表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
38/48

第38話 借り物の力



 灰晶洞窟迷宮を完全攻略してから、4日が経った。


 胸の痛みは、深く息を吸ったときに少し残る程度まで治っている。


 エドガーは、まだ治療所にいた。


 右腕を固定したままではあるが、昨日から一人で歩けるようになったらしい。


 治療師の話では、日常生活へ戻るまで1か月。


 弓を引けるようになるまで、最低でも3か月。


 焦って動かせば、さらに長引く。


 俺にできるのは、食事や必要な物を届けることくらいだった。


 今朝も治療所へ寄るつもりだったが、その前に冒険者協会から呼び出されている。


 灰晶洞窟迷宮の調査が終わったらしい。


     ◇


 冒険者協会へ入った瞬間、いつもより多くの視線がこちらへ向いた。


 話し声が止まる。


 何人かが、小声で俺の名前を口にした。


「ウィル・クロードだ」


「灰晶洞窟を攻略したっていう……」


「2つ目の完全攻略だろ?」


 居心地が悪い。


 俺は周囲を見ないようにして、受付へ向かった。


「おはようございます、ウィルさん」


「ああ」


「本日は奥の部屋でご説明します。エドガーさんも、すでにいらしています」


「治療所から出ていいのか」


「治療師の許可を得て、職員が馬車でお連れしました。終わり次第、すぐに戻っていただきます」


 受付の女性に案内され、協会の奥へ進む。


 扉を開けると、右腕を布で固定したエドガーが椅子に座っていた。


「遅いぞ」


「時間より前だ」


「俺の方が早かったという意味だ」


「それを遅いとは言わない」


「元気そうだな」


 少なくとも、顔色は数日前よりよかった。


 俺はエドガーの隣へ座る。


 机の向かいには、受付の女性と、見覚えのない年配の男がいた。


 男の前には、何枚もの報告書と、小さな木箱が置かれている。


「まず、正式な結果からお伝えします」


 受付の女性が書類を開いた。


「協会調査隊が最奥区画へ入り、《灰晶王蛇》の討伐を確認しました。迷宮内の魔力循環も安定しており、新たな迷宮主が生まれる兆候はありません」


 彼女は、俺たちを順番に見た。


「ウィル・クロードさん、エドガーさん。お二人による灰晶洞窟迷宮の完全攻略を、冒険者協会は正式に認定します」


 認定書が机の上へ置かれた。


 俺とエドガーの名前。


 完全攻略した迷宮。


 討伐した迷宮主の名称。


 その下には、冒険者協会の印が押されている。


「おめでとうございます」


「ありがとうございます」


 エドガーが答える。


 俺も少し遅れて、頭を下げた。


「ありがとう」


 紙に書かれた文字を見ても、まだ実感は薄い。


 灰晶王蛇を倒した瞬間よりも、エドガーを支えて迷宮を出たときの方が強く残っていた。


「次に、回収した素材についてです」


 受付の女性が、別の紙を広げる。


「灰晶王蛇から回収できた主な素材は、大型魔石1個、灰晶鱗37枚、牙2本、尾先の結晶骨、首周辺の灰晶膜です」


「死骸は残っていたのか」


「ああ」


 エドガーが答えた。


「倒した迷宮主の死骸が消える迷宮もある。今回は残る種類だったらしい」


「ただし、腹部と喉の傷が大きく、皮や肉の一部は利用できませんでした」


 受付の女性が、俺を見る。


「かなり深く斬ったようですね」


「あそこしか通らなかった」


「調査員も同じ結論です。背中の灰晶鱗は、通常の鉄剣では傷をつけることも難しかったそうです」


 机にいた年配の男が、初めて口を開いた。


「《疾風の鋼剣》でも、背中は斬れなかったのかね?」


「ああ。火花が出ただけだ」


「なるほど」


 男は、何かを紙へ書き込んだ。


 灰晶王蛇の素材を調べる者だろうか。


