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第2話「自殺者N・その2」

制服に損傷はない。

ボタンから石和南高校であることが分かる

差してから着させたのか、偽装でやったのだろう。

あたりを見渡すが、血の跡はない。

殺してから吊るすために持ってきたのだろう。

首を絞められたうえで刺殺、そして自殺に偽装する。

だいぶ残忍だな。


ここで確認できるものはもうない。

私は死体を車に運ぶ。

死体を抱えた。

軽い。

男子高校生の平均体重は60キログラムくらいのはずだ。

確かに肌を確認したときに肋骨が確認できるほどだった。

40キログラムあるかどうか。


道路から見えないように、死体を下ろす。

そして車から死体袋を取り出し、その中に死体を入れる。

「今日は出たのかい?」

後ろから老人男性の声がした。

「ええ、そうなんですよ。信さん」

私は振り返り、信さんに言う。

杖を持ち、今日はベージュのズボンと、チェック柄のシャツを着ているようだ。

「この森で物騒なことはやめてほしいねえ。ただ、静かな森であってほしい」

信さんは木の間から漏れる光を眺めながらささやく。

「そうですね、そもそも物騒なことはやめてほしいんですがね」

私は死体を車に積む。

「全く、その通り。今日も、仕事してくれてありがたい」

「それでは、私は行きますね」

私は運転席に乗りこむ。

「ああ、頑張って」

車を発進させ、病院へ向かった。


検案と検視の手続きを終え、今度は警察署へ向かう。


樹海探索課の部屋で、第一報を書く。

男性、15~18歳ほど、身元不明、富士河口湖町精進の青木ヶ原樹海の中。

複数の刺し傷と首にあざあり。木につるされた状態で発見。

報告書を書き、警部に提出する。

警部は報告書を受け取ると、内容に驚いたようであった。


さて、調査を始めよう。

まずは遺体がだれか特定する。

今回の手がかりは南笛吹高校だ。

早速電話をかける。

「はい、石和南高校です」

「もしもし、山梨県警です。調査でこれから一時間後ほどに訪問しますが、対応できますか?」

「・・・どのような調査でしょうか」

「詳しいことは伏せますが、身元の特定です」

「少しお待ちください」

保留音が流れる。

「お待たせしました、来たら事務所に大山教頭に用があると伝えてください」

「分かりました。それでは」

私は電話を切り、高校へ向かった。

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