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緋色の眼を持つ少年  作者: カモメ
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緋色の眼を持つ少年第五十三話

嬉しそうに跳び跳ねるチョコをもて余すかの様に、でもそれが、堪らなく嬉しそうに笑顔をうかべリードを握る。


夕暮れの進む中

瑞代ちゃんは、何時もの散歩道を歩いて行く。

チョコが行うマーキングも可愛く思えるらしい

事あるごとに頭を撫でる。本当のチョコの飼い主は瑞代ちゃんじゃないかと僕ですら勘違いしそうだ。


先程の神社へやって来た。狛犬が夕闇に不気味に見える。

逢魔が刻の神社の静寂が更に不気味さを増して行く。

『ねぇ…和美くん…

そろそろ帰りましょうか…』

『そうだね 、流石に子供だけでウロウロする雰囲気じゃないね。』


瑞代ちゃんは、この言葉を最後まで聞かないうちに

まだ遊びたがっているチョコを引き摺るように踵を返した。


行きは良い良い帰りは怖い…

通りゃんせの歌詞の如く

瑞代ちゃんは急に無口になった。


足取りは変わらない…

が、チョコが後退りをするように抵抗する。


何かが違う。

瑞代ちゃんの家の玄関が見えた。


玄関を見向きもせずに通り過ぎて行く。


『瑞代ちゃん!!

おうちは此処だよ!!』

その言葉にも反応しない。

僕は思わず瑞代ちゃんの肩を掴んで

『家を通り過ぎてるんだってば』


『私の家は此処じゃないの』

此処じゃない?

そんな筈はない。

さっきまで瑞代ちゃんのお母さんも一緒に三人で話していたのに…


瑞代ちゃんは振り返りもせずにどんどん先へ進む。

チョコが怯えているように見える。

首輪が喉を絞めても構わすにリードを引っ張る

堪らずにチョコがキャンと悲鳴を上げた。


瑞代ちゃんは、忌々しげにチョコを睨み付け

『いちいち癪に触るわね もう…ついて来なくても良いわよ。』

と、リードを離した。


自由になったチョコは怯えながらも後を追う


瑞代ちゃんが左の通りに曲がろうとしている。


『そっちは美由紀さんの家の方向だよ!!』


瑞代ちゃんは振り向き

『和美くん…

一緒におうちへかえりましょ』


心臓を鷲掴みされたような衝撃が走った。

今のは美由紀さんだ!!

いつの間に?

美由紀さんの姿は見えなかったのに…

瑞代ちゃんにとりついたとでも言うのか?


美由紀さんに解らない様にスマホを取り出し

透さんにメールを入れた。

《瑞代ちゃんがおかしい。美由紀さんがとりついているみたいだ。

何とかして欲しい。》

一向にこのメールに対しての透さんからの返信は無かった。

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