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第四部 異世界色々危ない記

名前は少々ふざけました

森から帰ってきた翌日。


ユウトは店の倉庫で考え込んでいた。


「最近は食料品ばかり売れてるな……」


もちろん商売としては悪くない。


しかし、この世界にはまだまだ便利な物が不足している。


「もっと役に立つ商品を広めたいな」


そう考えたユウトは通販サイトを開き、新たな商品を探し始めた。


その時。


「ユウトさん!」


リリィが慌てて飛び込んできた。


「どうした?」


「農家の人たちが困ってるみたいです!」


話を聞くと、街の外にある畑で害虫被害が広がっているらしい。


収穫前の作物がどんどん食べられているという。


「それはまずいな」


食料不足になれば街全体に影響が出る。


ユウトたちは農場へ向かった。


畑では農家たちが頭を抱えていた。


「見てくれよ……」


葉っぱはボロボロ。


作物もかなりやられている。


「これはひどいな」


セリスも眉をひそめた。


「魔物じゃないの?」


「違うみたいです」


アリシアが調べながら答える。


「普通の虫ですね」


「なるほど」


その害虫は「プレパラドル」と言う虫で数年に一度大繁殖をして畑を食われるとか。


ユウトは少し考えた。


そして通販サイトである商品を購入する。


数秒後。


倉庫に届いたのは防虫ネットだった。


「なんだこれ?」


農家たちは不思議そうに眺める。


ユウトは説明した。


「虫が入れなくなる網です」


「そんな物が!?」


「試してみよう」


みんなで協力して畑に設置していく。


数時間後。


畑全体が大きなネットに覆われた。


数日後。


結果は驚くべきものだった。


害虫被害がほぼゼロになったのだ。


「すげえ!」


「作物が無事だ!」


「救世主だ!」


農家たちは大喜び。


ユウトもほっと胸をなで下ろした。


その夜。


街の酒場ではユウトの話題でもちきりだった。


「またユウトさんが街を救ったらしいぞ」


「今度は農業か」


「本当に何者なんだ?」


住民たちの信頼はますます高まっていった


_____________________


後日。


アリシアが冒険者ギルドから帰ってきた。


「面白い依頼があります!」


「依頼?」


「はい!」


テーブルに地図を広げる。


街から半日ほど離れた山の中。


そこに古い遺跡が発見されたらしい。


「遺跡か」


ユウトの目が輝く。


こういう話は少しワクワクする。


「宝とかあるのかな」


「ユウトさんらしいですね」


リリィが笑った。


調査隊は四人。


ユウト。


セリス。


リリィ。


アリシア。


いつものメンバーだ。


翌朝、早速出発する。


山道を進み続けること数時間。


ついに遺跡が見えてきた。


崩れた石柱。


巨大な門。


長い年月を感じさせる建造物。


「おお……」


アリシアが感動する。


「思ったより大きいな」


ユウトも驚いていた。


しかし。


遺跡の入口に近づいた瞬間。


地面が揺れた。


ゴゴゴゴゴ……


「!?」


「来る!」


セリスが剣を抜く。


崩れた石の中から巨大な石像が立ち上がった。


高さ三メートルを超えるゴーレムだった。


「侵入者排除」


低い声が響く。


アリシアが青ざめる。


「いきなりボスですか!?」


ユウトも思わず叫んだ。


「いや聞いてないって!」


巨大ゴーレムはゆっくり拳を振り上げる。


そして――


四人へ向かって突進してきた。


「侵入者排除」


そう言いながら巨大な石のゴーレムが地面を揺らしながら迫ってくる。


「うわっ!?」


ユウトは慌てて飛び退いた。


その直後。


ゴーレムの拳が地面を叩きつける。


ドォォン!!


土煙が舞い上がった。


「すごい威力ですね……」


アリシアが青ざめる。


「当たったら終わりね」


セリスが剣を構える。


「私が前に出ます!」


リリィも杖を握りしめた。


戦闘が始まった。


セリスが素早く飛び込み剣を振る。


ガキィン!


