かわしまくん 2
この川島という男は、私からすれば非合法の薬を少々嗜んでいるのかな?と思うような活力あふれる青年である。顔はなんというか目鼻立ちが整っているのかいないのか、よく見れば整っているようにも見えるし、別に整ってないよと言われれば、たしかに!と納得してしまう顔である。
「き、今日はどうしてここに?」
私が聞くと
「彼女とデート」
と言って笑った顔が爬虫類に似ていた。おまけに歯並びもこう言ってはなんだが良くないように思える。
「へえそうなんだ、彼女は?」
「もう帰ったよ」
…ほう、ちなみに今の時刻は3時である。…全然関係ない事を言うが私は嘘をつけない、嘘をつくと顔の表情に出てしまう傾向にある。その顔を人は(閲覧注意)と呼ぶ。
「へえそうなんだ、早いね」
「まあな」
よく見るとこの川島という男、目も小さい。
「なんか用事があるとかでさ~」
でも顔はでかい。
「じゃあしょうがないね」
「まあな」
縦に長い。
「で、石田は何してんだよ~」
「映画を借りに来たんだよ」
嘘はついていない、でもなぜか今の自分の顔は(閲覧注意)である。
「へえー…」
「…」
会話が弾まない、これに関しては私が悪い。コミュニケーション能力がゲームの武器で言う{こん棒}クラスの私には無理難題であるのだ。私も嘘でもついて話を盛り上げようか、などと思っていると、
「石田は今何してんの?大学?」
確かにその質問があったか!この川島という男、コミュニケーション能力はとても高い。声は汚いが。
「い、今は、何もしてないよ、大学にも行ってない、バイトもこの前辞めちゃったし」
「へー、そうなんだ、俺も大学は入ったんだけど今は行ってない。バイト何で辞めたんだよ」
川島のコミュニケーション能力は世界で通じるであろう。…さっきからコミュニケーション能力しか褒めてないって…うるさいよ。
「えっバイト?何でって…」
(!)
あ、あうあー、言えない
「口が臭くてやめました」
なんて言えない、こいつなんて質問をしやがるんだ。というかよく考えてみると何だこの理由は、恥ずかしいにも程がある。頭をフル回転させた。
「て、店長と合わなくて…さ」
ぽそぽそと言うと
「わかる~俺もある~合わないととことん駄目だよなー」
そ、そうなのか、バイト経験1日の俺には分かるはずもない。川島が続けて言う。
「何が合わなかったん、厳しかったとか?」
へ、へあ?このコミュニケーションの申し子川島はドンドン掘り下げていく。やめて~掘り下げなくていいよ~、息臭かったからやめたんだよ~、思い出させないで~
「う、うん、き、厳しかったんだよ」
「そっかー大変だったな、まあよくある事だよ」
「…」
今日の私は頑張った、早く帰りたい、帰って今日借りた世界の名作等を観たい。帰りたい!
「そういえば遠藤って覚えてる?」
「へ、へあ?」
「クラス一緒だった遠藤このみ、覚えてない?」
覚えてるに決まっているだろ!お前とは違うんだよ。遠藤このみ、私の初恋の相手である…誠に勝手ながらここで回想に入らせて頂く。