「素材をすべて売却した場合の査定額は、金貨12枚と銀貨6枚です」


 受付の女性の言葉に、俺は顔を上げた。


 想像していたより多い。


「さらに、迷宮完全攻略の報奨金が金貨5枚。未踏区画の地図と魔物情報に対する報酬が、金貨2枚です」


 合計で、金貨19枚と銀貨6枚。


 そこから、調査隊の回収費用や、迷宮攻略中に受けた治療費が差し引かれる。


「素材をすべて売却した場合、最終的な支払額は金貨17枚と銀貨8枚になります」


「2人で半分ずつだ」


 俺が言うと、受付の女性がエドガーを見る。


「登録されている分配条件も、均等分配となっています」


「ああ。それで頼む」


 エドガーも迷わず答えた。


「治療費は、俺の分から出せ」


 俺が言うと、エドガーがこちらを向いた。


「なぜだ」


「俺を庇って怪我をした」


「その話は終わったはずだ」


「治療費まで半分にする必要はない」


「必要がある」


「ない」


「ある」


 エドガーが左手だけで書類を引き寄せた。


「迷宮内で負った怪我の治療費は、パーティーの共通費用から出す。最初に決めただろう」


「それは軽い怪我の場合だ」


「そんな条件はつけていない」


「だが――」


「勝手に規則を変えるな」


 言い返せない。


 正式にパーティーを組んだとき、収入だけではなく、探索に必要な費用や治療費も平等に負担すると決めていた。


「お前が逆の立場なら、俺の治療費を払わせないつもりか?」


「それは……」


「払うだろう」


「ああ」


「なら、同じだ」


 エドガーが書類を机へ戻す。


「仲間とは、そういうものだ」


 仲間。


 その言葉が、胸の中へ静かに残った。


「分かった」


「最初からそう言え」


 受付の女性が、わずかに笑っている。


「何かおかしいのか」


「いいえ。分配について、問題がなさそうで安心しました」


 明らかに、別の意味で笑っていた。


     ◇


 灰晶王蛇の素材は、すべて売ることにはしなかった。


 灰晶鱗を4枚。


 牙を1本。


 尾から取れた結晶骨の一部。


 これらは、俺たちの取り分として残す。


「ベルクへ持っていくのか」


 エドガーが尋ねた。


「ああ。剣や盾に使えるか確認する」


「また盾を重くするなよ」


「まだ何も決めていない」


「お前は硬い素材を見ると、すぐ盾につけようとする」


「今回は剣かもしれない」


「今の剣は、作ったばかりだろう」


「なら、防具だ」


「結局、つけるつもりじゃないか」


 使える素材を使うのは、当然のことだと思う。


 だが、灰晶鱗は1枚でもかなり重い。


 そのまま防具へ取りつけるのは、難しいかもしれない。


 売らずに残しておけば、後で必要になったときに使える。


「保管を希望された素材の査定額は、金貨2枚です」


 受付の女性が計算を書き直した。


「したがって、実際の支払額は金貨15枚と銀貨8枚。一人当たり、金貨7枚と銀貨9枚になります」


 それでも、俺がこれまで一度に手にしたことのない大金だった。


 家の壊れた壁を直せる。


 雨風が入る窓も、何枚かは替えられるかもしれない。


 寝台を新しくするか。


 冬へ向けて、薪を買っておくか。


 次の探索に必要な薬や防具へ回すか。


 全部はできない。


 何を先に直し、何を後にするのか、決める必要がある。


 それでも、金を手に入れて最初に考えたのは、家のことだった。


 以前なら、剣や防具だけを考えていたはずだ。


「もう一つ、確認していただきたいものがあります」


 受付の女性が、年配の男の前に置かれていた木箱を開けた。


 中には、割れた石板の欠片が3枚入っている。


 表面に、細かな文字が刻まれていた。


「灰晶王蛇のいた最奥区画で発見されたものです」


「俺たちが戦った場所にあったのか」


