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緋色の眼を持つ少年  作者: カモメ
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緋色の眼を持つ少年第十三話

僕は、居間へ向かおうとしている初を追いかけた。


居間の扉を開く事なく

吸い込まれる様に、消える初の後を追うように


勢いよく、扉を開くと

透さんと、浩子さんがテーブルに向かい合わせた格好で座り何かを話し合っていた。


透さんは

『もう?宿題は、終わったのか?』と

何気に聞いて来たので

『まだだけど…』と言おうとしたとき…


浩子さんの隣に初が立っていることに気付いた。


透さんの顔色は何時もと変わらないのに対し


勢いよく扉を開けた僕に

浩子さんは、あからさまな嫌悪感を示した。


浩子さんの隣に立つ初が…

『気に病む事はない…

浩子には、オレの姿は見えはせん…

多少…行儀が悪くとも、透には見えておる。

案ずる事はない。』と、話した。


すると…

透さんが


『姉さん…和美が、初さんに出会ったみたいで…

驚いて此処まで初さんを追いかけて来たんだ。


初さんと初対面だから…

多目に見てあげなよ…』


それを聞いた浩子さんは、ほんの少し表情を和らげ…『和美…本当に初さんと出会ったの?』と聞いてきた。


『うん…自分はこの家の者だが、この家には住んで居ない怨霊だって言ってた。』


『あんた…初さんと話したの?

うちの代々の男達でも…

初さんと話した男は少ないのに…』


その話を引き取る様に…

透さんが…


『和美の赤い眼のせいだよ…

和美の赤い目には、人外の者も…現に住まう者も、区別がつかないように見えるから…

初さんと話が出来てもおかしくはないよ。』


それを…浩子さんは…

『永井の女には…

初さんは見えないと言うのに…』と少し悔しそうな表情をした。


『姉さん…

見えないほうが、断然良いと思うけどなぁ…

さっき犬たちが、盛んに吠えてたでしょ?


あれは…和美が人外の者を連れてきたからだよ。

まだ和美には…現に住まう者も人外の者との区別がつかない…


だから…初さんが忠告に来たんだよ…

気をつけろってね?』


と、浩子さんの隣に立つ初さんにニコヤかに笑いかけた。


そこで…

『初さんが今…この部屋に居るの?』と狼狽えた表情を浮かべる浩子さんへ


『だから…和美は初さんを追いかけて来たって言ったじゃない。』


浩子さんは納得が行った様で…

『ふう…』と一息溜め息をつき…

『初さんの墓を世話するのは…永井の女の役目なのに…

永井の女には初さんの、気配すら感じない…

何だか不公平だわ』


『姉さん…仕方ないよ…

初さんは自分と同じ目に永井の女が合わないように

永井の女には…


才能が出てこない様に

末代まで


祟ってるんだから』


その時…

初さんが…浩子さんに向かい…


『見えぬ…聞こえぬ…何も解らぬ…

それが幸せな事もある』


と、笑いながら語りかけた。


勿論…

浩子さんには何も聞こえては居なかった。

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