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アラクネと黒髪ボッチ(改作)  作者: 雷誅 萬刃
11月 終わりゆく生活
20/21

飢餓

お待たせしました。


「ヒハッ!!クックックッ!お前に当てる物差しを間違えていたようだなぁ!この化け物が!!」

「ぁ……ぁあぁっ……!!ぁぁぁあぁぁぁあ!!」

「まさかこんな化け物の隠し撮り待ち受けにしているとはぁ!グヒヒヒヒヒ!」

「女に困ってるからってこんな化け物に走ったのか?おぉ?惨めだなぁ下等生物は」

「下等生物相手には法律(建前)への配慮はいらない。まともな死に様になると思うなよ」

「かえ、せ……かえ……せ。それは、お前なんかが……踏み込んで、いいものじゃ」


 下等生物だと?まぁお前みたいな性根の腐ったカスには分からないか。愛情は!


 そんなもんお前みたいなカスは感じること無く終わっていくんだろうさ。


 白露は、料理なんてしたことないだろうにいつも俺に食材を加工して渡してくれて


 娯楽なんてなかっただろうに俺が楽しめそうな物を選んで誘ってくれて、


 初めての俺でも楽しめるように夜にリードしてくれて、


 辛そうにしてるときは寄り添ってくれて、俺の意志を尊重してくれて、


 俺が寂しくないようにこんな動画までなれないスマホを使って撮ってくれて、


 慣れない習俗までおも合わせてくれる最高の彼女だ。


 ま、表面的……ああ、外見の良さも分からんみたいだし表面的な事も分かんないか!!


「あはははっ!いかにもモテないやつの考えそうなことだよねぇ!」

「れ……」

「ん〜?聞こえないなぁ。遂に言語能力まで無くなっちゃいまちたか〜?」

「異分子を排除して社会を導くのもまた、人の上に立つものの使命だ。安心して死ね」


 うるさい……耳が腐る……見え透いた挑発しやがってこんな挑発……


 乗るに決まってるだろカス共が!!


 こいつらみたいな性根の腐ったカスは性根を叩き直さなきゃいけない!


 俺とお前達とはくぐってきた修羅場の数が違う!ぶちのめ──


「座ってくださーい」

「気を付け、礼!」

「「「「おはようございます」」」」

「はい、今日──」


 授業なんて身に入らない。あのカス共をぶちのめしたい!


 何に許されなくてもいい!あのカス共に目に物見せてやる!!


 溶かすにしても燃やすにしても埋めるにしても|捜査網に引っかかってしまう《無理がある》だろう。


 どうすれば殺せる?くそ、完全犯罪が簡単なら警察はこんなに幅を効かせてないか。


 証拠品に自分の痕跡を残さない方法……全身焼き尽くすか?


「気を付け、礼」

「「「さようなら」」」


 やっと終わった。寝ないと……寝てやり過ごすんだ。


 情けないっ、もう体が限界だ。体力を節約しなければ……。


「そんなに急いでどうした?まさかあの化け物に会いに行くのか?楽に死ねそうだしな」

「……」

「楽になれると思うなよ」


 相手にするだけ無駄だ。そう、さっきはついカッとなってしまった。


 が、今すぐ殺せるわけじゃないんだ。無視しろ。


 こんな安い挑発に乗って事を荒立てて警察にマークされたら色々動きにくくなる。


 抑えるんだ。


「あぁ、そうだ。この魔物は俺が討伐する。嬉しいだろう?お?」

「……っ!!彼女はお前なんかが触れていい存在じゃない!俺の耳が腐る前に口を閉じろ!」

「誰が口を訊いていいといったぁ!!新世界の神を前にしてその態度、万死!」

「ぁ、がっ……ごっ!!」


 頭を机に打ち付けられた。こんな事をこんな場所でやって誰も気にしないのか?


 誰も気にしていない。そんなにこのカスが怖いのか!


 そんなんだからこんな性根の腐ったカスがのさばるんだ……!!


 殺らなければ殺られる……俺が先に殺るんだ……!!


「何だこの千円札は!この世の金は俺が全て貸し与えているもの!!」

「お前のようなエラー品に貸し与える金などあるものか!」

「か、ぁっ、ごふっ!」

「ふん……身の程を弁えろ!」

「流石誠也様、かっこいいですぅ〜」


 頭の悪い女の声が遠ざかっていく。耳が腐るだろうが……!


 クソぉ……立てない……腕に力が入らない。め──し食わ──せろ──


 ろくに物を食べられてない……早く寝なければ……餓死が……餓死が見える……。


 少しでも体力を温存しないと……。


「はぁ……はぁ……」


 お腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹す──い──


「……」


 フラフラする。体がさっきから──お腹すいた──いろんな所に当たって


 ──お腹すいた──痛い。まだ、歩──お腹すいた──ける。


 目が見え──お腹すいた──て動ける。なら、学校──お腹すいた──に居ないと。


 勉強して金持ちに──お腹すいた──なって……


 一生白露を隠し通──お腹すいた──さないといけないんだ……!!


 こ──お腹すいた──んな、こんなと──お腹すいた──ころで投げ出


 ──お腹すいた──してたまるか……!!


「はぁはぁ……っぷっ!オロロロロロ……!はぁはぁ……」


 必死に手を動かして食べた飯をトイレで吐き、諸々済ませ、バス停に向かう。

 体が、動かない……さっき吐く時も大分辛かった。


 食べてないならこうもなるか……ははっ、餓死も現実的になってきたな。


「はぁ……はぁ……くそ……」


 飯……肉……米……にんにくと野菜マシマシのラーメン……


 これ見よがしに食堂並べやがって。なんでもいいから食べたい。


 意識も朦朧としてきた。あぁ……木が美味しそうだ。本格的にまずい。


 食べれるならなんでもいい……食べさせてくれ……。


「何かと思えば下等生物じゃないの!あっち行きなさい!しっし!!」

「なんで制服なんて着てんの?お前が制服なんて着ていいわけないじゃん。脱げよ」


 あぁ……あるじゃないか。食べられるものが、こんなにたくさん……



次は1週間後です。

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