ゴウマンなユメ
全ては偽り。私などどこにもいない。
ゆえに。
私の中に答えはなかった。
どれだけ探したって、何も見つからなかった。
当然だ。
そんなもの、元から存在しないんだから。
でも、私には答えを探す必要があった。
己の伽藍洞を満たす必要があった。
空っぽを、誰かで埋める必要があった。
自分ではない、別の誰かで。
抜かれた存在意義を求めて、誰かが奪った誰かの願望を横取りして。
知らない夢を、他でもない自分の物とした。
それは、別に一般的に幸福でもない、ただの夢だったけど、「彼女」にとって、それは幸せで、それすらも私は自分のモノにした。
贋作。
強奪者。
ニセモノ。
空虚。
自分じゃない自分で私を満たした、私は。
ああ、なんと愚かなことか。
ああ、なんと傲慢なことか。
そんなもので、満たせるはずもなかろうに。
ほら、今も。
他者から奪った経験は、己の糧となったか。
他者を真似て作った自分は、「彼女ら」の理解に役立ったか。
全ては己の絶対的な尺度。奪ったモノでは何も共有できない。
傲慢に自分が絶対だとした愚か者は、されど。
それは誰だったか。私か、貴女か。それとも貴方だったか。
答えなど決まっている。
それは、なにも顧みやしない、わたしとあなただったろう?
ここでは、何も理解しえない、あなたとわたしだったろう?
――それでも、私は貴女を覗き見たのだ。




