十四話
「スンッ…スン…ライアスぅ…どこにいたの?」
ようやく泣き止んできたローナ。
「え?ああ…」
ローナが行ってしまったあと、ライアスは追いかけようとした。が、ムスクに肩を捕まれて行けなかった。
「…何?俺忙しい。後にしてくれる?てか、アンタ今日俺達尾行してたよね?」
「……付き合っているのか(小声)」
「は?」
「お前たちは付き合っているのかと聞いている。」
そう聞くムスクの顔には深い悲しみが浮かんでいた。ライアス大爆笑。
「えぇ?アハハハハ違う違う。てか、んなことしてる場合じゃないよ!!後で話すから今は行かせて!!ああ!!人ごみが出来てる!!ローナ…大丈夫かなぁ…」
『ローナ』という単語にいち早く反応して人ごみのほうへ駆けてゆくムスク。
「おい!!ちょっと!!…ハァ…」
続いて追いかけるライアス。
で、今にいたるのである。
「え?ああ…この人のせいかな?」
ムスクを指さすライアス。
「!!なんでだ!?」
「いや、この人いきなり俺とローナが付き合ってるのか?なんて聴くんだよ?おじさんビックリー」
「いや、おじさんという歳ではないだろう君は…」
「ライアス今年で31だよ?」
「!!」
俺より年上…
「おじさんには最愛の妻もいるのにな~まぁ、君も頑張りたまえよハッハッハッ」
ライアスは踵を返して帰ろうとする。
「??もう帰るの。」
「ああ。家内の話をしたら会いたくなっちゃったからこのまま直帰するよ。彼に送ってもらって。」
「うん。分かった。」
「ああ、君君!!」
ムスクをちょいちょいと手招きしてムスクの耳に手を当て「ガンバレよ」とライアスは小声で言った。
「…っ………」
恥ずかしくて顔が赤くなるムスク。
「じゃあねぇローナ」
「うん。バイバイ」
ヒラヒラと手を振るライアスはすぐに夕日へ消えた。
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夕方の城下町は人で溢れ返っており、活気も溢れていた。
そんな中小さなローナは一生懸命長身のムスクを人ごみの中追いかけていた。
そんなローナを見てられなくなったムスクはローナの肩を抱き、自分の方へ引き寄せた。
「すみません。ムスク様…私が小さいばかりに…」
「これ以上はぐれてもらっては男として情けないしな…」
むしろ、人ごみに感謝だ…
「…いやじゃないか?密着していて…」
「いえ。大丈夫です…」
「なら良かった‥………君は…アイツが…好き…なのか?」
「ライアスですか?好きですよ?しゃべりやすいし」
「そうじゃない。恋…的な…何か…では?」
「あ、ないです。私、まだ恋って分からないんです。」
「そ、そうか…そうか…」
ホッと溜息をつくムスク。
「?………あ…マリシナになんて言おう…」
「マリシナとは、あのルームメイトか?」
「…はぃ…なんて言ぇば…」
丁度人ごみを抜けたところであった。
ローナはまた泣きそうな声であった。
「…君は彼女が心配なのだな…」
「…はぃ…とっても…でも、…言わないと…」
ローナの目からは大粒の涙が零れていた。
気づいた時には彼女の目元にキスをしていた。
彼女はまるで小鳥のようなキョトンとした顔になっていた。
「……泣かないでくれ…心が痛い……」
本心である。
「彼女には、真実を話すんだ…一人じゃ辛いかもしれないからな、俺がそばにいてやる。」
まるで告白じゃないか…
今の今までフリーズしていた彼女が帰ってきた。
「そ、そんな!!平気です!!一人で!!…ムスク様に甘えてばかりな気がしますし…今日だって、たくさん支えられたのに…私は…」
今日一番の表情の代わりようだった。
手をぶんぶんと振って、可愛らしく顔を赤らめ、最後は悲しそうにしていた。
可愛すぎる…
「そんなことはない。むしろ甘えてほしい。一緒に寄り添うくらいどうってことないだろう。負担にすらならない。」
「ですが…」
「これは命令だ。」
わお。久々に出ました命令形。
「じゃあ…お言葉に甘えて…」
「ん」
ムスクは満足そうに笑った。
…キャラがつかめなくなってきました…




