緋色の眼を持つ少年第二十四話
日曜日の朝…
永井の業を解き明かす鍵となる女性は10時に、玄関のチャイムを鳴らした。
透さんは、何時ものツナギではなく…
ラフではあるが、青年が人を出迎えるにあたって、さほど失礼ではない格好で、浩子さんと三人で、居間で、彼女の訪問を待っていた。
訪ねて来る約束の時間は10時…
彼女…清水靖子さんは、時間に正確な人のようだった。
僕は透さんと浩子さんの視線に促され…
玄関に向かった。
僕の足音に気づいたのか?清水靖子さんは、玄関越しに…
『先日、コチラにお伺いの電話を差し上げました
清水靖子でございます。』
と、挨拶の言葉を述べた。
僕は
『良くいらっしゃいました。
どうぞ…お入り下さい。』と答えると
お邪魔します。と、玄関を開けた。
その声は女性らしく少し高めで、扉を開いて入って来た清水靖子さんは、僕よりも小柄で…
笑うと可愛いんだろうな?と、思わせる二十代半ばの女性だった。
玄関にスリッパを揃え、
『どうぞ…お上がり下さい。中で…当主…永井透が待っております。』と、
打ち合わせ通り…靖子さんを、
応接室に通した。
最初に一目見たときから…靖子さんに不自然さを感じていた。
見た目は普通の小柄な、お姉さん…
だけど…言い知れぬ…
何かが漂う。…
応接室に案内すると
透さんが立ち上がり…
『いらっしゃいませ…
永井透です。』
と、挨拶し…
『どうぞ…お座り下さい。』と、
ソファーを勧めた。
靖子さんがソファーに軽く腰かけると…
『和美…清水さんにお茶を…』と、指示を出した。
僕が…
『はい…』と返事をして…居間に控えてる浩子さんの所へ向かおうと扉に手を掛けようとしたとき…
いきなり…
靖子さんは身を乗り出し…
『呪って、いただけるんでしょうか?
あの、メスブタに…
呪いを掛けていただけるんでしょうか?』
と、透さんに
必死の形相で詰め寄った。
僕は、その靖子さんの、必死な形相に、気圧され…
身動きが取れなかった。