「崩れた岩壁の奥です。迷宮主の攻撃によって壁が壊れ、隠されていた小部屋が見つかりました」


 灰晶王蛇が起こした崩落。


 戦っているときは、周囲を確認する余裕などなかった。


「古い文字ですが、一部はすでに解読されています」


 年配の男が、翻訳した紙をこちらへ差し出した。


「私は、迷宮に残された古代文字を調べている者です。この石板には、ダンジョンコアを身体へ取り込んだ者について記録されています」


 ダンジョンコア。


 迷宮の最奥に存在し、迷宮全体へ魔力を供給する核。


 通常は、迷宮主を倒したあとも、冒険者が触れることは許されない。


 協会が管理するか、危険性が高い場合は封印される。


「身体へ取り込めるのか」


 エドガーが尋ねた。


「可能ではあります」


 男は、石板の欠片へ視線を落とした。


「過去に、少なくとも6人が行っています」


「どうなった」


「全員が、短期間で強大な力を手に入れました」


 男が、翻訳文の一部を指でなぞる。


「魔力量の増大。身体能力の上昇。複数の属性魔法への適性。中には、たった一人で100人以上の兵を退けた者もいたそうです」


「それほどの力を……」


 エドガーの声が低くなる。


「ですが、誰もその力を保てませんでした」


 男の指が、次の行へ移った。


「ダンジョンコアは、人間のために作られた器官ではありません。どれほど身体へなじんだように見えても、力の根は迷宮側にある」


 俺は翻訳文を読む。


 初期同調。


 急激な出力上昇。


 身体能力の強化。


 そのあとに、同じ言葉が何度も並んでいた。


 同調率低下。


 出力不安定。


 身体拒絶。


 能力消失。


「借り物の力、ということか」


 エドガーが言った。


「その表現が最も近いでしょう」


 年配の男がうなずく。


「どれほど強大でも、本人が育てた力ではありません。時間が経てば、身体とのつながりが少しずつ失われます」


「どのくらいで消える」


「分かりません」


「記録があるんじゃないのか」


「差が大きすぎるのです。10年以上保った者もいれば、同調率の低下が始まってから、わずか数日で大半を失った者もいます」


 数日。


 その言葉に、部屋の空気が少し重くなった。


「力が消えるだけか」


 俺が尋ねる。


「いいえ」


 男は、別の翻訳文を差し出した。


「同調率が低下すると、魔力の暴走、手足の痺れ、記憶の混乱などが起こる場合があります。さらに、力を失うことへの強い恐怖や、周囲への攻撃性が見られた者もいます」


「攻撃性?」


「自分の力が弱くなった原因を、他人に求めるのです」


 翻訳文には、一人の男について記されていた。


 力が弱まったのは、部下が自分を呪ったからだと思い込み、殺した。


 別の者は、家族が自分の力を盗んでいると疑った。


 また別の者は、力を取り戻すため、複数の迷宮を破壊した。


「自分でコアを取り込んだのに、他人が奪ったと思うのか」


 俺が言うと、男は静かに答えた。


「大きな力を自分のものだと思い込んだ者ほど、失ったときに事実を受け入れられないのでしょう」


 自分のもの。


 借り物。


 その言葉が、なぜか胸へ引っかかった。


 だが、理由は分からない。


「この記録は公開するのか」


 エドガーが尋ねた。


「内容を精査したあと、一部は冒険者へ周知される予定です」


 受付の女性が答える。


「ダンジョンコアへ直接触れようとする冒険者は、今もわずかにいます。危険性を伝える必要がありますから」


「力を得られると知れば、逆に試す者もいる」


「そのため、取り込み方や手順に当たる部分は公開しません」


 当然だ。


 いずれ消える力だとしても、一時的には人間を大きく超えられる。


 その結果だけを見て、危険を無視する者は必ず現れる。


「借り物は、いつか消える」


