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13 薬を作ろう! ……誰が?

月1ペースで頑張ります

台風め台風めがああああ

あごめんなさいすみません来ないでください

では、薬の作り方についておさらいしましょう。


『ふりーわ』では薬を作るのはコツがいります。

スキル『薬師』とか『錬金術』などがあれば楽になりますが、普通の人でも作れます。


ただ、普通の人だと手に入れるのも大変な襟草――読み方はえりくさ、ですね。全く何てものがあるんだか――、から『エリクサー』なんて作れません。

せいぜい、普通に薬草といわれる何種類かの草を適当にかき集めてすり潰して、沸騰したお湯に入れて、その他諸々ぶちこんでポーション完成、くらいが関の山。


普通の人ならそれが普通。普通なのです。いいでしょうか。


というわけで、倉止め病を治す薬は普通の人じゃ作れない。

そんなのを作るのは薬屋さんくらいじゃないと、ねえ。そうしないとゲームバランスとかゲフンゲフン。


なお、さすがに『エリクサー』とまではいかないが、作成にはそれに近い能力が要求される。


どれくらいの能力が必要なのかというと。

例えになるが、公立の中学1年生1学期で勉強よりも体育が得意とか抜かす悪ガキが、センター試験で好成績とる位、とだけ言っておこうか。


改めて、相当無茶なのは分かったと思う。

いかがだっただろうか。


「え……、最後のはよくわかんなかったけど」

「最後はほっといても、クリスが相当な無茶振りをしたことはわかっただろ!?」


初心者さんに高難度の調剤をさせようだなんて、何考えてんだ!

そもそも僕は戦闘も生産も運をあげるためにしかやってないから、それ以外はさっぱりなんだよ!


あ、運のためなら難解な薬剤調剤もやってたけど、さ。

ただ、普通の作り方じゃないから……。ただでさえ隠しステータスなのに、それをあげるだなんていうのは神の所業、というよりはアホの所業と爆笑された。


例えば、作成途中で調剤器具のまわりを一分間踊る、とか。確かに普通の作り方ではない。


今となっては……、いや、今も昔も変わらずイラつく。

人の生き方を笑うんじゃねえ!


「じゃあ、材料だけあっても意味ないじゃん!」

僕に怒られても困る。非常に困る。何とかしたいのは山々だが出来ないことは出来ない。

ない袖は振れないのだ。

「そだねー、ってそういえばスラリーダーたちなら」

「我が神よ! お答えしましょうぞ。このスラ伝が!」

「何だってー! ということは知っているのかスラ伝!」

やっぱり知識は地球を救う! じゃなかった! 救世主がここにいた!

ありがとうスラ伝!

「ふむぅ……。実はですな。人間とスライムの体の構成は大いに異なるものであるというのはご存知でしょう」

……おや? なんでそんなところを切り口に言うのかな?

「ゆえに、我々の薬と人間の薬では大いに作用するものが異なるわけであり」

あー、この語りは、あれですか。このままいくと面倒な長さがある気がするので、切ろう。

「ぶっちゃけると?」

「我らでは作れませんっ! という結論に達するわけなのでヴァ!」

スラ伝、クリスの右ストレートに吹っ飛ばされる。


すまん、スラ伝。僕が動いたら、場合によっては顔にあの右が来る感じがしたから!

「ふしゅーっ! 期待して大損よ!」

こんなところで、痛い思いをするのはいやなんだよ。

そして、クリス。

無駄な期待はやめて欲しい。


しかし、倉止め病を治すには、別の方法だってある。

どこぞのRPGでいうなら、毒消しが駄目なら万能薬。目薬が駄目なら万能薬。石化? ほら万能薬。

そう、万能薬さえあれば、いい。


何故? その問いさえも不要。万能薬だから!


となれば、あれか。確かにあれならばいける……僕の犠牲があれば。


……。

あれは、やりたくねええええええええ! あの頃の自分はあれだ!

黒歴史=陰のある男=かっこいい、とかよく分からん等式を信じていたに違いない!


落ち着け、落ち着くんだ。僕のあの歴史は葬った。落ち着け!


よし、つまりはなんだ。

人の倉止め病治すために、自分が犠牲になりたいか? ってことでして。


そんなの出来れば激しくご遠慮差し上げたい!

え? 言い換えようか?


人の借金百万単位を好んで肩代わりしたいかい?



って誰に言ってるんだ僕は。

うーん。この世界に来てからなんかおかしいな……。

ただ、何がおかしいのかが分からないが。まあ、今はそれじゃないからほっておくか。


それよりも、万能薬か……。確か前に1度、あの方法で手に入れたことがあったけど。


一応、試してみるか。

この世界が『ふりーわ』もしくはそれに限りなく近いのであれば。

今、考えているあのシステムは有効なはずだ。


これがもし有効ならば、今の僕でも万能薬は、手に入る。

そう、手に入るのだ。


「……ちょっと試してみる」

「ふしゅるるる……って、何試すのオサム? 下らないことだったら」

「そのファイティングスタイルはやめて頼むから手を下ろして」


とりあえず、暴れ狂う邪神ではなくクリスをなだめて。

天を仰ぐ。雲一つない快晴。深呼吸。


スライム軍団は止まっているが、助かる。

なにせこれは移動中には使用できないのだから。


「……ふぅ。『おみくじセット、アンドオープン』、……でてきてちょー」


……あ、ついジンクスまで言ってしまった。




……あれ? 何も起こらない。さっすがに『おみくじシステム』は最近のバージョンアップからの導入だからなかったか? いや、あってほしいものなんだが!


あれがあるとないとでは、この世界の生き方がめちゃくちゃ違ってくる。

どんだけ違うかというと、日本史で言うなら弥生時代と縄文時代くらいの差がある。


そんなに割れない弥生土器、簡単に割れる縄文土器に代表されるくらいの差。



というよく分からない思考をしてしまうくらいに、沈黙が、辛いです。

5秒くらいたったけど何も起こらない。


そして、クリスレインの拳が天に上げられる。

顔? 今時点で阿修羅さえも凌駕する……ってHAHAHAHAHA、やめてくれ僕は大真面目だ。


……YABAAAAAAAI!


『ハイパークリティカルストライクっ! アイテムボックスにアイテムを送付いたしました』


ん? おや? おかしいぞ般若の拳はまだヒットすらしてないのに、って。

痛みが遅れてやってくるよ、ってやつか? スタンドですか波紋ですか?


違う! ……そっちか! やっぱそっちか! あったか! あったのか!


神め! どこぞのクイズ大金持ちの司会者のような演出を!

正解までにそこまで長いタメはいらないぞ!

あー死ぬかと思った……、いやまだヤバイ! 説明してない!

アイテムボックス、リストオープン!


はよっ! はよっ! はよおしてええええええ! リストよ! カモン! はよカモン!


今、拳が迫ってるんでええええ――!!

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