十五話
「…なんで私たちの部屋にエリオット様が?」
「ふん。勘違いしないでいただきたい。私はただ、師匠に会いに来ただけだ」
「ローナだってなんでムッスンを連れてきてるじゃない」
「…いや、これは…いろいろと…ある…んだ…」
「あ、そうなのね。ねぇ!買ってきたドレス見せて見せて!!」
「あ、うん。」
取り出したドレスは藍色。しかも、アフタヌーンときた。
「…こ、これは…ギャグ?」
「ギャグですね」
「………(ローナなら何を着ても可愛い)」
「え!?一番似合いそうなの選んだよ!?なにそのみんなの微妙な反応!?」
「…師匠。」
「師匠はやめなさい。姐さんがいいわ」
「姐さん。ローナのドレス買ってきてあげたらどうですか?」
「そうね。明日にでも買いに行くわ」
「………ムスク様…(小声)」
「なんだ?(小声)」
「どうやって切り出せばいいでしょうか(小声)」
「とりあえず今日あった出来事から言ったらどうだ(小声)」
「あ、それいいですね(小声)」
「そういえば明日から給仕指導私がやるからー覚悟してよネぇ~」
話す前に遮られるローナ。
「あ、そうなんだ。分かった。」
「ふふふ…あ、今日楽しかった?…この話エリオットとムッスン関係ないから出て行ってもいいよ?」
「……では、私は退室させていただきます。姐さんまた明日。」
「また来る気かよ。またねー。ムッスンは居るんだ?」
「……ああ。前から気にはなっていたがムッスンて…馴れ馴れしすぎやしないか?」
「ん?細かいことは気にしないのよムッスン!!」
ローナの友達だし…しょうがないが…
「マリシナ!!きょ、今日楽しかったなぁ~」
「ああごめんごめん。で?今日何したの?」
「えぇっとねぇ…カクカクシカジカでコレコレのコレということがあって」
「へぇ~良かったじゃない?たまの息抜きが出来て。」
「うん。…そ、それでね…」
本題に入ろうとしたが、うまく言えない…
ムスクがそっと肩に手を置いた。
「大丈夫。大丈夫。怖くない。」
「あ、ありがとうございます…」
「おおっと。これは、私たち親密な関係になりましt…」
「ガメイさんが、浮気してたの。」
「……………え?」
「今日、夕暮れ時に城下町でガメイさんが女の人とキスしてた。しかも、その人だけじゃないみたい。肉屋のことも嘘だって…本当は闇人だって…」
「…………うそょ…だって彼、この前会ったとき嬉しそうに…」
「…全部、芝居だったんだよ…」
マリシナの目から涙が零れた。それを見たローナの目からも涙が零れた。
「…ぅ…ぅう…ぅわぁあああん!!がめいのバカー!!!!ぅぅうう…ひっぐ…へっぐ…」
「ごめんね。ごめんね。…辛いこと言って…本当にごめんね…」
マリシナはローナに抱き着き目一杯泣いた。ローナもマリシナを抱きしめ泣いた。
ムスクはずっと私とマリシナの頭を撫でていてくれた。
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「いやぁ~みっともないところをお見せしました~」
ムスクは壁に寄りかかり二人を見ている。
「……本当にごめんね…私…本当のこと言わないほうが良かった?」
「…いや、これでよかった。これで心置きなくエリオットを狙えるわ」
「…………へっ?」
「いやね?あの人なかなかのイケメンさんじゃない?しかも私のこと姐さんだなんて…可愛くて~これから、猛アタックするわ!!」
き、切り替えはやっ!!
「そ、そうなんだ。が、頑張ってね」
「勿論よ!!あ~なんだか今日は疲れちゃった。早くご飯食べて寝よ?」
「うん。ムスク様本当にありがとうございました。」
「礼にはおよばない。」
「いえいえ。本当にありがとうございました。」
ペコペコと頭を下げるローナ。
可愛い……撫でたい…ギュッてしたい…抱きしめたい…抱きたい…おおっと…
「それではおやすみ。」
「おやすみなさい。」
ドアが閉まる。
「やだぁあの人ヤラシイこと考えてたわよローナ。気を付けてね?」
「ヤラシイこと?」
「キスとかしたいってことよ」
「キス……」
今日目元にキスをされたことを思い出して顔が赤くなった。
「えっ?何?もうされたの!?」
「えっ!?目元にね、あの…泣いてたから…されたの…」
「あ、なぁ~んだ目元か…」
何故か残念そうなマリシナ。
「ま、進展があっただけマシね。じゃ、ご飯にしよ?」
「うん。」




