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海外行きがバレて喧嘩した僕は家出する

今回は家出します

光晃の行くところなんて一つしかないと思う

では、どうぞ

「僕の周りは疫病神ばかりだな……」


 海外に行く事が真理姉さんにバレてしまった。それで言い合いになり、僕がキレて家から出て行くと宣言してしまった


「黙っていれば僕が知らない間に海外に行ってました。で済んでたのに」


 真理姉さんにバラした水沢先生に恨みはない。いずれバレる事だ。それがいつどこからバレるか?であり、それが今日、水沢先生からってだけだ。ただそれだけの話で僕としては取るに足らない事


「さて、こんなものかな?」


 携帯と財布、充電器とおそらく数日は帰らない。その分の着替えと仕送りが入れられる通帳を鞄に詰めて家を出る。僕の行先なんて1か所しかない。そう、僕のサボりスポットだ。学校の敷地から入るので私服じゃ目立つ


「着替えも幾分か持っているし、制服で行って戸締りをしっかりしておけばいいだろ」


 一先ず数日は帰らない予定だけど、おそらくは真理姉さんは僕を探すだろうし、秀義にも連絡が行くと考えればサボりスポットにいるのが1番いい


「誰も僕が学校に戻っているなんて思わないだろうな」


 さて、真理姉さんが帰ってくる前に家を出よう。まぁ、どうせあの人達じゃ僕を見つけるのは不可能だろう……どこまでできるかお手並み拝見といこうか


「じゃあ、行きますか」


 念のため鍵を掛けてから家を出る。帰らないとはいえ防犯は大事だ。


「さて、誰もいないな?」


 校門前に着いた僕は周囲に人がいないかを確認してから校門を潜った。


「現在は部活中か……」


 運動部が練習している声が聞こえる。テニス、野球と種類は様々だが、僕1人が学校に侵入してもバレないだろう


「さて、あの小屋に行くにはグランドを抜けるのが1番近いけど……どうするかな?」


 僕は普段授業をサボる為にグランドを突っ切って小屋に行くけど、今は野球部が練習でグランドを使用しているため、グランドを突っ切るのは不可能だ


「仕方ない。諦めてコンビニの近くを通過するするかな」


 グランドを突っ切るのは不可能とわかった今、僕はコンビニの前を通過する事にした


「ついてないと思っていたけど、そうでもないみたいだ」


 海外行きが水沢先生経由でバレてしまったけど、この小屋に来るのは誰にも見つかる事なくたどり着けた


「さて、これからどうするかな?」


 家出をしたのはいいけど、夕食にするには早すぎるし、かといって寝てばかりいるわけにもいかない。勉強は今日は気分じゃない


「ゲームでもするかな……」


 特にやる事がないので持ってきたゲームをする。1回やった事があるものなだけに新鮮さも面白味も特にないけど、退屈してるよりかはマシだ


「ダメだ……気分が晴れない……」


 真理姉さんが幼い頃にした約束を持ち出し、僕も高校入学の時にした約束を持ち出した。約束を破るような罰を課した真理姉さんが自分とした約束を守れと言われた時に何かが僕の中で切れた


「幼い頃にした約束なんて忘れてればいいものを今も覚えているなんて……」


 今の僕にとっては大した事じゃないけど、真理姉さんにとってはそんなに大事なのか?子供の口約束みたいなものが


「サッパリわからない。ま、人に約束を守れって言うなら自分が守らなきゃな」


 僕がした約束はお互いに結婚してもずっと側にいるって約束。真理姉さんがした約束は教育実習生を必要以上に関わらせないという約束。だけど、今回真理姉さんが僕に課した罰は水沢先生のサポート。つまり、教育実習生と関われという事であり、約束が違う


