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緋色の眼を持つ少年  作者: カモメ
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緋色の眼を持つ少年第五十話

次の日の朝、昨日の事で眠れず…

少し顔が腫れていた。

洗面所で顔を洗ってもあまりスッキリしない。


そのまま、居間に入ると透さんが朝食を作り始めるところだった。


『おはよう…』の挨拶をすませると、『お前…少し顔が腫れてるな。

今日は塩分を控えめにしとけ』

という。


朝食は、目玉焼きに、粗びきウィンナーと、キャベツの千切りに炊きたてのご飯

『漬物と味噌汁は無しだ。塩分が高いからな…

それと、目玉焼きの調味料はケチャップでな』


何でも調味料の類いの中でもケチャップの、塩分含有量が一番少ないらしい。


試しに、何も付けずに目玉焼きの、白身を口にした。

味がしない。…


僕は素直に、ケチャップの力を借りる事にした。


食べ終わり流し台に、皿や茶碗 を置きに立ち上がると、

『コーヒー飲んでみるか?』と、透さんに勧められた。


『うん…』と、軽く頷くと嬉しそうに

『少し待ってろ。』と、

見たこともないマグカップを取り出し…

ドリップと言うのか?

お湯を少し注いで一分ほど蒸らし

『この時の香りと時間がたまらん。』と

更に嬉しそうだった。

再びお湯を注ぎ始めても

少しかけ回す様にほんの少しずつ注いで行く。


少しずつドリップの中に泡がたち始める。


この頃には、僕の鼻腔をくすぐる程に、香ばしく、甘味を含んだ香りが届いていた。


そう言えば、美由紀さんの家に最初に上がった時

『紅茶にする?珈琲にする?』って聞かれたっけ…


そんな思いが頭をよぎったその時


『さあ…出来上がりだ。』とマグカップを目の前に置かれた。

『和美…珈琲デビューだろ?』

『うん…』

そうだ…あの時僕は、牛乳を頼んだんだ。


そんな事を考えながら

マグカップを手に取り一口すすってみた。


『衝撃が五感を刺激する。ほろ苦いながらも、後味は爽やか…口中から鼻腔へ抜けて行く香ばしく爽やかな香りが僕を縛りつける。


『俺は酒は飲まんが、これは、辞められん。』

確かにこれは、癖になりそうだ。


『珈琲には利尿作用もある。

体が腫れてる時なんかには持ってこいだ。』


なるほど…と、僕は珈琲を飲み干し…

学校への用意をしに、自分の部屋へ戻ろうとした。


その僕の背中に

『一度こうやって…お前と、珈琲を飲みたかったんだ。』と、声を掛けられ振り向くと、


見たことの無いほどの優しい微笑みを透さんは浮かべていた。



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