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ぶち切れ聖女は激マズポーションを置き土産に逃亡する  作者: 嵐華子@【傾国悪女】3/5発売予定
2章~魔国での生活

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35.責められない~ガルヴァウside

「解呪ポーションを作れるのがフィーだけで、在庫もない事に関しては、王族としては悩みどころだよ。でも皆、ある意味ほっとしてる。フィー特製の【激マズ青汁苦甘辛特製栄養ゲロドリンク】は飲みたくないし、小さな子供は間違いなく飲めないって言ってるから。ああ、私達王族だけでなく、神官長もね」

「まあ……だろうな」


 カリエルは顔を伏せたままだから表情を窺い知る事はできない。


 だけどカリエルは今、間違いなく自分が飲まされた味を思い出して戦慄してるに違いない。体が小刻みに震えている。


 正直、俺は飲んでねえからどんな味かわからねえが、アレを飲んだ後に再び飲みたいと思う奴はいねえ気がする。


 いたら相当な味音痴だ。


「ところでテレヌ嬢、いや、テレス? あれ、どっちがどっちだっけ?」


 今回の呪い事件を引き起こした張本人の名前を口にしたものの、名前と家名が似ていてややこしい。


「テレス=テレヌだよ。家名がテレヌ。兄上……第一王子との婚約は王家側から破棄したけど、今はまだ公爵令嬢だよ」

「本人も父親のテレヌ公爵も投獄されてんのにか?」

「今、王家の力を総動員して、テレヌ公爵家を調査中だ。テレヌ公爵家が調べれば調べるほど、色々な不正に関わっている証拠が積み上がってる状態らしくてね。家の令嬢が王族だけでなく、神官長まで呪っていただけでも厳しく連座を問われ、降爵処分は免れないけど、この状況じゃテレヌ公爵家も併せて取り潰し。テレヌ公爵も令嬢も処刑される」

「なるほどな」


 カリエルの話にふんふんと頷く。


「テレヌ嬢による呪い事件が判明してから、まだ一ヶ月半だ。元々国王陛下の体調が万全だったなら、既に沙汰は下せていただろうね。けれど国王陛下は伏せっていた。王妃陛下が国王陛下と相談しつつ、臨時で決定権を下していたとはいえ、貴族が政治の主導権を握っていたような状態だ」

「そうか、その主導権を握ってる貴族の中心人物がテレヌ公爵だったと」

「そういうこと。王妃陛下の実子である第一王子も、今でこそ呪いのせいで精神的に異常を来してたことが判明したけれど……」

「まあ、未熟な暴君て感じだったもんな」


 言葉を濁したカリエルの代わりに、真実を口にした。


「私が幼い頃、まだテレヌ嬢と婚約する前の第一王子はね、悪い人ではなかったよ。まだ十代前半だったから、年齢なりに融通が利かない部分はあったけど、私を弟として気遣ってくれていたんだ」


 するとカリエルが苦笑しながら、そうフォローする。


 いや、フォローというよりは、それが真実なんだろう。


 妹によって呪いの芽を吐き出した第一王子は、暴力的な言動を取る事もなく、自分から謹慎を申し出た。


 カリエルの話によれば、解呪後の第一王子は数週間謹慎し、テレヌ嬢との婚約を破棄したいと申し出たそうだ。


「だから第一王子が日頃からお前にしてた暴言を許したのか?」


 婚約者だったテレヌ嬢にベタ惚れで、自分の私費に止まらず、国庫に手をつけんばかりの勢いで貢いでたのは、俺達学生の間でも広まってたくらい有名な話だ。


 国庫に関しては王妃がしっかり守ってたらしく、思い通りにならないと知ると今度は第二王子であり、半分血が繋がった弟の私費に目をつけ、横取りしようとしてた。


 それを防いでたのも王妃だ。


 こちらも思い通りにならず、第一王子の見境のない身勝手な言動から、まだ一部の貴族達からではあったものの、見限られ始めていた。


 王太子はカリエル第二王子がなるべきではないのか。


 たまにだったが第一王子が王太子として、学園の行事に顔を出す時、決まってカリエルにきつく当たってんなと思ってたが、どうやらそんな囁きを耳にした第一王子はカリエルを逆恨みしての事だったらしい。


 呪いが解呪された後、憑きものが落ちたように穏やかになった第一王子は、カリエルに謝罪したとカリエルから聞かされている。


 もしカリエルが回帰してなかったなら、許せたかもしれねえが、回帰前のカリエルは呪いを解呪される事もなく、ベッドから起き上がれないくらい衰弱した。


 そんなカリエルの命を第一王子は狙い、結果的に俺が妹に頼んでカリエルと結婚させ、自領に匿っていたらしい。


 俺には回帰前の記憶はねえけど、カリエルにとっちゃ衰弱したのは呪いじゃなく、原因不明の病って事になってたみたいだし、訳がわからん内に衰弱して、弱ってたとこに命を狙ってきた相手だ。


 第一王子の暴挙の理由が、いくら呪いだったからっていっても、許せるもんなのか?


「私には第一王子……兄上を責める資格なんてないよ」

「なんでだ?」

「だって……私は兄上と同類だよ。話しただろう? 回帰前、私は君と父君を処刑し、カミュリッチ家を滅ぼした挙げ句、テレヌがフィーを殺すのを止められなかった。ガルヴァウは覚えてなくとも、フィーは覚えてる。フィーに『呪いのせいだったんだ、ごめん』と言えば、許してもらえる? フィーが魔国から帰ってきて、私の求婚を受け入れてくれると思う?」

「それは……」


 思わず言葉に詰まった。


 断言してもいい。妹は絶対に、もう二度と回帰前のようにカリエルとの結婚を承諾なんかしない。


 ただカリエルのこの言葉で、俺はカリエルの中にある事を確信した。

いつもご覧いただき、ありがとうございます。

相当な味音痴は……魔国にいます!


今日の更新は間に合わないかと思いましたが、間に合いました(*´∀`)

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