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恋人に浮気されて意気消沈した俺はお隣に住むデカすぎる美人三姉妹に死ぬほど溺愛される  作者: かくろう
後日談 凪沙更生編

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第80話 夏休み初日と三姉妹の企み

夏休み初日の朝、白峰家はいつもより少し騒がしかった。


俺が目を覚ますと、すでに三姉妹がリビングに揃っていた。

テーブルの上には、色とりどりのフルーツが盛られたヨーグルトと、焼きたてのトーストが並んでいる。


「おはよう、悠真くん」


葵が蜂蜜色の髪をさらりと揺らしながら、優雅に微笑んだ。

今日は薄手の白いワンピース姿で、夏の光がよく似合っていた。


「ん……おはよ」


澪は無言で俺の隣に座り、すでに出来上がったアイスコーヒーをそっと置いた。

白のタンクトップに淡いブルーのショートパンツという、爽やかな格好が彼女の長身をすっきりと見せている。


「悠真ー! おはよー!」


雛は俺の背中に飛びついてきて、大きな胸を押しつけるように抱きついた。

明るいピンクのキャミソールが夏らしくて、元気いっぱいの笑顔が眩しい。


そこへ、キッチンからエプロン姿の胡桃ちゃんが顔を出した。


「おはようございます、悠真ちゃん!

今日はみんなの好きなメニューに挑戦してみました!」


胡桃ちゃんは少し照れくさそうに笑いながら、トレイを運んでくる。

メイド見習いとして本格的に働き始めてから、彼女の表情は日に日に明るくなっていた。


朝食を食べながら、俺はなんとなく違和感を覚えた。


三姉妹が、妙にそわそわしている。


特に、時折視線を交わし合っては、意味深な笑みを浮かべているのが気になった。


「なんか……今日から何か計画でもあるのか?」


俺が何気なく聞くと、三人は一瞬だけ動きを止めた。


葵が優しく微笑みながら答える。


「ふふ、夏休みなんだから、色々計画はあるよ。

悠真くんも、楽しみにしててね?」


澪は無言で頷き、雛はにへらっと笑って親指を立てた。


胡桃ちゃんだけが、きょとんとした顔で首を傾げている。


「え? 何か特別な予定があるんですか?」


「それは……秘密♪」


葵が可愛らしくウィンクした瞬間、俺は確信した。


こいつら、絶対に何か企んでいる。


朝食が終わった後、俺は自分の部屋に戻って荷物を整理していると、

ドアの向こうから小さな声が聞こえてきた。


「葵ちゃん、作戦どうするの?」


「まずは私が一日独占権を取るわ。悠真くんを街に連れ出して……」


「待って、澪も行きたい」


「えー! 雛は遊園地がいい!」


三姉妹が廊下でこそこそと話し合っているのが丸聞こえだった。


俺はため息をつきながら、苦笑した。


どうやらこの夏休みは、ただのんびり過ごせる夏ではなさそうだ。


一方、リビングでは胡桃ちゃんがエプロンを外しながら、小さく拳を握っていた。


「私も……悠真ちゃんの夏休みを、ちゃんとサポートしたい……!」


夏休み初日、白峰家はすでに、目に見えない熱い戦いの火蓋が切られようとしていた。


その時、葵がふっと笑みを浮かべて人差し指を立てた。


「それでは久しぶりに、日替わり恋人制度を発動させましょう。

今回からは胡桃ちゃんも加わって、四人サイクルで回していくと言うことで」


「おお、なんか懐かしさすら覚えるなそれ」


三人と一緒にお付き合いをするようになって、誰を嫁にするかを決めるために作った制度だったが、

なんだかんだでうやむやになっていた。


葵は優雅に微笑みながら続けた。


「え、胡桃も加わっていいの?」


「うん。胡桃ちゃんは愛人候補だからね。等しく寵愛を受ける権利があります」


胡桃ちゃんはエプロンの裾をぎゅっと握り、顔を真っ赤にしながらも、

目をキラキラさせて俺を見上げた。


「わ、私も……悠真ちゃんの恋人候補に入れてもらえるの?」


雛が勢いよく胡桃ちゃんの肩を抱き寄せ、元気いっぱいに笑った。


「もちろん! 胡桃ちゃんも仲間入りだよ!

これで四人体制で悠真を奪い合い……じゃなくて、愛し合うんだね!」


澪は無言で胡桃ちゃんの頭を優しく撫で、短く頷いた。


「……歓迎」


葵が優しい笑顔のまま、俺に視線を向けた。


「というわけで、悠真くん。

夏休み初日から、よろしくお願いしますね?」


俺は三人……いや、四人の視線に囲まれ、思わず後ずさった。


「そうだなー。胡桃ちゃんも加わった事だし、一人ずつの時間は必要だよな」

「嬉しいな。胡桃も一緒に愛してもらえるように頑張るね!」


胡桃ちゃんは照れくさそうに頰を赤らめながらも、

小さく拳を握って決意を込めた声で言った。


「悠真ちゃんの夏休みを、素敵なものにしたいから。一生懸命ご奉仕する」


その瞬間、リビングの空気が一気に華やかで、

少し危険な熱を帯び始めた。


「あ、但し、エッチは駄目ですよ。私達もまだですからね」

「わ、分かってまーす!」

「いーえ! 胡桃ちゃんにはキス強奪の前科がありますからね。念には念を押しておくに越したことはありません」


夏休み初日。

白峰家は、すでに予想外の盛り上がりを見せていた。


「ゆーま、四人同時に、する?」


「そ、それは……まあ、いずれな。まずは一人ずつと向き合っていきたい」


「うふふ。私達も焦らず待ってるからね。一番大変なのは悠真くんですもの」


恋人が4人同時というのも中々に大変である。


そんな贅沢な悩みを抱えつつ、俺達の夏休みは始まりを告げるのだった。


「ところで具体的にどこに出かけるのか決まってるの?」


「あの、悠真ちゃん、私、お願いがあって」


「どうしたの胡桃ちゃん」

「私、浮子さんに会いに行きたい。助けてくれたお礼、まだ全然できてないから」


浮子さん……それは凪沙が胡桃ちゃんに名乗った偽名だ。


「そうか……。そうだな、助けてくれたお礼はちゃんと言わないとな」


俺は彼女に会うわけにはいかない。恐らく向こうも望まないだろう。


だけど胡桃ちゃんを一人で行かせる訳にもいかないからな。


「分かった。車を手配するよ。会いに行くと良い」

「悠真ちゃんは?」


「俺は向こうから合う必要はないと断られてるからね。水を差すわけにはいかないのさ。葵、胡桃ちゃんに休暇はあげられる?」


「そうねー。どうせなら、あっちの別荘でバカンスとかどう?」


「え?」


「最近うちのパパが向こうに避暑地用の別荘を買ったんだって。でも今年は忙しくて行けそうもないから、皆で行っておいでって」


「そうか…。じゃあそうするか」


直接会いに行かなければ遭遇することもないだろう。


胡桃ちゃんを途中で降ろせば問題はないはずだ。


こうして俺達の夏休み計画は進んでいった。

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