富国強兵
亜人達との全面戦争は絶対避けられない、とセンシュウは亜人達の指導者やかつての仲間達と話すたびに確信を強めていた。もちろんね彼らは戦いなど望まない、平和共存こそ自分達の求めるところだと、笑みを浮かべて言うが、彼らが他種族について言う内容は、彼らがそれを望まないということを感じさせるものだったし、少し調べればその事実が次々に露わになっている。それに、彼らがどこで、どのようにして準備をし始めている、しているかは、彼はよく知っていたからである。
「奴らが、共存など考えないことは、2度目の時でよく分かっていたことではないか。」
今回も、絶対そんなことは望まないだろうと、さらに万全な体制、犠牲をより少なくするための、整えよ干支していたわけだが、心の底では今度こそ分かってくれる、エルフと人間との平和共存が、提携関係が成立している、自分達の愛を見ればわかってくれると期待していたことを改めて感じた。
「未練だな・・・。そもそもこいつともそうなんだしな・・・。」
そんなことを考えながら、彼がやっていたのは、
「ああん~。本当に胸が、乳房が大好きなんだから~。」
とスウ・インに喘ぎながら、体を波打ちしながら言わせる行為だった。
「胸だけが好きなわけではないよ。」
と言って、顔を彼女の下半身へと移動させる。
「ああ~ん。そういうことじゃない~。」
と彼女に腿で自分の頭を挟ませて言わせる行為に移る。彼女を何度か軽く痙攣させてから一体になり、2人で競うように腰を動かし、彼女が何度も絶叫して、痙攣して完全にぐったりした体に精を注ぎ込む。そして、彼女を上にして、また、抱きしめ合う。
「そろそろ子どもがほしいな。」
「うん~。」
と嬉しそうに答える顔は可愛いと彼は思ったし、彼女も彼との子を孕むことを心から願っていた。これとても、ある意味富国強兵策だった。エルフは寿命が長い。人間は獣人たち、神獣系は除くと、よりも寿命が長いし、実はドアーフと大して差はない。エルフは、特にハイエルフは竜人族よりも、有翼族よりも寿命は長いくらいだ。ただし、体が弱く風邪などであっさり死ぬ場合も少なくはないし、それ以上に妊娠しずらい。人口は長寿、長くいじされる若さと体の虚弱さと孕みにくさで均等しているといえた。ダークエルフのエン・チュウとの3回の人生でも、彼女とは子供がなかなかできなかった。
二人の子が勇者の素質を引き継ぐ可能性は小さい。エンとの子達もそうだった。しかし、強い連中として巣立った。それだけでも十分な戦力だし、もし仮に勇者の資質を受け継げばさらによい。だからこそがんばっているのである。それは彼女も同様だった。ただ、2人ともこの行為自体が好きだからの方が理由としては大きかったが。
もちろん、次期勇者の誕生、自分の子以外の、の発掘に努力はしていた。亜人達も、新しい勇者の誕生には用心していたし、神経を使っていた。最初の時、上手く彼を殺した時、彼らの巫女達が予言すると、その該当者を探し回り、それらしい人間達を殺しまくった。
二回目の時、うまくかれらの暗殺をかわした時は、前回の彼らの行動も考慮して、ちゃんと調べておいた、素早く新しい勇者の候補を探して、確保している。3回目の時はさらにうまくやった。今回は、経験に磨きをかけて、産まれる前から用意させていた。
自分達の巫女達の予言を受けて、未来の勇者となる者が生まれる村を襲撃しに来た連中は上手く返り討ちにした。ただし、一度危ない時があった。
「さあ、新しい勇者の候補者を安全なところに・・・?・・・ん?」
エルフの領域、竜人族の領域に近い人間の村で、新しい勇者が誕生した静という、センシュウの指示で彼とともにスウ・インは駆け付けた。その赤ん坊、彼が言うには新しい勇者、を確保することができた。が、その村に到着3日後、多分竜族の暗殺者の襲撃があった。直ぐに保護、移動すればよかったのだが、両親やその周辺への説明、説得が、さらにはそこを収める領主、さらに国の代官との交渉が必要だったからである。それに、襲撃は予想できたから、直ぐに新しいやウ社候補者の赤ん坊を連れて出たのはいいが、彼の故郷が蹂躙されては後々恨まれると彼が主張したからである。
