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十六話

今回長めです。※文章が意味不明です。モブがでしゃばっています。てか、モブ回です。

「ねぇ見てぇ~この可愛いドレスぅーいいと思うでしょ?」

「え?これ?」

出されたのはピンク色のフリフリだった。

「…フリフリ…」

「いやぁん★絶対似合うわ!!」

「そうかなぁ?」

「そうよ!!………ちょっと待って…奴の気配がする…」

「ああ…」

「!!!絶対アイツよ!!鍵を閉めてローナ!!」

「もういいじゃんよ…」

そう言いながらも渋々鍵をかけるローナ

ガチャリ。

コンコンッ

ちょうどドアが鳴った。

「姐さん!!居るのは分かっています!!一緒の部屋で愛を育みましょう!!」

「やっぱり…(小声)」

「しー」

あの買い物から一週間がたった。

エリオットとマリシナはなんやかんやで付き合っている。

しかし…

「マリシナ!私は貴方を愛しているのです!!一緒に住んでください!!貴方に会えないと変な男に狙われてはいないか、ちゃんとご飯は食べているか、寝ているのか…とにかく心配になるのです!!」

エリオットには どうやらが超が付くほどの心配性で、自由人のマリシナは逃げまくっている。

マリシナは今の生活が気に入っているのでさらさら変える気などなかった。しかし、マリシナもエリオットの事を独占したいと心のなかでは思っている。(マリシナは好きな人の前ではツンデレさん)なので、嫌だともはっきり言えないのである。

「どっこいどっこい…(小声)」

「うるさい!!(小声)」

ガチャリ。

「あ、カギ開いた。」

「アイツ合鍵作りやがった!!じゃ。私ちょっと逃げるね」

マリシナ窓から脱走。

二人ともこの状況を楽しんで、わざと終わらせていないように見える。

「マーリーシーナー!!あれ?ローナ、マリシナは?」

窓を指さすローナ。

「マーリーシーナー!!!」

毎日が平和である。あと数日で恒例のイベントがある。

この一週間で少し変わったことと言えば、マリシナが一緒に夕飯を食べられなくなった。(エリオットの影響で)その時ちょうどムスク様がその場にいて一緒に食べようと誘ってくれた。

最近ムスク様と一緒にいる時間が長い気がする…

おかげでムスク様と一緒に食べるようになり、寂しくはなかった。

マリシナと一緒の時間は減ったが、

代わりにムスク様との時間ができた。

いつもいつも「楽しいか?」「美味しいか?」と、訪ねてくるムスク様。

私はとても楽しいし、嬉しい。

心配なのは私の方だ。ムスク様は本当に私なんかといて楽しいのだろうか…が、「楽しくない」と言われるのが怖くて言えないでいた。

毎 日が幸せだった。

友人たちと過ごし、仕事にも充実している毎日。

毎日が明るく輝いて見えた。

こうなる前はどうやって過ごしていたのか不思議なくらいに…

---------

非情に…まずいぞ…最近急に明るく、可愛くなって…いや、前から可愛いが‥歌の時にだんだんと人が増えてきた…俺しか、ファンなんていなかったのに!!…てか、俺だけで十分だ!!昨日なんて10人もいたぞ!?仕事をしろ!!仕事を!!しかも何で全員男だ!!


そんなことを考えながらローナが歌う場所に行くと、もうすでに数名が待っていた。

「…なっ」

奴等が話している内容に木の陰から聞き耳を立ててみる。

「ここで歌う子すんごいいい声なんだよ。」

「俺毎日癒されてるー」

「だよなぁー」

「たぶん俺が一番長く彼女の歌を聞いてるとおも…」


イラッ誰が一番だ。誰が!!


「面白そうな話だな」

ちょっと腹がたったムスクは話に入ってしまった。

「こ、公爵様!?公爵様にまで噂が広まってましたか…ハハハ」

自分が一番の古株だと先ほど豪語していた男だ。


フンッ…服装から見て、庭師などの雇われであろう。

歳は…俺と同じくらいか…


「…」

「ここである女の子が最近歌うんですよ。なぜか毎回この辺りで…私はここで歌う前から聞き耳を立てていたんですがね?あの頃から話しかけようと思ってたんですが、近寄りがたい感じで…あ、今は大分明るくなりましたよ」

「…」

「今はとても明るくていい子なので、是非とも聞いていって下さい。」


コイツ…誰に言ってるんだ?俺にだとしたら残念だが全部知っている。聞いていって下さい?お前、どこ目線だ!!彼氏気取りか!!

近寄りがたい感じがまた可愛いんだろうが!!

ああ…あのルームメイトが余計なことをしなければこんなグズが粋がる事もなかったのだが…

あ、俺のせいでもあるか…


「…そうか…では、聞いていこう。」

どす黒い心を抑えながら、ローナを待つことにした。


どうせ歌い終わったら部屋に呼ぶからな…


「それにしても有名になったなぁあの女の子」

構って欲しいようにわざと言うところにもイラッと来た。

が、グッと堪えて聞いてやった。

「名前は分からないのか?」

「あ、はい。名前聞いても教えてくれないんですよ」


俺が彼女の知り合いだといったらどういう顔をするのだろうか…絶望してくれるだろうか…


ムスクの胸に優越感が湧いた。

「…ッフ」

微笑を浮かべるムスク。

そうこうしているうちにローナが来た。

「ムスク様今日は木の陰からじゃ無いんですね。」


バレてた…


「今日も可愛いぞー俺たちのエンジェル!!」

自称古株がそう叫ぶと「かわいいぞエンジェルー」何て声も聞こえてくる。


ライブかここは!!


