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緋色の眼を持つ少年  作者: カモメ
16/59

緋色の眼を持つ少年第十六話

ガタリッ…

僕は椅子を倒さんばかりに立ち上がった。


先生が…

『永井!!どうかしたのか?』と尋ねるが…


言葉が出てこない。

女子が…

『先生!!…永井くんの顔色が真っ青です。』と

声を上げる。


『永井…保健室で休むか?』

僕はひたすらに、首を横に振り…

先生の申し出を拒絶した。

教室の後ろに立つ美由紀さんを、どうやって皆に説明すれば良いのか?


そもそも…

怨霊と口にすれば…

嘘つきだの…心霊オタクだの言われなき中傷を受ける。


それは…子供の頃からの経験則でわかっているが…


保健室に逃げ込んで、美由紀さんが、保健室にまで…やって来たら…

僕にはどうしょうもない。

先生が

『兎に角…永井…椅子に座りなさい。

どうしても気分が悪ければ保健室に連れていく。


永井…大丈夫なんだな?』と、念を押すように確認をとる。


僕は首を縦に振ることで返事をし…

机にうつ伏せに顔を埋めた。


見えぬ…聞こえぬ…何も解らぬ…

それが幸せな事もある。


昨日の初さんの言葉が、頭の中を駆け巡る。


やっとの事で五時限目が終わった。


僅かな休み時間に、女子が…

『永井くん…大丈夫?…』と何人もが尋ねてくる。

心配はしてくれるんだ。

と、少し安堵仕掛けた時…


男子の中から…

『女の子の同情を買って、イイ気なもんだ』等の中傷を聞こえよがしにささやく奴もいるが…


こちらはそれどころじゃない…


いかに美由紀さんから離れる…

それだけが頭を占めていた。

女子の声に混じり…


『和美くん…大丈夫なの?』と…




美由紀さんの声がした。

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