その竜人族の襲撃部隊には、センシュウが部下達を率いて迎え撃った。
念のためということで、インはその赤ん坊とそれを抱く母親、傍らの父親、産婆などの所に、部下などとともに残った。
そこにエルフの襲撃隊がきた。これは想定内だった。10人くらいである。自分がいるし。部下達もいる。心配はないが、新勇者候補親子を奥に非難するように指示したのだが、赤ん坊を抱きしめている母親の顔が引きつっていることに気が付いた。
急いで振り返り、同時に短剣を抜いて身構えた。目の前に、懐剣が迫っているのが見えた。
カキ―と、それを短剣で受け止めて、すかさず相手の腹に蹴りを入れた。
「きゃあ」
と言って相手は吹っ飛んだ。
「どうしたのよ?」
彼女が蹴り飛ばした女は、彼女の侍女の一人だった。彼女だけではない。自分の他の侍女達、護衛の騎士が襲撃グループに加わっていた。
「汚い亜人達にそそのかれたのかしら?」
インはも素早く態勢を整えて、言った。
「人間に身も心も売った汚れたダークエルフの血が入ったハイエルフの偽者にそんなこと言われたくはないわよ。」
彼らの1人が罵る様に言った。全員ハイエルフであり、彼女の同部族の者すらいた。彼女の両親はハイエルフであり、どちらも代々の名門貴族である。とはいえ、ハイエルフは互いに、ダークエルフ或いは人間、他の亜人の血が入っている家系だと罵り合うことが多い。排他性が強いというハイエルフだが、程度の差はあってもその傾向はあるものの、ハイエルフの部族国家内に他のエルフ族だけでなく、人間やハーフエルフ、そちらの方の人口が多い、も居住させているように、意外に人間などとのかかわりも多いし、実際は人間の血の入ったハーフエルフ、ハイエルフの血が濃い場合が多いが、を受け入れていることも、本当は多い。彼女の部族はどちらかと言うと平均的な方である。それ故に、このような悪態は、ブーメラン的な効果があるのではあるが。
彼女が言い返そうとして時、
「奥様に何をする気なの?」
「恩を忘れた裏切り者!」
「似非ハイエルフどもが。」
「奥様を守れ。」
と大声を上げて、彼女と襲撃者の間に割って入った者達がいた。さらに、奥のドアが空いて、
「奥様。大丈夫ですか?」
と入ってきた者達もいた。
ハイエルフもいたし、解放奴隷のハイエルフもいたし、人間、ハーフエルフ、ダークエルフもいた。
「臆するな。やれ。」
との声が上がった。人数的には、襲撃者の方がかなり多かった。それでも、彼女は、
「あなた方は勇者候補親子を守って奥にいきなさい。」
と2名を割いた。そして、
「行くわよ。皆殺しにするわよ。」
と言って、自ら襲撃グループに向った。まずは、強風を起こして、彼らも同様な魔法を放ったが簡単に押し返された、相手側の陣形を崩すことを忘れてはいなかった。
「全く・・・。あんたの一族は、皆殺しよ。」
彼女の参戦は、襲撃グループの予想以上に圧倒的だった。
「全く、かりにも魔王打倒の勇者パーティ―にエルフから選ばれた私の実力が分からなかったのかしら?」
ゼロ距離の無詠唱魔法で、彼女を襲う者は吹き飛ばされ、焼かれ、さらに彼女の短剣で切り裂かれ、蹴りで叩きつけられたし、彼らの放つ魔法は簡単に弾かれ、相殺され、中和されてしまった。
「それとも、私が強くなったのかしら?旦那様にいっぱい愛されて?」
とも思ったりした。彼女を守ろうとした面々も、多少のはずを負った者達もいたが、自分が空いてした連中を倒していた。短時間で全てが終わった。
そして、まだ生きている自分の同部族出身の侍女に向って、脅し付けるように声をかけた。侍女は何か言い返そうとしていたが、声が出ないようだった。彼女は本気だった。
「大丈夫か?イン?」
と竜人族のの襲撃弾を一掃、潜伏している連中がいないか、別動隊がいなかったか確認して、戻ってきたセンシュウが開口一番に言うと、
「あ~ん。怖かった~。私の侍女達が裏切ったの~。」
と彼女は彼に飛びついた。彼は、彼女を優しく受け止め、抱きしめた。




