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アラクネと黒髪ボッチ(改作)  作者: 雷誅 萬刃
11月 終わりゆく生活
24/28

誅九族(後編)

お待たせしました。


「お前が!そんなんだから!!そんな目に遭うんだよ!!どうした?感謝の言葉がないぞ!?」

「間違いを修正してくれてありがとうございます!さん!はい!!」

「ぐぉぉぉぉっ!!」

「違うなぁぁぁぁあぁぁぁあ!!違う!違うぞぉぉおぉぉお?」


 あーあ、こいつがまともに喋れないせいで両手がボロボロだ。


 まだまだ痛めつけたかったのに……俺の手がこれじゃあしばらく痛めつけられな


 ……あぁ、そうだ。居るじゃないか。隣にそんな状況を解決してくれる愛しい人が。


「白露……」

「はい、きれいー」

「ありがとう。さて……最後にお前に改心のチャンスをやろう」

「お前には言うべき言葉があるはずだ。そうだろう。言え。さぁ!さぁ!!さぁぁぁぁあ!!」


 眼前に迫り、大きな声を出す。こんなに大きな声が出せるなんて思ってなかった。


 あるいは、力を貸してくれてるのかもしれない。こいつのせいで死んだ悪霊達が。


 唇を震わせ、必死に涙を堪えこちらを見上げている。怯えているのか?


 よくもまぁそんな顔ができたものだな!お前が!お前がお前がお前が!お前のせいだ!!


「言うべき言葉……?そんなもの、あるはずがない!俺は、この世界の頂t」

「……ただ待っているだけじゃあ芸がないとは思わないか?」

「そこで、俺は一分ごとにお前の足の指を潰すことにしたァ!」

「足には神経が集中しているからなぁ、痛いだろうなぁ?まずは小指から!59……58」

「ッ!!」


 破滅させた人達への謝罪をしたところで助ける気はない。消すことは確定してる。


 だからこれは完全に自己満足だ。こいつが俺の溜飲を下げることが出来たなら……


 その時は痛みなく消してやろうとも。人として殺してやるさ。


「30……29……28……白露、300ミリ」

「はい、どうぞ」

「ありがと。15……14……」

「ッ!?!?」


 焦ってやがるなぁ。脂汗までよぉぉおぉぉぉく見える。


 まさか、俺が素直に一分待つとでも思ってるのか?あ〜、あと10秒か〜。


「ッ、俺はッ!世界の頂点ッ!!何を前にしたとて頭を垂れることなどないっ!」

「そうかそうか、お前はそういうやつなんだな」


 こりゃあ“本物”だ。はっ、はははっ!最後に笑わせやがって


 ──尚更有ってはならない。


 まぁ……俺は改心の機会をやると言っただけだ。ハンマーを大きく振りかぶって──


「ッ、待て!やめろ!やめろやめ」

「おらぁぁあぁぁぁあ!!」

「ぁぁあぁぁぁぁぁぁあっ!!なんっ!なんでぇぇぇぇえ!!」


 小指に向かって振り下ろした。ありゃま、一気に二本も潰しちゃったか。


 ま、あと8本あるし別にいいか。


「あと八本……頑張ろうな」

「あっ……あっ……うわぁぁぁあぁぁぁあ!!」


 ふぅ……いい感じに仕上がってきたなぁ。やっぱり足の指潰すのはよぉおぉく効く。


 さて、そろそろ時間も無くなってきた事だし、仕上げと行くか。


「白露、耳貸して?」

「……うん……うん。なるほど。任せて」

「ありがとう。毎回ごめんね」

「君に頼られるのが大好き。だから、たくさん頼ってね」


 なんていい彼女なんだ。


 自分の不始末の手伝いをさせるカス彼氏をこんなに立ててくれるなんて


 ……成し遂げないと。こいつを、跡形もなく消し去る。どう消し去るかは悩んだ。


 だが、これに落ち着いた。そう、白露の毒液である。蜘蛛は消化液で獲物を消化する。


 白露は異世界産の超大型哺乳類もこの消化液で溶かしてきたわけだ。


 そして、今目の前にあるこの間違いも、タンパク質の塊である以上、容易く無くなる。


 そう、綺麗さっぱりと、な。間違いなんて初めから無かったかのように、さっぱりと。


「死体も!魂も!怨念も!何も残させない!!消えてなくなれぇぇぇぇぇぇ!!」

「ぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁ!!」


 最後の最後まで絶対に死なせない。ゆっくり、ゆっくり蝕まれろ。


 喉が潰れたのか絶叫が掠れてきているようだ。そんな程度の苦痛じゃだめだ!


 こんな楽な死に様じゃ破滅した人達が浮かばれない!!


「最後の最後まで死ねると思うなよ!お前は最後の最後まで苦しんだ後に消えてなきゃいけないんだ!!」

「カヒュッ──」


 もうだいぶ溶けてきている。足からかけてよかった。まだ上半身が残っている。


 恐怖の顔だ。本当に最後の最後まで間違えるやつだ。お前にその顔をする資格はない。


 今までこいつが破滅させてきた人間には行方不明になってるのも居るのだ。


 きっとその人達も同じような表情をしてただろう。


 それでもなお追い詰めて破滅させてきたお前に!その資格はない!


 憤怒の表情……良くもそんな顔が出来たものだ。その資格は無いつってるだろ!


「お前は今まで自分がしてきたように!足蹴にされて死ぬんだ!!」


 大きく跳躍し、片足を大きく上げ重力加速度に従って加速する踵を頭に落とす。


 痛みで動かない体を無理やり動かし頭に近付く。


 ぐちゃぐちゃに潰れているがまだ脳みそと頭蓋骨が原型を保ってるっ!!


 早くぐちゃぐちゃにかき乱さないと!肉片も全部全部まとめて消し去らなければ……!!


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 気が付いたら炎の前でへたり込んでいた。やった……やったんだ……!!


 どうやら燃やしたらしいな。どうやって火を用意した?いや、どうでもいいか。


 俺はやり切ったんだ……遂にあれを消し去ったんだ。


「ははっ、はははははははっ!!死んだっ!死んだぞぉぉぉぉぉぉ!!ははははははははっ!」 「はっはっはっはっはっ!!はぁ……はぁ……はははははははは!!」


 終わった……遂に終わった……でも、もうお天道様の下には戻れない。


 ただ気に入らないという理由で俺は沢山殺した。白露を使って俺が殺した。


 俺が死なないようにするにはああするしかなかった……なんて虫のいい事は言わない。


 でも、殺したやつらはあれ(・・)をのさばらせた一端を担ってた。


 それが巡ってきた。いつかは起こることが今起こった。悪く思うなよ。


次は1週間後です。

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