ダークエルフ
「何で、あんな不浄な連中を呼び入れるのよ?嫌よ。絶対嫌よ、認めないわよ!」
スンは、感情的になっていた、怒り狂う直前だった。
センシュウは、魔王討伐の恩賞として、シュン帝国西方に領地を得た。その他に報奨金やいくつもの特権、その他を与えられている。そして、亜人の各種族も小さいながらも領地と特権等を彼に与えている。それは、勇者パーティ―のメンバーも同様である。だから、どの亜人達メンバーも、人間の領域に領地を与えられていた、スン・インも同様である。ただ、勇者センシュウ・イチジツと夫婦であるということで、彼の領地に隣接した所が領地となっていた。
そして、彼女は取り合えず、アサマドイの地、センシュウの領地である、でセンシュウが仮住まいしている館、この地の有力者の別邸である、に訪れたのである。そこで彼女は、彼からこの地に、かなり深い、未開拓の森林も多いし、荒れ地も多かったが、ダークエルフを招き入れるというセンシュウの計画を聞いたのである。
「落ち着いてくれ。全ては君と私のため、何軒とエルフのためなんだ。」
と彼女の両肩を掴んで、壁に押し付けるようにして動きを止めて、言った。
「ど、どういうことよ?」
彼女は、疑わしそうに彼女は訊ねた。
彼は、厳しい、そして真面目な顔だった。
「奴らは、エルフ各部族、特にハイエルフを憎んでいる。連中は、それを利用して、彼らにエルフの領域への侵攻の手引きをさせ、協力させようと考えているからだ。分かるだろう、敵の敵は味方なんだよ。」
「で、でも・・・あんな奴らハイエルフ・・・いえ、エルフと認めるなんて・・・。」
「彼らは、俺の臣下として人間と同様な存在に過ぎない。エルフと考える必要はないさ。君の周囲は、君の選んだハイエルフ達で固めればいい。ダークエルフ達は、私の、人間の親衛隊、先兵だ、それだけだ。」
とセンシュウは笑った。そして、
「ただ、彼らをたまたま見る時は優しい顔を見せてやればいい。彼らには、君も絶対守る存在としてさせるから。私にとっては、君が第一で、その次が人間と、エルフと私の領民達だ。」
「もお~。」
と彼女は彼に抱きついた。彼は、少し厳しい表情になり、
「ただ、ハイエルフと言っても油断するなよ。お前に嫉妬する奴らやあいつらに唆された馬鹿な連中が入り込む可能性がある。厳選してくれよ。」
「う、うん。」
と言って体を擦り付ける彼女を、彼は抱きしめ直して、口付けをした。直ぐに自分の唇を強く押し付けてきた。
「う、う・・・いい体の感触だ。それに、この臭いというか匂いと言ってやろうか、匂いがすっかりしみついているな。これもすっかり馴れてしまったな。エルフの匂いか・・・あいつは・・・。考えるべきではないな。」
抱きしめながら、彼女の服の中に手を差し入れた。
「あん。こんな時に・・・まだ明るいのに・・・。ううん~、お部屋でね~。」
彼女は前半は拗ねたように言ったが、彼を離そうとはせず、後半は媚を含んだ口調になって、差し入れた彼の手が動きやすいに体を動かした。
「ふん。こいつは・・・。可愛いじゃないか・・・、これでいいか、俺も同じだからな。」
とすぐさま彼女を、既にとろ~んとした表情になっていた、お姫様だっこして寝室に駆け込んだ。
「全く勇者様は・・・、てあれは、あのハイエルフって?」
「あれが勇者様の奥方のハイエルフよ。」
「う~ん。何かラブラブなのはいいけど、ちょっと過ぎるんじゃないか?」
「まあ・・・、ってもう喘ぎ声が・・・。エルフって本当に淫乱というか・・・。」
「ハーフエルフのあんたがいうことかい?」
と話しているのは、センシュウ・イチジツの仮屋敷で働く人間やハーフエルフ達だった。人間の諸国から集められていた。彼の領地のために、人間の諸国、諸地域から集められていた。戦士や侍女、使用人だけではなく、領民として領地の開拓、農林水産業、手工業、商業などで、人間、ハーフエルフが、それだけではなくハーフのオーガ、オーク、獣人達が集められていた。そして、全員勇者の領民としての特別な身分が与えられていた。
抱きまくったスンがぐったりとなって動けなくなって、満足そうに横たわっているところで、耳元で
「ダークエルフだけでなく、オーガとかでも彼らのような連中を集める。あいつらの杯後をつくようなものさ。全ては、私と君の幸せを守るためだ。その戦いは、もうはじまっているんだ。わかったね。」
とセンシュウは囁いた。
「う、うん。」
と荒い息の中で返事を何とかした彼女に、彼は口付けをした。
「可愛い顔だな。」
と心の底から思った。
「あの俺を殺して、罵った、阿野顔をした女とは思えないな。」
とも同時に思った。




