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緋色の眼を持つ少年  作者: カモメ
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緋色の眼を持つ少年第五十一話

どうして、こんな笑顔を浮かべる人が、江崎さんの命を簡単に奪えるのだろう。

解らない事は、誰かに聴くか図書館で調べよう

休み時間に図書館に行ってもどこを探せば良いのか解らない。

肩を落とし教室に帰ると心配そうに瑞代ちゃんと、美穂ちゃんが話し掛けてくる。


『どうしたの?浮かない顔をしてるわよ?』

傍目に解るくらいに僕は悩んで居たのか?


『人ってさぁ…

人格が変わった様になる事があるのかな?

図書館で調べようにも調べ方が解らないんだ。』


瑞代ちゃんと、美穂ちゃんが顔を見合わせ…

二人一緒にこちらを向き

ニヤリと笑い。


『ホント、和美くん…

アナログなのね?』


何だか自分の力の無さにため息をつきかけた時


『これよ…これ…』

美穂ちゃんが僕にスマホを突き付けた。


『何…』


『だからもう~

これで調べるのよ!

人が変わった様な…なら

多重人格で調べてみましょう?』

と、指を滑らせた。


『今はねぇ…多重人格とは言わないらしいわ!

その様な、物をひっくるめて、解離性同一性障害って言うらしいのね?


耐えられ無いことが起こると自分の人格から分離して別の人格を引き出す事があるらしいの…


その時の記憶は残らないから、本人には罪悪感も無いことが多いって…



幼児虐待の体験者によく見られるんだって…

そんな子は、自分を自分で眺めてる記憶がしっかり残ってるらしいわ』


文明の利器の力をマザマザと見せつけられたが…


まさに、透さんは解離性同一性障害に違いない。

あの、優しげな微笑みの陰に、冷血な表情を隠しているとは思えなかった。


あの冷酷な亨さんは別人格なんだ。

それにしても、虐待はなんて罪深いのだろう…

助けを求める家族が加害者なのだ…

誰でも良いその場…その時に身を挺して庇う人が居れば、ネクロマンサーの力が目覚めても狗神使いの道は選らばなかったと思う。


永井の家も家業を継がせる為だけに引き取り…

透さんに強制したのだろう…

だから、別人格が支配して良美に狗神を飛ばしたのか?


そんな事を思っているうちに、瑞代ちゃんが

『今日の帰りにチョコと遊んで行かない?』


僕は嬉しかった。

同級生に家に誘われるなんて初めてだ。


情けない事に僕の頭の中にもう…

透さんの事など微塵も残って無かった。

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