緋色の眼を持つ少年第四十六話
瑞代ちゃんの部屋は、いかにも女の子らしく飾られていた。
それほど大きくはない部屋はぬいぐるみが幅をきかせ
男性アイドルグループのポスターが壁を占める。
美由紀さんの部屋の様に決して汚してはならない様な雰囲気はない。
美穂ちゃんは遠慮もなくピンクのベッドカバーの上に腰を落とす。
僕はやはりフローリングに正座した。
瑞代ちゃんと美穂ちゃんの二人でベッドは占められ…
僕は連れて来られたチョコを抱きしめ、二人を見上げる形で話をした。
もとより…口下手で人見の激しい僕は、中々女の子との会話は進まず…
僕の手の中で暴れるチョコを抑える事に四苦八苦していた。
そんなとき…
僕のスマホの着信音が鳴った。
僕の番号を知っているのは此所に居る二人と、うちの家に居る透さんと浩子さんだけだ。
少しだが…ほんの少しだけだが…嫌な予感がした。
やはり…電話の主は透さんだ…
どうして、透さんからの電話に嫌な予感がしたのか?答えは直ぐに解った。
『はい…』
着信を取り電話に出る。
『和美か?』
『うん…』
『今な…うちに江崎さんが来ている…
お前の傷の具合を見せたい早く帰って来なさい。』
あの江崎さんがうちに?
マルに噛まれた治療費の請求にでも来たのか?
それとも、僕の怪我の具合を心配したのか?
取り敢えず女の子二人には家から電話で早く帰って来いと連絡があったと伝え
瑞代ちゃんの家を出た。
遠回りをして家に帰ると応接室に江崎さんと、透さんが居た。
気まずい雰囲気だ…
江崎さんに挨拶をして透さんの隣に座った。
すかさず…
江崎さんは、ズボンをめくりマルに噛まれた跡を僕らに見せた。
『どうしてくれるんです!!犬が噛みつくなんて飼い主の過失でしょう?
治療費は頂きますからね?私は訴えても構わない覚悟です。』
訴える!!
そんな…理不尽な…
殴られ蹴られた僕の立場はどうなる?
それに対して透さんは…
『どうぞ…お好きな様に…勿論診断書はお持ちなんでしょうね
訴えられるんであれば、こちらも診断書を取り対抗処置を取ります。
貴方は小学生に暴力を働いた。
たとえ…司法が貴方に味方をしても…
無抵抗の小学生を顔が腫れるまで暴力を振るった事実を僕は許しません。
もしも…
司法が江崎さんに味方をしようがしまいが…
僕なりの落とし前をつけさせて頂きます。
透さんは、ニコリともせずに江崎さんに良い放った。




