緋色の眼を持つ少年第四十五話
まさか…透さんの背後からあの光が吹き出しているとは…
僕は二度見をしてしまった。
よく見ると透さんの背後から吹き出している光は清水靖子さんの光とは少し違う。
清水靖子さんの光は、青とも緑ともつかない色で、綺麗にも見えたが…
透さんの背後の光は、明らかに緑色…しかも…
深緑…とても綺麗には見えない…
禍々しささえ感じて直視出来ない。
透さんから眼を逸らすと
『和美…姉さんから聞いたが、今は安全の為にスマホが必要らしいな…
今から買いにいくぞ。』
思わぬ展開に虚をつかれた僕は、ズカズカと、玄関に向かう透さんの後を追った。
二人軽トラに乗り込みショップへと向かう。
『和美…江崎のようなクズに殴られた事は忘れろ…
何かあったらスマホで、俺に連絡をしろ…
江崎には、俺からキツく言っておく。』
『うん…』とは、返事したものの、何をキツく言っておくのか?
それは気になった。
一時間後
僕と透さんはスマホを手に家に帰った。
『浩子さんには買わないの?』と聞いてみると
『家から殆ど出ないのに
携帯も何も必要無いだろう。』
と、一蹴された。
次の日僕は瑞代ちゃんと美穂ちゃんにだけ…
番号を教えた。
ラインも勧められたが…
今一使いこなせそうに無いので…
やんわりと断った。
帰りがけ、瑞代ちゃんが声を掛けてきた。
クラスのマドンナである瑞代ちゃんの、お声がかりに男子どもの視線が痛いほどに刺さる。
当然だろう…
クラスの奴等との話なんて必要事項以外口をきかない僕と瑞代ちゃんの接点を皆は知らない。
瑞代ちゃんは
『チョコと遊んで行かない?』との、誘いだった。
勿論美穂ちゃんも付いて来る。
彼女は相変わらず賑やかだったが…
同級生の家に初めてお邪魔する僕は多少興奮していた。




