もう一つの結末
あたしは、首切り役人ちゃんを伴って、ふらふらと彷徨っていた。断罪ちゃんがどこに行ったのかもわからない。だから無目的に歩くしかなかったのだ。
そして辿り着いたのが、始めてみる建物。十字架とかあるから、教会かなんかだろうか?よくわからないが見慣れない建物。
「はいろっかぁー?」
「そうですね!!!」
二つ返事で首切り役人ちゃんの承諾を得る。
本来はそこにあるはずがない建物。だからこそ。何かがそこにあるようで、あたしたちは導かれるように中へ入っていった。
門は壊されていて、中に入るのは容易だった。
そして、中に入った途端。
「アレは……?」
金属同士がぶつかる甲高い音が鳴り響く。それも一度だけでなく、何度も何度も。
真っ直ぐ前を見ると、誰かと誰かが、剣戟を交わしている。
小さな影と、大きな影。
中に明かりは灯っているものの、いくらか消えていて、薄暗い。そのおかげであたしたちがバレていないともいえるが、壇上の影が何者かもわからない。
けれど。
ただの直感だ。根拠なんて何にもない。でも、なぜだか私には分かった。
「断罪ちゃん……」
首切り役人ちゃんはおとなしく後ろで待機している。そのままそこで待っているよう言いつけ、私はもっと近づき、彼らがだれか見えるくらいの位置に陣取った。
いつの間にか剣戟は止み、あいつが壁に追い詰められている。断罪ちゃんは、なにか問い詰めながら、一歩ずつ近づいていく。
いや、何か、ではない。
静かな教会の中では、その声は響き、あたしのところまで流れてくる。
今がチャンスだろう。あいつが動く気配はない。
あとは、断罪ちゃんが仕留めるだけだ。どのようにここまで持ってきたかあたしにはわからないが、あたしのやりたいことはただ一つ。
万が一でも避けられないように、天井すれすれにゆっくりと刃を形成していく。暗殺するなら、素早くするよりもゆっくりしたほうが意識に止まりにくいものだ。
こっそり作業を続けているうちに、あたしの名前が聞こえてきた。
「ん?何の話を……?」
あまり興味なかったが、自分の名前が出るとあれば思わず耳を傍たててしまう。聞くと、あたしが優しいとかなんとか。恥ずかしい。
「でも残念。あたしは優しくないからさぁー?」
断罪ちゃんは、倒れたあいつとぴったりくっついている。しかし、チャンスとしてはこれ以上の物はない。
だから。
「……断罪ちゃんごと、殺す」
ダン――――ッ!!
ただ一つ、大きな音が、教会の中に響いた。




