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勇者よ、それがお前が望んだことなのか?  作者: 安藤昌益


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富国強兵➂

「黄色ドワーフ達もいれることにしたわ。」

 スウが言い出したのは、やはりと同国のハイエルフ達に襲撃されてからしばらく後のことだった。エルフに鍛冶屋はいないことはないが、簡単なことができる程度の者しかいない。片手間にやるといった、素人の趣味に毛が生えた程度の技術、設備だけである。それは、農業よりも著しい。ただし、農業と同様エルフの部族により程度は異なるし、ハイエルフ内でも異なる。ある程度魔法で何とかなる面もあるし、少し込み入ったことになると、その多くの場合は人間に頼っている、領内の。ただ、魔法鉱石や魔法植物などを扱う技術では人間は日々技術を向上させてはいるが、エルフ独特の魔法もあって、一歩も二歩もドアーフの方が優れている。そのドアーフは、聖樹など特別な木材、樹液や植物の供給をエルフに頼っている。だが両者は、那賀が悪い、エルフとオーガの仲ほどではないが。だから、ダークエルフを除くとドアーフがエルフの領域に居住することはない。ハーフドアーフであってもだ。ただ、人間の都市内での居住は認められる場合もあるにはあるが。

 スウの領地は、センシュウの領地と隣接している。彼の領地には、黄色ドアーフが当然いるから、ドアーフの作る魔法具の供給でそれほど困ることはないが、やはり近い所に彼らの攻防が小規模でもあった方がいい。それは分かっているが、センシュウの領地の発展具合を見ると・・・でも躊躇してきた。エルフとしての誇りというか、感性が邪魔をしていたのである。それも、溶けたということである。エルフの鉄砲隊も、自分の領内で導入することにした。

 センシュウとしては、少しでもスウの領地で富国強兵が進めばそれだけでも歓迎すべきことだった。


 オーガの領域内の領地にはついては、流石に彼女は不在地主を決め込んでいたが、その領地の管理はセンシュウにいたくしていたから、オーガの血では、2人の領地全体でグリーンオーガ、人間、ハーフオーガが領民となり、彼の元で富国強兵が進んでいた。


 では、彼の領内は全て順調かというと、かならずしもそうではない。領民は人間もダークエルフも平等といっても、両者間での紛争は後を絶たない。他の味田達とも同様である。過去3度の体験でスムーズに問題は解決できるどころか、次々に新しい問題が発生してくるという状態なのだ。それでも、富国強兵は着実に進んで気いる。

 人間界の中ではどうかというと、次々に問題が発生している。エン・チュウらと相談し、不満をよく聞き、状況を無性格に調べた上、時には改善し、時には寛大な、時には厳しく断罪してきた。領内外でのこともあるが、大聖女アケ・ボノボと協力して各国と調整、対処している。


 問題は、この富国強兵が亜人達が察してしまうと困ったことになる。ただ、直接な軍事力の増強、軍隊の数の増加ではないため、亜人て地はあまり認識はしていなかった。前々回は、全く気が付かなかったから、今回も築くことはないだろうと彼は一応は安心はしていたが、念には念を入れて亜人達の動向を調べ、慎重に動いていた。


 幸いなことに彼らは気がついてはいなかった。彼らは、自分達が準備をより進めていると思いこんでいたし、イチジツが肝心の戦力の準備を怠っている、自分の力に過信しているからだろうというふうに考えていたのである。自我自尊さえしていたのである。彼らには、国力の増加が恭平につながるとは理解できていなかったのである。

 とは言え彼らも、ダークエルフ等の軍の編成、訓練は多少は把握してはいたし、人間の諸王国、共和国軍備を大幅に減らした、平和ボケになって警戒を解いたということはないということも知っていた。それでも、自分達の方が、謀略でも、軍備でもはるかに進んでいると考えていた。

「後は魔王の復活をどうやって行うかだ。」

という声が聞こえていた。


「実際、あいつらは魔王をどうやって復活させたのか、どうしてもわからなかったんだよな。」

 センシュウ・イチジツは、大聖女を前にして呟くように言った。

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