「おだてても何も出ませんよ((ニコニコ」


…作り笑い じゃないか


今日歌われたのはショパンの『心のままに…』だった。

選曲だけで、彼女の心が今満たされている事が分かった。

歌っている最中、自称古株が小声で自信満々に

「あの女の子は今とても深い闇を抱えてるねー」

などと意味の分からない発言をした。

無知な自称古株にまたもやイラッときたがまあ、無視をすることにした。

自称古株の話を真に受けた無知な連中は「スゲー」「やっぱり分かるんだなー」と小声で言っている。

またイラッときた。が、


ま、まだ抑えられる…


しかし、自称古株はそうやって誉められた事を鼻にかけて

「まあ?彼女の事ならなんでも聞いてよ。彼女が私のになる日も近いと思うし?」


今何て言った?私のになる日?


流石に我慢の限界だった。


彼女が聞いていなくて良かった…喧嘩は立場上出来ない…口論で押さえつけよう…


ちょうどローナの歌が終わり、拍手がパラパラと起こった。


お前らのせいでろくに聞けなかったじゃないか…


「ローナ…」

彼女を呼んで部屋に行くよう諭す。

彼女が完全に自室に入ったのを確認してから、

自称古株にむかって行った。

無知なお仲間たちはムスクのただならぬ殺気を感じてか、そそくさと仕事に戻った。

彼は、ムスクが彼女の名前を呼んだだけで口をあんぐりと阿呆みたいに開けていた。

「おい。そこの奴」

「…な、何でしょう」

「お前…彼女の何をしってる?」

「え?あ、…えぇと…」

「何も知らないんだろ?」

「…」

「どうせ、前から知っていた彼女が最近可愛いと評判。でも、あまり彼女のことは知らないし知られてもいない。だから、自分が知らなくても言い訳が出来る。自分が彼女を一番良く知っている奴になろう。そうすれば皆注目してくれるし、もしかしたら可愛い彼女とお付き合いができるかも…そんなところだろ?…下らない…」

ムスクは吐き捨てるように言った。

「……」

彼はグゥの音も出ないようだ。

「公爵様に何が分かるんですか!!女なんて皆公爵様みたいな金持ちで、顔のいい男が好きですから、彼女を釣るのは簡単だったでしょうね!!私だって好きなのに…」

「…そんな普通の女みたいに単純だったら苦労していない…」

ムスクはボソリと溢した。

「いいか。お前が何回彼女に話しかけたかは分からない。だが、嘘をつき、女を物のように言うお前なんぞには彼女は見向きもしないだろう。」

「…………違う。本当に…」

男はなにか言いたげだがムスクは止まらない。

「俺のになる日も近い?相手にされてない奴が何をほざいている。」

鼻で笑うムスク。

「!!そ、それは別に言っても構わないじゃないですか!!」

「ああ、勝手だ。だが相手が悪い。彼女は俺が貰い受けるんだからな。」

「…公爵様…貴方も…」

「何の話ですか?」

「「うわぁ!?」」

二人はビックリして尻餅をついてしまった。

現れたのはローナだった。

「ムスク様。遅いです。もう休憩時間終了しました。なので、また夕方に。」

そう言い残しペコリと男にお辞儀をして去っていく無愛想な女の子は、

男の知っている彼女ではなかった。

いや、昔の彼女であった。

男が最近何時も見ていた笑顔を絶さない彼女、男が恋をした彼女は今、何処にも居なかった。

「…………」

またまた、口をあんぐりと開けている男。

男がチラッと横を見るとムスクは優しい笑みを浮かべながら彼女が走っていった方向を見ていた。

「…公爵様…やはり貴方も彼女の事を好きなんですね。」

「ぇ、え?な、何を言うんだ!!す、好きなわけ…」

そう言うムスクの顔は真っ赤になっていた。

「今の彼女の何処がいいんですか?」

「は?」

「私は、今の無愛想な彼女は好きではありません。」

「あの無愛想で、誰にも媚びない姿勢とか、あどけない顔立ちなのに凛としているところとか、たまに見せる笑顔が最高に可愛いところとか、…全部だ。」

少々興奮ぎみに言うムスク。

「…彼女への熱量の違いを見せつけられました…でも私も、本当に彼女が好きだったんですよ?」

「モブ…」

「真剣な顔で酷いこと言わないで下さい。でも、諦めます。私は、そんなに心が強くない…」

「……君は、ローナが好きだったのか…安心しろ、俺が必ず貰いうける。」

「アハハハハハ。公爵様なら安心だ。…さっき見たときの彼女、恋愛感情ゼロでしたけど…」

「ま、まぁ頑張るさ…」

「…私も結構アプローチしたんですけどね…(プレゼントとか、挨拶とか、食事にも実は誘った。)」

「…鈍いからな彼女は…」

「はい。そうでした。…歌は、聞いててもいいですか?」

「ああ、勿論だ。彼女も喜ぶ。…しかし、嘘はいけない。」

「アハハハハハ。分かってます。今日で懲りました。では、私は仕事に戻りますので…」

「ああ…」

それぞれ仕事場に戻って行った二人の間には、奇妙な友情(?)連帯感(?)が生まれた。

一言:すみませんでした。

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