しかし刃はほとんど通らない。


「硬い!」


「石ですからね!」


アリシアも矢を放つ。


だが効果は薄い。


「どうする?」


ユウトは考え込んだ。


その時。


通販画面が光る。


【特殊提案】


【高出力解体ハンマー】


「なんだこれ」


半信半疑で購入。


光と共に巨大なハンマーが現れた。


「今度はハンマー!?」


アリシアが叫ぶ。


「試してみるか!」


ユウトは全力で振り抜いた。


ゴォン!!


鈍い音が響く。


すると。


ゴーレムの腕に大きな亀裂が入った。


「効いてる!」


「ユウトさん!」


「今だ!」


セリスとアリシアが攻撃を集中する。


リリィの魔法も命中。


ついに。


ゴーレムの身体全体が崩れ始めた。


「排除……失敗……」


バラバラになった石が地面へ崩れ落ちる。


戦いは終わった。


「勝ったぁ……」


アリシアがその場に座り込む。


「思ったより強敵だったな」


ユウトも汗をぬぐう。


しかし。


遺跡の門はゆっくりと開いていた。


ギギギギ……


「中へ進めってことか」


「たぶんね」


セリスが頷いた。


四人は慎重に遺跡へ足を踏み入れた。


遺跡の内部は想像以上に広かった。


長い通路。


巨大な部屋。


見たこともない文字。


「すごい……」


リリィが目を輝かせる。


アリシアも興奮していた。


「本当に遺跡だ!」


「遺跡なんだけどな」


ユウトは苦笑した。


しばらく進むと大きな広間へ出た。


その中央には水晶のような装置が置かれている。


「なんだこれ?」


ユウトが近づく。


すると。


突然、水晶が光った。


『認証開始』


「!?」


『管理者権限を確認』


『異世界転移者を検出』


その言葉に全員が固まった。


「今なんて言った?」


『異世界転移者』


ユウトの顔色が変わる。


自分がこの世界に来た秘密と関係しているかもしれない。


水晶の映像が浮かび上がる。


そこに映っていたのは白衣を着た人々だった。


まるで現代の科学者のような姿。


『我々は古代文明アルカディア』


『未来へ記録を残す』


『我々は異世界との接続技術を完成させた』


「異世界との接続……」


ユウトは息を呑む。


もしかすると。


自分の通販能力と関係があるのかもしれない。


映像は続く。


『だが技術は暴走した』


『世界は崩壊した』


『生き残った者は記録を残し眠りにつく』


そして最後に。


『後継者へ託す』


映像が消えた。


静寂が広間を包む。


「つまり……」


アリシアが呟く。


「ユウトさんの力は古代文明の技術に関係してる?」


「かもしれないな」


ユウトも確信は持てない。


だが。


今まで何も分からなかった能力に初めて手掛かりが見つかった。


その時。


遺跡全体が震え始めた。


ゴゴゴゴゴ……


「なんだ!?」


「上です!」


リリィが叫ぶ。


天井から大量の砂が落ちてくる。


どうやら長年の劣化で崩壊が始まったらしい。


「逃げるぞ!」


四人は出口へ向かって走り出した。


遺跡から脱出した翌日。


ユウトは店の倉庫にいた。


すると。


通販画面に見慣れない表示が現れる。


【古代認証完了】


【機能アップデート】


「え?」


次の瞬間。


新しい項目が追加された。


【設計図生成】


【生産支援】


【施設建設】


「なんだこれ!?」


今までは商品を購入するだけだった。


しかし今度は違う。


建物や設備の設計図まで作れるらしい。


「これは……」


ユウトの胸が高鳴る。


街をもっと発展させられる。


農業。


商業。


生活環境。


全部を改善できるかもしれない。


その頃。


ギルドにはある報告が届いていた。


「遺跡のさらに奥で巨大な反応を確認」


「何?」


「おそらく未発見の地下区域です」


受付嬢の言葉に冒険者たちがざわつく。


まだ遺跡の探索は終わっていない。


そしてその地下には――


古代文明最大の秘密が眠っていた。


_____________________


ユウトは新機能を使って水道設備や倉庫の建設を開始していた。一方、遺跡の地下では新たな脅威が目覚めようとしていた。