 エドガーが石板を見たまま呟いた。


「それでも、借りた直後は強い」


「ああ」


 いつ消えるか分からない。


 弱り始めれば、何をするかも分からない。


 待っていれば安全になるとは限らない。


 むしろ、失う前に周囲を巻き込む可能性がある。


 俺は無意識に、腰の《疾風の鋼剣》へ触れていた。


     ◇


 説明を終えたあと、受付の女性が新しい書類を取り出した。


「次に、パーティー登録についてです」


 エドガーが、自分の右肩を見る。


「この腕では、しばらく探索へ出られない」


「最低3か月ですね」


「予定どおり、灰晶洞窟迷宮の完全攻略までは同行した」


 最初に組んだときの約束だ。


 灰晶洞窟迷宮を完全攻略するまで。


 そこから先については、決めていなかった。


「パーティーを抜けるのか」


 俺が尋ねると、エドガーはすぐには答えなかった。


「抜けてほしいのか?」


「違う」


「なら、脱退はしない」


 エドガーが受付の女性を見る。


「活動休止として登録できるか」


「可能です。パーティーには所属したまま、探索参加者から一時的に外す形になります」


「それで頼む」


 俺は、エドガーを見る。


「肩が治ったら、戻るのか」


「分からん」


「分からないのか」


「3か月後に、以前と同じように弓を引ける保証はない」


 エドガーは、固定された右腕へ目を落とした。


「無理に戻ると約束して、果たせなければ嘘になる」


「そうか」


「だが、弓を引けるようになって、お前がまだ仲間を必要としているなら、そのとき考える」


 戻らないとは言っていない。


 それで十分だった。


「待っている」


 俺が言うと、エドガーが少し笑った。


「先に強くなりすぎるなよ」


「それは約束できない」


「言うようになったな」


 完全攻略の報酬で、全基礎能力が大きく上がっている。


 エドガーが戻るまでに、次の迷宮へも挑むつもりだった。


 止まっている時間はない。


「では、現在探索へ参加できる正式メンバーは、ウィルさん一人になります」


 受付の女性が書類へ記入する。


「一人でも入れる迷宮はあるか」


「あります。ただし、次の候補として挙げていた《霧の沼迷宮》は、単独での探索をおすすめできません」


「霧で見えないからか」


「それだけではありません。浅い水や泥の下に、魔物が隠れています。前衛一人では、周囲を警戒しながら戦うのが難しい迷宮です」


 俺には《洞窟歩行・極》がある。


 だが、洞窟以外で同じように使えるわけではない。


「仲間を募集する」


「その件ですが、協会から一人、紹介したい冒険者がいます」


 受付の女性が、別の書類を取り出した。


 名前の欄には、


 リディア・ノール。


 そう書かれている。


「魔法使いか」


「はい。氷属性の魔法を得意としています」


 霧の沼迷宮。


 水や泥が多いのなら、氷魔法との相性はよさそうだった。


「実力は?」


「魔力量と魔法の精度だけなら、同年代の冒険者の中でも上位です。《氷針》《凍結》《氷壁》を使用できます。長い詠唱が必要ですが、《氷槍》も習得しています」


「十分強そうだな」


「訓練場では、です」


 受付の女性が、わずかに困った表情になる。


「実際の魔物を前にすると、詠唱できなくなります」


「魔法が使えなくなるのか」


「魔物が近づいてくると、恐怖で身体が動かなくなるそうです」


 エドガーが書類を見る。


「これまでにパーティーへ入った経験は?」


「3度あります。どのパーティーからも、短期間で外されています」


「怪我人を出したのか」


「いいえ。彼女自身が魔物を怖がって逃げたり、戦闘中に泣いてしまったりしたためです」


「泣くのか」


「……はい」


 魔物は怖い。


 牙。


 爪。


 殺されるかもしれない場所。


