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14 おみくじと薬 僕は靴が欲しいんだ

いい加減、主人公に靴を……。

作者に休息という執筆時間を(泣)

「あった……けどこれは」

「何よ? 拳はもう簡単には止まらないわよ?」


頬を掠める、スマッシュ!

空気が耳元で、ざわめく。ざわざわざわ。何かのゲームみたいにざわざわざわ。

って物理はやめてくれ頼むから。そうその2発目のタメはいらないというかそれは止められるだろ!


もしそんなことしてみろ! 土下座するぞ! いいのか!?

という気持ちを胸に、アイテムボックスから、そのアイテムを取り出す。 


「万物の病から死者蘇生までこれ一本、『天神薬アフォナー』だ」

誰にも見えないアイテムボックスから、手づかみでどーん。

外見は、ペットボトルに入った水。いろは……、まあ、そんな感じの。

光にかざすと七色に輝いているが、気にしたら負け。


鑑定するとこんな感じになる。


『天神薬アフォナー』:神話級。日常のけだるさから核の炎で消滅してもこれ一口で健康体以上の元気な体にあら元通り。一世界にこれ一本あったらいいなって言いたいほど! 効果はこの世の全ての薬があほなくらいみみっちく見えるほど! ぜひお試しください! 品切れ続出! というか基本存在してはならない代物。最上位神が本気で作ったためか、神々が超下手でおこぼれでも! と頂戴したくなる一品。


すごい薬がきたー! とか思ったが、同時に。

災いの種キター! とも思ってしまうのは僕だけか?

ほら、説明文から最初はフリーダイヤルをコールしたくなる文面だけど、途中から最後にかけてが、ヤバイ。


「聞いたことない薬だけど、なんだかすごい感じは分かる。見る感じ、だけど」

「説明文を読むと世界に1本あるかどうか、だからまあ、多分、大丈夫だろ」

この世の薬が全てあほなくらい、だから倉止め病くらいは大丈夫、なはず。

「試しに飲んでみるか?」

「……やるならスライムじゃないほうがいいわね。オサムが試しなさいよ。あ、容器に口つけないでよね」

「はいはい」

コップくらいあれば楽なんだけど……。っておや、木のコップが足元にあるぞ。

スラカーゴにいつの間にか何匹かのスライムが……って君たちか。


やばい、なんかちょっとうれしいぞ。ありがとう。後からちょっとうれしいものを差し入れたい。


では、失礼して。

注いでからの、ちょっと一口。


沈黙。時間が止まったかのような、無音。そして――。


「……女将を呼べええええええっ! 何だこれはっ! 旨い旨すぎるぞオオオオオ!」

僕は唸るしかなかった。


そう。

この旨さを表現するには、言葉では言い表せないというか。むしろ言葉などで表現するなど、それはこの旨さに対して、冒涜を強いている!

フルーティ? フローラル? 砂漠に突如湧いたオアシス?

ああ、何で僕は言葉が少ないのだろうか!


旨い! という言葉では陳腐! いや、むしろそのようなひとくくりの賞賛は惰性いや捨てろ!


人前でなければ土下座! 五体投地!

この世に生まれてきてすみませんけどありがとうございますっ!


「な、なんか凄いわね……、じゃ、私も」


普通ならこんな旨いのは誰にもやらん、とか言うかもしれないが。

何だろう。この旨さは共有したい。あ、お酌するよ。


クリスもコップに注いで一口。


「……料理人を呼べっ! 即座に出せ! これは革命いえ変革よおおお!」


凄いな、これ。

あのクリスがこうまでに。とかいうキャッチフレーズでもいけるんじゃない?

「これならば戦争なんて根絶できるわ! 破壊による再生なんて目じゃない!」

「……あ、そっち方向のネタに走ったら駄目だ!」

足元にいるちびスライムたちに、クリスへのめちゃ軽めのアタックをお願いしておく。

このままいくと最後には「私が! 私たちが! ○○ダムだ!」とか言い出す気がする。

よし、ナイスアタック! いいぞ! クリスの狂気、いや狂喜か? が収まりつつある。



そういえば『ふりーわ』のキャラにこんなアニメネタを言うキャラなんていたか?

いや、もしかしたら僕が知らないうちにいたとか。

ストーリーそっちのけだったからな。NPCとの会話よりもプレイヤー同士とのつるんでたほうが圧倒的に多かったし。


まさかね。他プレイヤーからも掲示板からの情報も、そんなのなかったし。

あ、もしかしてバージョンアップって奴?

それともAIがレベルアップ?


まさかねー。


そんな考えはよそに。落ち着いたクリスから、

「……ふう。一口で恐ろしいほどの効能は分かったわ。レベルも10上がってるし」


……なん、だ、と……!?

こっそりステータスオープン。……すぐにクローズ。


ハハハ。何を言ってるのかこのクリスは。

僕のレベルは1のままなんですけどおおおおおお!

よし。見せてもらおう。嘘はよくない。あのうまさは認めるがそれとこれとは関係ない。


「何? 信じられないって顔で。オサムも見ればいいじゃない」

「あ、ありがと」




名前;クリスレイン


職業:村長補佐見習い


レベル:60


HP(体力):8050


MP(魔力):20000


攻撃力:250


守備力:420


魔力:800


精神力:1000


敏捷力:777




おや? レベルが10上がったのにステータスがとんでもなくあがってるような。

「うーん、やっぱり体の調子がいいわ! 今ならちょっと強力な魔法だって撃てちゃう!」

ああ、あの薬、今の僕の思いからの名づけなのか。というかそうに違いない。


では今の僕の気持ちを、心の中でシャウトしよう。


んなあほな!


僕のレベルとか能力は全く上がってなかったぞ! おかしくない?

チラ見したけど、全く上がることなんてなかったのに!


ええい! この世は不条理か! 神はやはり死んだ!

いや、いても僕がぶん殴る! 2発! 今ので1発増量キャンペーンだ!

殴ったね! しかも二度も! とか言われるかもしれないが、大丈夫だ。問題ない。


僕はどこぞの軍人でもなければ館長でもない。安心してください。一般人です。


「でも、オサム。そんな薬があるんならさっさと出しなさいよ」


何この言われよう。何かひどくない?


「いや、まあ、今できたというか今貰ったと言うか。そもそもこんな厄災の種にもなりかねないものをどうしろと。……しかも、いやまあいいや。村行こうよ村」


その後クリスの同意を得て、改めて村へ出発! さあ今度こそ村だ!



僕は、村についたら、靴を買うんだ――! っていうのはよくないフラグでしょうか?

彼女に告白するんだ、とか結婚するんだ、とかいう系統じゃないから大丈夫だよね? ね?


なんでこんなことを思うのか、って?



さっきの時に、クリスには言わずにおいたけど。

アイテムボックスに、『天神薬アフォナー』が9本、ってカウントされたのを見てしまったから。

おみくじシステム、ぶっ壊れすぎだ。でも1日3回までだからやらなきゃ損か。

いや、やってもさらなる厄災が来るから損かもしれない……。


どうするの、どーすんの僕!?



ってなんで、受験前にこんなんで悩まないといけないのか!!


やはり神はぶん殴る! 覚えてろ!

余談ですが、クリスレインのステータスは、あからさまにおかしくなってます。

あれだとレベル150くらいは超えてます。


だから作者もこう言います。


んなあほな!


まさかクリスレインの無双物語になるとは作者も思ってなかったのでした(違

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