「設計図生成……?」


ユウトは何度も画面を見返した。


今までの通販機能とはまったく違う。


試しに「倉庫」と入力してみる。


すると。


【大型保管倉庫 設計図生成可能】


という表示が現れた。


「本当に作れるのか?」


ユウトが選択すると、一枚の設計図が光とともに現れた。


「おお……」


細かい寸法まで書かれている。


まるでプロの建築家が描いたような図面だった。


「もう何でもありだなこの通販。」


その日の夕方。


ユウトは街の代表者たちを集めた。


「新しい倉庫を作りたい」


「倉庫?」


商人たちは首を傾げる。


「今の倉庫じゃ荷物が入りきらないんだ」


最近はユウトの商品のおかげで街の物流量が急増していた。


保存食。


農具。


日用品。


どれも売れ行きが良い。


結果として保管場所が不足していた。


設計図を見た全員が驚く。


「こんな大きな倉庫を?」


「すごい……」


「本当に建てられるのか?」


ユウトは笑った。


「やってみよう」


翌日から建設が始まった。


大工たちが集まり。


石工も集まり。


街中が活気に包まれる。


「ここをこうして……」


「柱を運べ!」


「急げ!」


巨大な建築計画に住民たちも興奮していた。


数週間後。


ついに大型倉庫が完成した。


「おおおお!」


街中から歓声が上がる。


今までの三倍以上の容量。


しかも整理しやすい構造になっていた。


「便利すぎる……」


商人たちは大喜びだった。


ユウトの評価はさらに上がる。


倉庫完成から数日後。


今度は別の問題が発生した。


「井戸の水が足りない?」


ユウトは驚いた。


最近は人口が増えている。


商人も冒険者も集まるようになった。


その結果。


水不足が起き始めていたのだ。


「このままだとまずいです」


リリィも真剣な顔だった。


「夏になったらもっと大変になるわ」


セリスも同意する。


「うーん……」


ユウトは考え込んだ。


そして。


新しい設計図機能を開く。


【簡易給水設備】


【浄水設備】


【貯水施設】


「便利すぎるだろ……」


思わず呟く。


数日後。


街の近くの川から水を引く設備が完成した。


さらに大きな貯水槽も設置。


結果。


水不足は一気に解消された。


「こんなに楽になるなんて」


「ありがたい……」


住民たちは感激していた。


しかし。


遠く離れた遺跡では異変が起きていた。


崩壊した遺跡の地下。


誰もいないはずの場所。


そこに青白い光が灯る。


『システム再起動』


機械音が響いた。


『管理施設起動』


『防衛機構確認』


『エネルギー残量38%』


暗闇の中。


巨大な扉が開く。


その奥には。


何十体もの機械兵が並んでいた。


『侵入者確認』


『脅威判定開始』


赤い目が一斉に光る。


そして中央には。


さらに巨大な装置が存在していた。


高さ十メートル以上。


古代文明の中枢と思われる施設。


『管理者候補を探索』


『異世界転移者反応確認』


『対象:ユウト』


静かに機械音が響く。


その頃。


ユウトは全く気付いていなかった。


店の裏庭では。


新しく購入した折りたたみ椅子を広げていた。


「これは便利だな」


「何してるんですか……」


アリシアが呆れる。


「街の発展も大事だけど休憩も大事だぞ」


「確かにそうですけど!」


平和な時間。


しかし。


その裏では古代文明の秘密が少しずつ動き始めていた。


そして数日後。


ギルドに緊急依頼が届く。


「遺跡周辺で見たことのない魔物が出現!」


「しかも群れだ!」


「討伐隊を編成しろ!」


街は一気に騒がしくなる。


ユウトたちも再び遺跡へ向かうことになる。


だが誰も知らなかった。


その先に待つ敵が、これまでの魔物とはまったく違う存在であることを――。



――――――――――――次回へ続く

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