 怖がること自体は、おかしくない。


 俺も、最初から恐怖を感じなかったわけではない。


 今でも、迷宮主を前にすれば怖い。


 ただ、怖くても動く方法を、少しずつ覚えてきただけだ。


「本人は、まだ冒険者を続けたいのか」


「続けたいと言っています」


「なぜだ」


「それは、本人から聞いてください」


 受付の女性が、小さく息を吐いた。


「正直に申し上げます。現在のリディアさんを、すぐに戦力として数えることはできません」


「なら、どうして俺に紹介する」


「ウィルさんは、最初から強い方だけを求めないと思ったからです」


「俺もレベル5だ」


「迷宮を2つ完全攻略したレベル5は、ほかに知りません」


 それは、ガチャや完全攻略報酬のおかげだ。


 レベルの数字だけでは、今の強さを正しく表せなくなっている。


「それに、あなたは以前より、周囲を見るようになりました」


 受付の女性が続けた。


「エドガーさんから学んだことを、今度は別の誰かへ渡せるのではないかと思っています」


 俺は隣を見る。


 エドガーは口を挟まず、こちらの返事を待っていた。


「エドガーは、どう思う」


「俺が決めることじゃない」


「意見を聞いている」


「なら、一度会え」


 エドガーは、短く答えた。


「怖がりだから使えないと決めるのも、魔法が強いから仲間にすると決めるのも早い。話をして、一緒に迷宮へ入れる相手か、お前が判断しろ」


「ああ」


 正式な仲間を選ぶ。


 以前の俺なら、誰かから選ばれる側だった。


 今度は、自分から誰かと進むか決めることになる。


「会わせてくれ」


 俺が言うと、受付の女性がうなずいた。


「明日の午前中に来る予定です」


「ここで会うのか」


「最初は面談室を使います。そのあと、お二人が希望するなら、訓練場で魔法を見せてもらいましょう」


 書類に書かれた名前を、もう一度見る。


 リディア・ノール。


 氷魔法使い。


 実力はあるが、魔物が怖くて戦えない女性。


 それだけでは、どんな人間なのかは分からない。


     ◇


 協会を出る前に、自分の状態を確認した。


名前:ウィル・クロード

レベル:5

生命力:39

筋力:33

敏捷:25

魔力:21

ダンジョンガチャレベル:2

所持ガチャチケット:5枚

次回11連ガチャまで:あと5枚

迷宮完全攻略数:2

灰晶洞窟迷宮討伐記録:10/10


 灰晶洞窟迷宮の完全攻略報酬。


《洞窟狩人》


全基礎能力+8


 さらに、表示の下に新しい項目が増えていた。


《ダンジョンガチャレベル2》


完全攻略した迷宮の特性が、ガチャ候補へ反映されました。


新たな装備分類が追加されます。


・脚部装備

・外装

・手部装備

・装飾品


一部の消耗品について、排出数と品質が上昇します。


 剣や鎧だけではない。


 靴。


 外套。


 手袋。


 指輪や腕輪。


 今まで出なかった種類の装備も、次のガチャから候補に入るらしい。


 あと5枚。


 《霧の沼迷宮》で新しい魔物を倒せば、3度目の11連を引ける。


 だが、その前に。


 新しい仲間候補と会う。


「明日か」


 俺の言葉に、エドガーが立ち上がりながら答えた。


「怖がらせるなよ」


「どうして俺が怖がらせる」


「お前は黙っていると、少し機嫌が悪く見える」


「普通にしているだけだ」


「それが問題なんだ」


 心当たりはない。


 エドガーを馬車まで送り、俺は家へ戻ることにした。


 明日会う女性が、本当に仲間になるかは分からない。


 それでも、物語は止まらない。


 灰色の洞窟を抜けた先で。


 次に俺を待っているのは、白い霧に包まれた沼と、怖がりな氷魔法使いだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