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十四話

「スンッ…スン…ライアスぅ…どこにいたの?」

ようやく泣き止んできたローナ。

「え?ああ…」

ローナが行ってしまったあと、ライアスは追いかけようとした。が、ムスクに肩を捕まれて行けなかった。

「…何?俺忙しい。後にしてくれる?てか、アンタ今日俺達尾行してたよね?」

「……付き合っているのか(小声)」

「は?」

「お前たちは付き合っているのかと聞いている。」

そう聞くムスクの顔には深い悲しみが浮かんでいた。ライアス大爆笑。

「えぇ?アハハハハ違う違う。てか、んなことしてる場合じゃないよ!!後で話すから今は行かせて!!ああ!!人ごみが出来てる!!ローナ…大丈夫かなぁ…」

『ローナ』という単語にいち早く反応して人ごみのほうへ駆けてゆくムスク。

「おい!!ちょっと!!…ハァ…」

続いて追いかけるライアス。

で、今にいたるのである。

「え?ああ…この人のせいかな?」

ムスクを指さすライアス。

「!!なんでだ!?」

「いや、この人いきなり俺とローナが付き合ってるのか?なんて聴くんだよ?おじさんビックリー」

「いや、おじさんという歳ではないだろう君は…」

「ライアス今年で31だよ?」

「!!」


俺より年上…


「おじさんには最愛の妻もいるのにな~まぁ、君も頑張りたまえよハッハッハッ」

ライアスは踵を返して帰ろうとする。

「??もう帰るの。」

「ああ。家内の話をしたら会いたくなっちゃったからこのまま直帰するよ。彼に送ってもらって。」

「うん。分かった。」

「ああ、君君!!」

ムスクをちょいちょいと手招きしてムスクの耳に手を当て「ガンバレよ」とライアスは小声で言った。

「…っ………」

恥ずかしくて顔が赤くなるムスク。

「じゃあねぇローナ」

「うん。バイバイ」

ヒラヒラと手を振るライアスはすぐに夕日へ消えた。

***********

夕方の城下町は人で溢れ返っており、活気も溢れていた。

そんな中小さなローナは一生懸命長身のムスクを人ごみの中追いかけていた。

そんなローナを見てられなくなったムスクはローナの肩を抱き、自分の方へ引き寄せた。

「すみません。ムスク様…私が小さいばかりに…」

「これ以上はぐれてもらっては男として情けないしな…」


むしろ、人ごみに感謝だ…


「…いやじゃないか?密着していて…」

「いえ。大丈夫です…」

「なら良かった‥………君は…アイツが…好き…なのか?」

「ライアスですか?好きですよ?しゃべりやすいし」

「そうじゃない。恋…的な…何か…では?」

「あ、ないです。私、まだ恋って分からないんです。」

「そ、そうか…そうか…」

ホッと溜息をつくムスク。

「?………あ…マリシナになんて言おう…」

「マリシナとは、あのルームメイトか?」

「…はぃ…なんて言ぇば…」

丁度人ごみを抜けたところであった。

ローナはまた泣きそうな声であった。

「…君は彼女が心配なのだな…」

「…はぃ…とっても…でも、…言わないと…」

ローナの目からは大粒の涙が零れていた。

気づいた時には彼女の目元にキスをしていた。

彼女はまるで小鳥のようなキョトンとした顔になっていた。

「……泣かないでくれ…心が痛い……」

本心である。

「彼女には、真実を話すんだ…一人じゃ辛いかもしれないからな、俺がそばにいてやる。」


まるで告白じゃないか…


今の今までフリーズしていた彼女が帰ってきた。

「そ、そんな!!平気です!!一人で!!…ムスク様に甘えてばかりな気がしますし…今日だって、たくさん支えられたのに…私は…」

今日一番の表情の代わりようだった。

手をぶんぶんと振って、可愛らしく顔を赤らめ、最後は悲しそうにしていた。


可愛すぎる…


「そんなことはない。むしろ甘えてほしい。一緒に寄り添うくらいどうってことないだろう。負担にすらならない。」

「ですが…」

「これは命令だ。」


わお。久々に出ました命令形。


「じゃあ…お言葉に甘えて…」

「ん」

ムスクは満足そうに笑った。

…キャラがつかめなくなってきました…

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