
ムスクはつい先ほど実家から届いたモモをおすそ分けに来たという建前でローナ達の部屋へやってきた。そしたらなんと部屋の鍵は開いていてローナが寝ているではないか!!
…まぁ、勝手に入ってしまったことはすまない…と、おもいつつだが。
こ、これは…天からの送りもn…
「…んぅ…」
「!!!???」
机の上で寝苦しいのか
眉間にシワがよっている。
「……ぁ」
ローナの目から涙が零れた。
「!?!?!?」
な、何が!?起きた!?
何故泣いているんだ!?
ムスクがオロオロしている間にもローナの目からは雫がどんどん零れる。
やっと[慰める]ということを思いついたムスクは寝ているローナの頭を撫でようとした。
(たぶん下心も入っていた。)
が、
ローナの目が急にパッチリと開き、むくりと顔を上げ、バッチリ目があった。
「!?」
今、ムスク自身の状況が不法侵入だということを思い出し、とっさにドアへ行こうとするムスク。
が、
ガッチリと背中を抱きしめられる。
「ろ、ローナ!?」
返答がない。それどころか抱きしめる力は増すばかりだ。
…小さくて柔らかいローナが自分から俺を抱きしめている。理由、状況など今は関係ない!!俺は自分からこの手を離すなんてバカなことなどしない!!
「…行かないで…」
「?」
「…行かないで…パパ…」
「………」
ローナの手が急に緩くなったので咄嗟に振り向いた時には遅かった。
ローナは地面に倒れた。ローナ、蘇生。
しまった!!
「……あれ?ムスク様。どうしてここに?」
「……」
遅かったか……しかし、先ほどまでのローナは夢を見ていたということか?夢遊病か?
「ムスク様?」
「…ああ。モモを届けに来たんだ。」
「そうでしたか。」
「そうだ。」
案外アッサリしてたな…
いきなりドアが開いた。
「ヤッホーたっだいまー!!」
マリシナであった。
「あら?ムッスン来てたの?」
「モモを届けに来たんだって。」
「ふぅ~ん。……てか、ローナ涙目じゃない?」
「え?あ、本当だ。…さっきまで寝てたから…」
「…そっか。」
何かを知っている風のマリシナ。
の、首根っこを摑まえて廊下に出す。
「ちょっと!!いきなり何すんのよムッスン!!」
「答えろ。ローナが『行かないで。パパ』と、言いながら抱き着いてきたんだぞ」
「あら。良かったじゃない?」
「良くなi…良かったが…お前は何か知っているようだったからな。教えろ。」
「ん~内緒★」
「((イラッ」
「やっぱり本人じゃないとねぇ~私から言えることは…ローナがたまに夢を見て泣いてるってことくらいかしら?私喋りすぎちゃったかも?」
「………」
「二人とも何してるの?」
ドアからひょっこりと顔を出すローナ。
「何にも~じゃ、ムッスンお休みなさいませぇ~ローナも挨拶挨拶!!」
「ムスク様。お休みなさいませ。」
「ああ。お休み。」
ドアが閉まる。
……俺は、君が君のことを明かしてくれるまで聞きはしない。
俺は、その時が来るまで、君を慰む手段を考えておこう。
今の俺にできることなんてそのくらいだからな…
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「な~な~」
「どうしたガメイ?」
男性だと少々聞き苦しい猫なで声でボス(?)へ話しかけるガメイ
「俺さぁ、ちょっとウザい奴がインだよ。ズタズタにしてくんねぇ?」
「あぁいいぞ?で、誰だ?」
「えぇと…」
『どうしたローナ。こんな公衆の面前で…』
「確かローナって言ってたな…」
「ウハッ!!女か?」
「はぃ。結構上玉でしたよ。アンタ好みの感じで…」
「よぅし!探すぞ!!デゥフフフフ…探させよう。特徴は?」
「茶髪のくせ毛で緑色の目。ちっこいくせに胸がデカかったなぁ…」
「「「(特徴少な!!)」」」
「デゥフフフフ…ますます楽しみだな…おい!!探しにかかれ!!」
「「「(これだけの情報で!?)は、はい!!」」」
ローナとか言う糞女め…俺様に目ぇつけられたことを後悔させてやる…!!
すこーしずつ進んでいます。…かね?




