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緋色の眼を持つ少年  作者: カモメ
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緋色の眼を持つ少年第五十七話


『和美くん…

やっと私の元に来てくれたのね。』


そんな美由紀さんから

瑞代ちゃんを庇うように

立ちはだかるように咆哮を精一杯あげるチョコ…


美由紀さんは、眉をひそめ如何にも煩さげにチョコを見下ろし…


『そんなに、この子が心配なら一緒にアッチに行きなさい!

もう…この子は邪魔なだけ…用無しよ!』

と、チョコを蹴りあげた。

それでも…

チョコは美由紀さんの前に立ちはだかり咆哮をあげている。


後ろに人の気配がした。


振り返ると何時もの様に青いツナギで、真っ白な髪を後ろに束ねた


透さんが立っていた。


『和美…

チョコは、この女の子を飼い主と認めたみたいだな?』

えっ…

それを今、この時に言わなければ行けない?

しかし…

いつの間に、僕の後ろに立ってたんだ?


そんな、僕らの疑問など

お構い無く…


『美由紀さん…久しぶり…』と美由紀さんに声を掛けた。


美由紀さんは…

『久しぶり?…』

と、戸惑いの表情を浮かべる。

そんな美由紀さんから眼を話し…

瑞代ちゃんを抱き起こした。

『和美もこの子も君には関係ないだろ…

ほんの少しの辛抱だから…待っててくれる?』


何故か美由紀さんの

後ろから吹き出てた。あの禍々しい光が鳴りを潜めている。


戸惑う僕と美由紀さんを尻目に透さんは、瑞代ちゃんを抱き抱えて部屋を出ていく。

呆気にとられながらも後を追うように駆け出す。

僕が階段を降り玄関を出たとき…

既に軽トラの助手席にまだ…意識の戻らない瑞代ちゃんを乗せていた。

駆け寄るチョコを瑞代ちゃんの膝に乗せてやり…

静かにドアを閉め…

振り返り際に…


『和美…遂に時が来た。

決着をつけねばならない。是非…お前には…

見届けて欲しい。』


と、玄関…即ち僕に向かってきた。

意味も理解出来ず…

木偶の坊のように突っ立ったままの横を通りすぎる…ほんの一瞬…

僕の頭をくしゃくしゃて撫でた。


透さんは何時もの透さんだ。

見届けて欲しいと言われた事は少しの気掛かりだが…透さんの後を追い…

洋館の中に飛び込んだ。


玄関脇の階段を…

埃をたてながら美由紀さんの部屋に飛び込むと



ニコヤかに美由紀さん話し掛ける透さんと、戸惑いを見せる美由紀さんが正対していた。戸惑う美由紀さんに向かい…

ニコヤかに…

『美由紀さん…君との約束を果たしに来たよ。』


えっ!…僕は今…色んな事が立て続けにおきて…

混乱しているのか?

透さん…約束を果たしに来たよ。って言った。


それは…両目の赤い少年が口にすべき事じゃないか?

透さんは…髪は真っ白で

目の色は赤ではない。

頭の中を整理する様に

僕は頭をブンブンと振って自分に都合の悪い言葉を振るい落とそうとした。


なのに…

『君の好きだったサラサラの髪の毛はご覧のとおり…真っ白だ…

これは…呪詛を生業としてきた永井の男たちの背負うべき宿命の一つだ…

そして…』


そこまで美由紀さんに語りかけると…

透さんはうつむき…

右手を目に当てている。


暫くして…顔を上げた透さんの…












両目は赤かった。

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