「真理姉さんには出て行く事を伝えたし、探したとして水沢先生と協力するなんて事はまずないだろう」


 真理姉さんがする事なんて僕には手に取るようにわかる。ま、ゲームしているよりも退屈凌ぎになりそうだ


「ん?電話か」


 着信画面には“父”と表示されており、用件は大体想像がつく。僕の海外行きについてだろう


「もしもし?」

『光晃か?』

「そうだけど?何?」


 僕の携帯なんだから僕以外誰が出る?彼女がいれば彼女が出るかもしれないけど


『お前真理さんに今回の事を話してなかったみたいじゃないか』


 その話か、電話が来た時点でそうじゃないかとは思っていたけど


「そうだけど?それがどうかしたの?別に真理姉さんに僕がどこへ行こうと関係ないでしょ?」

『光晃、お前な……』


 父は呆れたような感じだった。普通は怒るところじゃないの?嘘吐いてたんだから


「怒らないの?」

『お前の事だから話してはいないだろうとは薄々感じてはいたが、本当に話していなとは思わなかった』


 なるほど、父には僕の行動はお見通しだったって事か。我が父ながら感心する。僕の行動を予測するなんて


「話してたら絶対に止められるし、癇癪起こされても困るし……だったら何も言わずにお別れした方がお互いの為になると思うんだけど?」

『はぁ、これじゃ真理さんも苦労するな』

「苦労?人との約束を破る人が苦労も何もないと思うけど?」


 自分の約束だけ守るように言って僕との約束を破る人の事なんて知るか。苦労でもなんでもしてろよ


『光晃、私も母さんもお前を愛しているが、真理さんも私達と同じ……いや、私達以上にお前の事を愛している。それだけは言っておく』

「歳のせいか戯言がうまくなったね。今の僕にそんな戯言が通用すると思っているの?」


 人との約束を破る人が僕を愛してるとか……まぁ、テレビで見るお笑い芸人の下手な芸よりは笑えたけど


『そう思っているならそれでも構わないが……』

「あ、そう。用がないならそろそろ切ってもいい?正直、今はあの人の話はしたくない」

『あの人か……まぁ、真理さんとはじっくり話し合え。私からは以上だ』


 それだけ言うと父は電話を切ってしまった。話し合えか……くだらない


「話し合うだけ時間の無駄だって事はわかりきっている。今更話う気はない」


 僕の耳に聞こえる部活動に勤しむ生徒達の声はいつもよりもうるさく感じた


「どうしてこうなったんだか……」


 どうしてこうなったか?そんなの決まっている。教師の勝手な価値観と教育実習生の身勝手な行動が原因だ。人見知りの僕を強引に集団に入れようとして失敗し、それを悪びれる様子もなく自分は正しい事をしたと思いこんだまま実習が終わり、採用試験に合格していれば……ものの見事に無能教師の完成だ


「はぁ、いい加減に集団の中にいる事が苦痛でしかない人間もいる事を学んでほしいものだ」


 はぁ、そんな事だから生徒に頼りにされないんだよ。バーカ……自分が何とかしてやるとか思っているから僕みたいな奴に見放されるんだよ


「真理姉さんもそうだけど、言っても無駄か」


 言っても無駄なら無視すればいい。傲慢な教師も無能な教師も。僕にとってはいてもいなくても同じだ


「ん?電話?今度は誰だ?」


 父とはさっき話したし、もう用はないはずだから父という線はない。じゃあ、誰だ?


「真理姉さんか……」


 着信は真理姉さんだった。絶対に出るもんか。あの人と話す事は何もない


「無視だ無視」


 しばらくすると着信音が止み、留守電に切り替わった。録音が終わったら聞こう。どうせ大したことじゃないだろうし、いちいち取りあうだけ無駄だ


「終わったか……」


 留守電の録音が終わったのか、携帯には着信あり、留守電1件とあった。録音中に聞く事もできたけど、そんな気が起きなかった。


「何の用だ?」


 めんどくさいが、いずれ聞くんだからいつ聞こうと同じだ。はぁ、出て行った奴の事なんて放っておけばいいものの……


『光晃、さっきは私が悪かったです。出て行くっていうの嘘だよね?いつも通り家にいるよね?大丈夫だよね?帰ったらいつも通りただいまって言ってくれるよね?』


 留守電の内容は謝罪の言葉と僕が出て行くか否かの確認だった。ふん、もう既に家を出た後だけどね。今更遅いんだよ


「バカか?僕が既に家にいないとも思わないで……」


 時すでに遅しとはまさにこの事だ。僕が家出した後に電話してくるとは……


「自分が日頃どれだけ理不尽な事を言ってるか理解するがいいさ」


 携帯を放り投げ、簡易ベッドに寝転ぶ。授業をサボった時にはすぐに見つかると思うけど、家出した僕を探すとなると簡単に見つかる気がしない


「気分悪いから少し寝るか」


 いつも寝てばかりだとマズイと思うけど、ゲームするのも飽きたし、とてもじゃないが、本を読みたい気分じゃない。寝て気分をスッキリさせるに限る


「父は当てにならないし、これからどうしよう」


 海外に行けなくなった。家出もした。ここへしばらくいるのはいいけど、いつ見つかるかわからない。万事休すか……


「考えても仕方ない。なるようになるか」


 見つかったら見つかったでその時考えればいいか。真理姉さんを強引に納得させて海外に行くって言うのも1つの方法だし


「はぁ……」


 真理姉さんの事も何もかも忘れて僕は眠りについた。さて、どうなる事やら……


「………もう夜か」


 目が覚めた時には既に辺りが真っ暗だった。この小屋にカーテンはあるけど、僕は寝る前に閉めた覚えはない事から外を確認するまでもない。


「ん?留守電?」


 時間を確認しようと携帯のホーム画面を見たら着信ありの通知と留守電の通知が10件。そのうち9件が真理姉さんで1件が秀義のものだった


「秀義のから聞いてみるかな」


 真理姉さんのは聞かなくても見当がつく。だけど、秀義のは見当もつかない。聞くだけ聞いて必要であれば折り返す


『光晃!真理さんが電話でお前が家出したって言ってたがどうしたんだ?』


 留守電でも声のボリュームがデカい。いつもいつも言ってるのに直らないのか……対面でもうるさいのに電話越しでもうるさいなんて……


「だから嫌なんだよ……秀義は」


 僕の周りってこんな奴しかいないのか?僕は一生コイツにボリュームを落とせって言い続けるのか?僕は秀義の保護者じゃない。僕だってやりたい事はある。秀義や真理姉さんに縛られるくらいなら海外に逃亡した方がマシだ




今回は家出しました

光晃の行くところって言えばサボりスポットしかない。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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